2013年11月20日水曜日

夜の街にLEDを照らしクラウン・アスリートは鮮やかに・・・

  東京MSに持ち込まれる欧州各社のラインナップを見ていると、Sクラスやパナメーラといったトップエンドのラグジュアリーセダンを除き、4ドアセダンを個人ユーザーに買ってもらおうという意識がとても低いのを感じます。もはやプレミアムジャーマン3以外のメーカーはプロパーで中型セダンを設定しておこうという意識はもはやなくなっているかのようです。

  ボルボがS60をけなげに日本に納車しているようですが、開発力の差というべきか日本とドイツの有力メーカーと比べるとクルマのキャラが見えてこないです。。ボルボS60が誇る車体のクラッシュ耐性などは、日本市場で一定の支持を受ける中型セダンならどれもほぼ同水準を達成してしまっています。

  セダンの人気が復活と言われていますが、クラウン以外のセダンが月に5000台とか売れちゃうわけでもなく、アテンザもアコードも「予想よりは売れた」の範疇に過ぎません。いずれも中型セダンとしての使い勝手であるとか、そのものの魅力を徹底的に追求していて、非常に良いパッケージングを達成しているのですが、世の中のクルマのあり方そのものを変えるまでには至っていません。

  レガシィの国内セダン撤退疑惑?が渦巻くなかで、日産が発表した新型ティアナは、各社が神経を尖らして活路を見出そうとしている中型セダンの「緊張感」とは全く無縁に「あっけらかん」に登場しました。全く目新しくないですし、燃費を稼ぐタイプのHVを搭載しただけであとは全て「キープコンセプト」のこの新型車は、もはや中型セダンとして大事な部分が取れてしまって魂が抜けているようにすら見えるのは私だけでしょうか?とにかく期待ハズレ感がハンパないです。

  そんな自動車メーカーのやる気の無さにやや嫌気が差してきて、浮かない気持ちで日々過ごしてきました。そんなある日私の眼前に、鮮やかなLEDを輝かせた中型セダンが夜の闇を裂いて華麗に現れて走り去っていきました。遠目には現行のメルセデスかアウディかなと思ったのですが、横にダラっとだらしなく広がるライトのデザインではなく、どこまでもシャープなライト配置で、薄暗がりの中に大きなグリルがかすかに見えました。

  その優雅にライティングされたシルエットの持ち主は現行のクラウンアスリートでした。パールホワイトを青白く光らせ、月夜に妖艶な車体・・・。このクルマの真の姿を初めて思い知らされました。ドイツ車には絶対に出せない「美しさ」だと思います。メルセデスのようなくどさもなく、アウディのような大陸系の乾燥感もなくLEDライトのデザインはまさに日本の美を象徴するような「陰影」でした。主役不在の現行中型セダンにおいて真打ちはコレだ!と妙に納得してしまいましたね・・・。


  ↓アフターパーツもいいけれど、イヤーモデル制を導入し、よりシルエットにこだわったデザインを目指してほしいです。
 

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