2013年11月8日金曜日

レクサスIS350であれこれ妄想・・・

  今年発売された「レクサスIS350」は、レクサスというかトヨタの本気がかなり詰まっていて、多少は無理しても新車で購入したいと思わせてくれる「ホット」なクルマです。Fスポで乗り出し600万円オーバーですが、まだまだBMWやメルセデスの6気筒モデルと比べれば100万円以上も安いバーゲン価格です。しかもトヨタが本気でマーケティングしてライバルを総合的に上回るクルマです。

  もともとは共通設計の2代目GSが最初に本気で欧州市場を狙ったようですが、なんといっても欧州のお金持ちはとても保守的なので、なかなか思うように欧州の高級車からシェアを奪うことが出来ませんでした。もちろんこの「レクサスGS350」も絶賛されているクルマなんですが、どうも大事なところが「抜けて」います。トヨタの傑作デザインには必ずといっていいほどある「個性的なポイント」がないです。全体的に「キレイ過ぎ」ます。まあどんなデザイン持ってきても欧州の「最も高い壁」を超えるのは難しいというのもありますが・・・。

  やはり頭カチカチでレイシストな「貴族」を相手にするのではなく、日本車に理解があるより柔軟な「スポーティ好き」から攻略したほうがいいだろうということで作られたのが、このレクサスIS350なんじゃないかな・・・と思います。新プラットフォームで送り出したGSが反響無しだったので、今度はかなりの「決断」が入ったデザインになりました。ただレクサス自体がそもそも「スポーティ」を売りにしたブランドではないので、いきなり新型ISを発売して「F30より断然にいいですよ!」だけじゃいくらなんでも全ては伝わらないのでしょうけど・・・。

  欧州に於ける日本のスポーツセダンのイメージはひたすらに「過激」で、スカイラインGT-Rやランエボが日本以上に愛されているということを考えると、新型ISのどこがスポーティなんじゃ!ということになります。日本で見てる限りは馬鹿みたいにオーバースペックなV8搭載のAMGやアルピナと互角以上に渡り合って初めて「メイド・イン・ジャパン」のスポーツセダンとして欧州で「選ばれる」存在になれるのでしょう。しかしこの新型ISには「日本的なデザイン」と「日本的なスペック」でどこまでも勝負するというトヨタの信念を感じます。この点が日本車好きにとっては一番「心地よい」わけです。

  「Dセグセダン」ってやっぱり売れにくくなってますよね。中途半端に作っても絶対に売れないです。特に欧州と日本ではDセグセダンだけを選択肢にする人は少数派で、スポーツカーやSUV、ハッチバック、ワゴン、ミニバンとあらゆる車種と比べられてしまいます。その中から選ばれるのは並大抵のことじゃないです。何もアイディアがなければ「撤退」しかないですよね。プジョー・シトロエン・アルファロメオ・ヒュンダイ・VW 錚々たるブランドがDセグセダンで日本シェアをとる事はできませんでした。

  アコード・カムリ・ティアナは北米市場でまだまだ売れるのでいいですけどね。それ以外の高級モデルは真剣そのものですね。「アテンザ」も「スカイライン」も真剣さがひしひしと伝わってきます。もちろん「レクサスIS」も期待以上の出来だと思いますよ。あの「野暮ったい」だけの先代モデルから、かなり高く跳んだデザインになってます。

  「アテンザ」も「新型IS」も順調に売れていて、おそらく「新型スカイライン」も売れるでしょう。これほど売れにくいクルマを自信満々に作って売ってしまう日本メーカーの底力は凄まじいです。2012-2013は「セダン・ルネサンス」とでも記憶されるはずです。もう完全にドイツメーカーがどれだけデザイン頑張っても太刀打ちできないレベルです。スバルやホンダはここまで「成熟」したトレンドに新型セダンで乗っかれるのか?「レガシィ」はフェイドアウトではなく、次も日本で勝負するそうなので期待したいです。



  

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