2013年6月29日土曜日

レクサスの安売りは見苦しい限りだが・・・、それでもいいクルマ 「レクサスGS」

    はじめに・・・本ブログ記事では、
「入門車」⇒2~2.5LのNAのDセグセダン 
「中級車」⇒3.0~3.7LのNA/ターボのD/Eセグセダン 
「上級車」⇒V8以上のエンジンを搭載した高級モデル
と独自の(勝手な)クラス分けを用いています。ご了承ください。


  好き勝手にブログを書いているただのクルマ好きと違って、新型車の企画・設計を行う開発者にとってその仕事とは「石橋を叩いて渡る」ようなものなのだろう。2代目レクサスGSが発売されるに際して、ブランド内でその存在意義がやや霞みつつあるこのクルマは、本体価格が510万円まで下げられた2.5Lモデルが新たに追加された。

  このクルマは元々はトヨタが世界に誇る俊足スポーツセダン「アリスト・ターボ」の後継モデルとして登場したが、NAの3.5Lのみという設定もあり、アリストの成功をそのまま引き継ぐことが出来なかった。クラウンとのパワーユニットの差別化(3L直6ターボ)で俄に成功したアリストの良い点をあっさり捨て、クラウンアスリートの3.5Lモデルと共通のパワートレーンで価格はワンランク上のV8のマジェスタ並みとあっては、アリストの乗り換えはこの2つのモデルへと流れていくのも自然だったように思う。さらに極めつけは、トヨタの役員がGSではなくアリストターボでスピード違反の取締を受ける事態が発生し、世間にレクサスGSは「身内」も乗らないほどの冴えないクルマというイメージが強くなってしまった。

  この「緊急事態」を受けて、トヨタはクラウン用の新型シャシー開発資源(14代は新型シャシーの予定だったのだが・・・)をレクサスGSに投入してテコ入れを図った。しかしここでも「余計な事」を積み重ねてしまい、そのFMCもやや不発に終わった。余計なこととは、1つはレクサスが新たに設定した「新型グリル」の初の設定車種になったことだ。このインパクトが「ありすぎる」グリルによって、せっかくの新型シャシー投入よりもデザインばかりが独り歩きしてしまった。

  もう1つは、冒頭に言及したように販売量を確保するために2.5Lモデルを追加したことだ。3.5LのNAモデルのセダンは、中古車市場での不人気ぶりがとても目立つ。現在では新車と3年落ち中古の価格差は2倍以上にも広がっていて、ただでさえ少ない新車販売をさらに押し下げてしまっている(中古車がお買い得すぎる)。新車にこだわるユーザーにとっても下取り価格の下落幅まで考えると、1000万円クラスの輸入車に乗るのと負担が変わらないケースもあり、かなり敬遠されてしまうようだ(MBやジャガーの方がむしろお得)。トヨタよりもさらに販売数が少ない日産やホンダは、すでに3.5LのNAのみのグレード設定は今後は成立しないと考えているようで、FMCではことごとく低燃費なパワーユニットを使ったグレードを前面に出している。

  この流れにからレクサスGSも2.5Lモデルを設定することは一見とても自然に思えるので、評論家筋もこのことについて面立って批判する人はほとんどいないように思う。しかしレクサスGSは先代からすでにハイブリッドが設定されていて、ほぼ2.5LのNAと同じくらいの燃費は達成されているので、燃費だけが理由の2.5Lモデルを設定する必然性はハッキリ言ってなかった。結局はその真意は価格の圧縮になるようだ。レクサスの言い分としては、ライバルの「Eクラス」や「5シリーズ」に直4ターボがあるのだから、2.5LのV6NAを設定しても違和感はないといったところだろうが・・・。

  しかしレクサスはまだまだメルセデスやBMWと比べてプレミアムブランドとしての歴史が浅い。例えばアリストに乗っていて、レクサス立ち上げに際して、値上げを受け入れて先代のレクサスGSに乗り換えた人にとってみたら、どういう気持ちがするだろうか? 700万円近く払って先代GSを購入したが、新型GSは2.5Lが中心になりお金に余裕のある高齢者や中高年が乗り回す「普通のクルマ」に成り下がり、しかも先代GSの下取りは5年落ちで確実に100万円を切るレベルだ・・・。新車購入はあくまで自己責任だが、ここまで酷い仕打ちを受けたら二度とレクサスなんて購入したいと思わないだろう。

  レクサスGSと同じように2.5Lモデルの投入で日産フーガも一気に不人気車種になった。やはり3.5Lモデルを買いたいというユーザーにとっては、2.5Lモデルは忌み嫌う「凡庸」なグレードのイメージが強い。やはり2.5Lは「入門車」であり、3.5Lは「中級車」なのだ。2.5Lを導入してしまったら、GSやフーガはもはや300万円で買えるアテンザやレガシィと同じ「入門車」にでしかない、600〜700万円出して乗りたいクルマとは到底思えなくなってしまう・・・。



  

  

2013年6月26日水曜日

喰わず嫌いも多いけど、良く見ると素晴らしい出来映えの中級車 「キャデラックCTS」

  はじめに・・・本ブログ記事では、
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  話題の新型車「キャデラックATS」はプロモーションがだいぶ下手くそなせいもあって、日本ではまだまだ火がつきません。どのクルマ雑誌も扱いこそはありますが、縁の薄いGM車ということもあり、どこかレビューに力が入っていなくて、読んでいても全く様子が分かりません。そろそろ街中で1台くらい見かけるかなと思っているのですが、まったく見当たりません。本当に日本で販売しているのか?という感じがします(納車はまだ先なのか?)。

  入門車の「ATS」の中級車バージョンが「CTS」でこちらは近所に住んでいるおじいさんが乗り回していて、よくすれ違います。そのフロントグリルはとても迫力があり、絶壁のようにそびえていて、まるで北陸地方の除雪車のようです・・・。冗談はさておき、一目見て感じるこのクルマの素晴らしいところは、ドイツ・日本の高級車が目指す安易な「曲線」スタイルとは完全に別の「多面的」で「ソリッド」かつ「ハードボイルド」な外観です。まるでスチールの塊から削り出したかのようなボディラインには独特の上質感が備わっています。

  CTSには中級車の「CTSシリーズ」と上級車の「Vシリーズ」があるのですが、フロントグリルの形状がきっちり差別化されています。それによってブランドコンセプトを存分に発揮しつつ、それぞれのクルマが意味する「社会性」を見事に体現しています。中級車グループは「セダン」「ワゴン」「クーペ」と3つのボディタイプがありますが、なぜかセダン好きの私の心を鷲掴みにしたのは「ワゴン」でした。ワゴンのリアデザインはドイツ車も日本車もあまり得意としないようで、なかなか良いものに巡りあわないのですが、現在のドイツで最良と言える「オペル」のデザイン力が見事に反映されています。このCTSスポーツワゴンのリアはオペルのオシャレなハッチバックをそのまま大きくしたかのような、抜かりのない「緻密」で「大胆」なデザインに目を奪われます。

  経営危機(というより破産)に陥ったGMがそれでも絶対に離さなかったオペルは、まさに「ドイツのマツダ」といえるメーカーで、ブランド売却&存亡の危機という逆境の中で、「インシグニア」「アダム」などのデザインに優れたモデルを次々に発表しています。そしてそのオペルの「逆境のデザイン力」が上手くキャデラックにフィードバックされているようです。

  キャデラックCTSはデザインだけでなく、足回りもオペル主導の開発により、ドイツプレミアムにも対抗できる仕上がりになっています。これもちょうどフォードの「フュージョン/モンデオ」を仕上げたマツダのような働きをしていると言えます。またビッグ3のもう一つであるクライスラーも主力セダンの「300C」はメルセデスEクラスの設計を使っているので、今やアメリカ車のセダンは限りなくドイツ車や日本車と同じ方向性(硬い足回り)を持って設計される時代になったようです。北米COTYのベスト3は「キャデラックATS」「ホンダアコード」「フォードフュージョン」でしたが、まさにオペル・ホンダ・マツダがそれぞれBMWを「仮想ライバル」として鍛え上げた足回り使っている「同系列」の3台の争いでした。

  このキャデラックCTSは都心では比較的低価格な設定がウケているようで、渋谷駅周辺では、ポルシェパナメーラと並んで人気の1台になっているのか、停まっているのを良く見かけます。ただほとんどはセダンで、もっとも他のブランドと比べてデザイン的に優れているであろうワゴンはまだまだ評価されていないようです。ただメルセデスCLSシューティングブレークを「撃ち落とす」ような出来映えなので、これから日本でも火がつくのではないかと思っています。



 ↓いろいろ興味を持って調べてみると、この価格でこれだけの豪華装備、しかも右ハンドル車も用意されていて、いよいよ次期購入候補でもいいかも・・・ 

2013年6月20日木曜日

フォルクスワーゲンが作った入門車  フォルクスワーゲン CC

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  フォルクスワーゲンはハッキリ言って「嫌い」なブランドだ。大衆メーカーなのに異常なほどの収益体制を誇っていて、主戦場の欧州がいくら不況で危機的状況を迎えようとも必ず黒字だ。このVWの「健全経営」の秘訣は、「脱メーカー」「外交重視」「ステマ」の3つではないかと私は思っている。いずれの戦略もいまではトヨタやGMが追従の動きを見せるなど、経営理論としては極めて優秀なものらしい。しかし実際にクルマを使うユーザーにどういう影響があるのかというと、一概に良い悪いでは判断できないところもある。

  よってVW車を調べるときにはついつい「儲けのカラクリ」を勘ぐってしまう。日本市場におけるVWの基本的な販売戦術は「値引き」だと言われている。ただこの値引きは「安くない」値引きである。いまやインターネットが普及しているので、ちょっと時間があれば、簡単に日本価格と北米価格を比較することもできる。よって北米と日本で共通して売られているクルマの価格差の割合を見れば、どのメーカーの日本価格がお得なのか分かる。VWは残念ながらドイツメーカーとしてはワーストと言っていいレベルだ。ドイツメーカーの中ではブランド全体として価格差が少ないのが、意外にもメルセデスだ(北米では別格と言っていいほど高価)。

  フォルクスワーゲンはカタログ価格だけを見ると、MBやBMWよりも不利なのだが、それでもVWがそこそこ売れるのは、値引きで台数を確保しているからだ。この「CC」も北米$30000〜で、日本価格は499万円とちょっとした驚きだ。3シリーズとISが$32000〜、Cクラスが$35000〜、スカイライン(3.7L)が$37000〜がそれぞれ、400万円程度の本体価格なので、「CC」がかなり高いのが分かると思う。それでも価格というのは「需要と供給」で決まるので、VWのディーラーを足しげく訪ねれば、このフラッグシップモデルの「CC」もそれなりの価格で手に入れられるかもしれない。

  価格の話はさておき、商売上手なイメージが先行してしまうVWだが、クルマを作る技術自体は豊富に持っている。そのVWが傘下のアウディA4(440万円〜)よりも高い価格設定をしているこの「CC」というクルマはなかなか興味深い。4ドアクーペとして設計されているので、そのスタイルはA4というよりA5スポーツバックに近い。A4とA5スポーツバックには約100万円の価格差が設定されているが、ちょうどこの「CC」がその中間の価格になっている。A4のスタイリングは正直言ってやや退屈なので、A5スポーツバックに惹かれる。しかしこちらは直4モデルにしてはやや高価すぎるので、A5とほぼ同じスタイリングを誇る「CC」で代替するというのも一つの方法だ。

  VWにはパサートという1.4Lターボ(TSI)を積んだセダンもある。しかし「入門車」として幅広い速度域での運転経験を高めるにはちょっと物足りないように思う。パサートを追いかけて走るとき、まるで軽ターボのような動きだと感じる。低速トルクが出ていて、出足はなかなかだが、その後の中速域の伸びはかなりかったるいようだ。そんなエンジンでは走っていても面白くない。一方で「CC」には1.8Lターボというアウディのようなエンジンが使われている。こちらのエンジンなら中速域でもしっかり伸びるし、メルセデスの1.8Lターボエンジンのような特性があるのではと想像できる。

  実はこの「CC」に関しては開発はアウディにある程度丸投げされているらしい。VWグループの新型モデルの開発はVW本体とアウディとポルシェによって手分けされている。アウディA3までのモデルはVWが作り、A4~A7とVWのCCをアウディが担当し、A8とパナメーラをポルシェが行っているそうだ。つまりA1やA3を買うと、VW車にアウディ料金を払っていてちょっと損した気分になり、CCやA8を買うと上級ブランドのクルマが手に入るちょっと得した気分になるということだ。

  しかもこの「CC」はブランドのフラッグシップモデルということで、内装はVW車の中では随一の高級感を誇っている。シートの配色も鮮やかで、ゴルフGTIの冴えないチェック柄のシートなどとは根本的に違ってセンスの良いものになっている。やはりフラッグシップモデルはどんなブランドでもとても気合が入っていて、「お買い得」だ。実際にどのくらい安くなるかはわからないが、乗り出しで450万円以下(BMW3より安い)になるならば、現実的な購入対象になるクルマだと思う。

 


2013年6月17日月曜日

トヨタが作った入門車 カムリHV

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「上級車」⇒V8以上のエンジンを搭載した高級モデル
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  トヨタが「若者のクルマ離れ」を抑止するために、150万円で買えるスポーツカーを開発していると盛んに報じられています。別にそんなもの作らなくても、今年FMCを迎える北米版のカローラをそのまま持ってくれば、みんな満足して買ってくれるのではという気もします。トヨタがなんでそれをしないのかは、ハッキリは分かりませんが、恐らく「カッコいいカローラ」を出すと、若者ではなくてお年寄りが一気に群がってしまってしまって、トヨタの利益を押し下げてしまうことを危惧しているようです。

  じゃあなぜアメリカでなら発売できるのか? それは完全にトヨタの北米販売ではカローラより「カムリ」がたくさん売れるからだと思います。2011年に現行のカムリがハイブリッド仕様のみとなって日本に導入されたとき、トヨタブランドの大衆車のイメージを変えるほどの(違和感を感じるほどの)完成度の高さでした。当然ながら評論家は面食らったように絶賛の嵐で、ちょっととしたブームを巻き起こしていました。それももう遥か昔の話で、現在のトヨタの「押し」はクラウンやレクサスISにシフトしてしまっています。今思えば、2年前のカムリHVの投入は「日本のクルマ文化」を変えるほどのポテンシャルがあったのではという気がします(見事にそのチャンスを逃しました・・・)。

  当時、私は国産で新車(Dセグセダン)の購入を考えていたので、このクルマについてもいろいろと調べました。その結果「トヨタが大して値引きをしない」くらいしかネガティブな要素がなく、堂々の第2候補になっていました。トヨタのミドルサイズセダンは他にもいくつかありますが、マークXはクラウンゆずりのシャシーを使っているとはいえ、アピールできるポイントが見当たらない(クルマとしての魅力が乏しい)し、プレミオではスペック面で入門車にもならない(論外)と感じました。その中でカムリHVはマークXの2.5Lの「なんちゃってV6」エンジンを軽く上回る「加速性能」と「燃費性能」を持っていて、さらにスタイリングもいいし、居住性も高い。その段階で入門車としてのマークX(2.5LのNA)は消えてしまいます。

  日本よりもディーラーのしがらみがなく(?)、ユーザーの年齢層も低いアメリカで各国のライバルを押しのけて売れているトヨタ車なのだから、クルマとしての実力は世界トップレベルです(韓国COTY受賞という快挙もありました)。当然ながら様々な面で国内専用のマークXよりも合理的で優れているクルマになります。日本ではなぜかマイナーですが、北米では韓国車やドイツ車を寄せ付けない強さを誇っています。

  トヨタはもっとこのカムリHVを日本の若者にしっかり売る努力をしたらいいと思います。アメリカでも韓国でも絶賛されている、これだけの「いいクルマ」が日本ではマイナーな存在に留まっているから、結局のところトヨタ車の良さが伝わらないし、レクサスやクラウンの購買層の土壌も育たない気がします。私自身も最終的にはマツダのアテンザに軍配を挙げましたが、国産の2番手のクルマとしては「レガシィ」や「アコード」よりむしろ「カムリ」い強い魅力を感じていました。

  ただもう発売から2年が経過してしまい、日本市場にHV専用モデルとして売るというコンセプトは、ライバルの新型「アコード」や次期「ティアナ」にも完全にパクられています。さらに新型アテンザがディーゼルターボで大きく燃費を伸ばしたことで、このクラスの主役を奪いつつあります(シェアを考えるとマツダ車がトヨタ車に勝つのはよっぽどのことです)。このクラスの国産セダンの「突然変異」は国内市場の不人気というのもありますが、このカムリHVが「引き金を引いた」格好になっています(トヨタとしては珍しく先駆けましたが・・・)。

  もしかしたら、この状況はトヨタが望んだ展開なのかもしれません。2年前に発売してみたら予想外の大反響を呼び、そこで初めてカムリに使っている「直42.5LのHV」というシステムが「カネになる」ということを迅速に嗅ぎ分けて、プロモーションをトーンダウンさせた(?)。そしてクラウンとレクサスISの次期モデルの主力ユニットとして投入を決めたようです。ある程度のステータスを求める年配のトヨタユーザーにとってはカムリHVは「いいクルマだけど、もうちょっと高級に仕上げてほしい」という要望があったらしいです・・・。そこでトヨタは高齢者向けへの展開を第一に考えてしまったのでしょうか? 結局はバブル時代を忘れられない高年齢層の価値観が日本のクルマ文化の健全な発展の障害になっている気がします。

  アクアは北米価格と日本価格がほぼ同じ(日本の方が安い)に設定されていますが、カムリHVは50万円以上も日本の方が高く設定されています(だから日本ではアクアが売れるのは当然です)。トヨタにはぜひ、この傑作車「カムリHV」を北米価格で日本でも発売してほしいと心から思います。カムリHVが250万円〜になれば、「クルマ離れ」に対して強烈な特効薬になるはずなのですが・・・・。


↓「加速&燃費&スタイル&居住性」でマークXを一蹴。北米ベストセラーはさすがです。




  

  

2013年6月12日水曜日

入門車と中級車とどっちが楽しいのか? アテンザとレジェンド

  前置きとして・・・、「入門車」とは200ps以下の性能に抑えられた2~2.5LのNAのクルマで、「中級車」とは300ps程度の出力を持つ3.5~3.7LのNAのクルマを指します。

  今、乗っているクルマが「入門車」(マツダ・アテンザ)で、次のクルマは中級車(ホンダ・レジェンド)にしようと考えています。私はクルマを選ぶ際には、徹底的にシュミレーションをして自分のライフスタイルに合うかどうか判断するのですが、今のアテンザは見事にハマっていて、カーライフがとても充実していています。最近ではアテンザが好きすぎて、新型も購入して2代目と3代目と、そして次期モデルも揃えて「アテンザ・コレクター」になるのもいいかもしれないなと思っているくらいです(初代はいりませんが・・・)。

  今月号のカーグラフィックに「ゴルフ・コレクター」が登場していて、4台のゴルフを並べていてとても楽しそうでしたね。平凡な3、4代目をスルーしてコレクションしていて、全て稼働状態というのが羨ましいです(1台壊れてもゆっくり直せばいいですね・・・)。

  コレクターになるかどうかはさておき、次なるクルマ「中級車」候補として新型レジェンドに注目しているのですが、聞こえてくる情報は、「最高級グレードのみ日本導入で、乗り出し800万円超か?」といった、買う気を無くすようなものが多いですね・・・。わざわざNSXと同じパワーユニットを積んで、金持ち相手に商売するだけなのかと思うと、ホンダにはちょっとがっかりしてしまいます(新型NSXはミッドシップなのに同じにする意味があるの?)。

  ホンダがF1参戦を含めて、全力を尽くして作るクルマなので、当然大きな期待をしているのですが、果たしてこのクルマが自分にとって豊かなカーライフをもたらしてくれるクルマなのかどうかは、まだまだハッキリとはわかりません。今後もっとクルマについて勉強して、しっかりと見極めた上でレジェンドにするのか、他の中級車にするのか、それとも「アテンザコレクター」になるのか決めたいです。

  ただ現段階でも新型レジェンドに期待できる要素はいろいろあります。例えば、スバルやアウディのAWDスポーツの全天候型のトラクション性能に憧れたりしますが、実際には「燃費が悪く」て、「曲がらない」というネガも同時にあります。ホンダはその2つのネガを「ハイブリッド」&「4WS」を使ってブレイクスルーしようとしています。2Lのアテンザ並みの燃費とアテンザ並みのハンドリングに加えて、トラクションに優れるAWDと高出力エンジンが並び立つわけですから、これはとんでもないクルマになることは予想できます。

  しかしその一方で、車重が2トン近くに達してしまっては、どんなタイヤを使っても今乗っているアテンザ並みの旋回能力が出せるわけがないなと、気がついてしまう点もあります。あと3年の間ゆっくりと頭を使って考えたいと思いますね・・・。


↓セダンはスポーツカーほど性能の中身が説明されていないので悩ましいです。そのぶんあれこれ考えられて楽しいとも言えますが・・・。
  

2013年6月10日月曜日

「クオリティ3BOXカー」の入門車はどれがいいのか?

  日常生活でクルマはまったく要らないのだけど、より豊かな人生を送るためにはクルマはあったほうがいいと私は思います。さらにせっかくクルマ買っても、コンパクトカーでは出かけていくのが気まずいような場所もたくさんあります(スーパーに買い物に行くだけのクルマなんて要らないです)。できれば最大限に行動半径を広げられるクルマを選びたいと思うのですが、日本市場のラインナップを見渡すと「最初のクルマ」に適した1台がとても少なくて困ってしまいます。

  30代にもなると、それなりの場所(やや高級なホテルや商業施設)にも出入りするようになったりするので、ホンダフィットやトヨタカローラフィールダーという訳にはいかなかったりします。クルマ雑誌が表立ってこういった話をすることはほとんどないですが、現実問題として(ある程度稼いでいる)若者の多くが、「華やか」なデートに憧れてもそれをイメージできる日本車に巡り会えず、仕方ないに入門グレードの輸入車やレクサスを買うことが多いのではないかと思います。しかしそれでも賢明な若者の中にはレクサスCTやBMW1シリーズにはまったく納得できず、結局クルマなんて持たなくていいという決断をする人も居るでしょう(そしてクルマ離れが進んでいきます)。

  20代を「馬車馬」の如く働いた若者(アラサー)なら、400万円程度のクルマを新車で買う事はたいして難しいことではないと思います。そんな若者には「プレミアムCセグメント」などではなく、「Dセグセダン」をぜひ入門車として選んでほしいです。国産の大衆車とはいえ40歳くらいまでなら、このクラスのクルマに乗っていても恥ずかしがる必要はないはずです。そして40歳までにはさらに上の「中級車」に乗れるようにさらなる経済的な活動を頑張ってほしいと思います。

  国産の大衆ブランドの中で「クオリティ3BOXカー」の入門車になる代表的なクルマは「日産スカイライン」「マツダアテンザ」「トヨタマークX」「スバルレガシィ」といったところでしょうか。いずれも2~2.5LのNAで150~200ps程度のクルマで、高出力車よりも故障が少なく、タイヤ摩耗も少なく済むのでランニングコストも割安です。150psといえどもスポーツモードATを使えば十分な加速も出来るので、馬力に頼らないクルマの効率的な運転が身に付きます。つまり最初の1台に最適で、信頼性の高い日本車でとても安心できるクルマです。最初から輸入車の故障地獄に見舞われて出費が嵩み、クルマ人生をドロップアウトするという人も少なくないようです。

  現行車種では「スカイライン」はモデル末期になっていて、今年FMCがありますが、どうやら3.7Lと3.5L+HVの2本立てになるようで、入門車の枠を飛び出し「中級車」になるようです。「マークX」と「レガシィ」もFMCから時間が経っていて、デザインにやや難があり気が進まなかったりするので、結局は国産では「アテンザ」くらいしか候補がないのが現状です。これでマツダブランドが気に入らなかったりしたら、輸入車しか選択肢がなくなってしまうのが残念です。

  ハイブリッド専用車になったトヨタカムリとホンダアコードとさらに今年のFMCでやはりHV専用になる日産ティアナも選択肢としてはあります。ただハイブリッド車なので性能以上に初期費用が割高なうえ、北米モデルがベースなので、ドイツ車に匹敵するスポーティな走りとなると、足回りやハンドリングがゆるく設定されていて、やや物足りない部分もあります(ハイブリッドがいいと言う人にとっては最良の選択ですが・・・)。

  20代・30代の若い世代にクルマを本気で売りたいと思うなら、メルセデスCやBMW3と同等以上の性能を持つをスポーツセダンを300万円以下で発売すればよいはずです。北米ではこのクラスのセダンは各メーカーともに2万ドル(200万円)で横並びで売られています(BMやMBは3万ドルちょっと)。マツダ以外のメーカーにもそろそろ本気になって作って頂きたいと思います。この「入門車」クラスが充実すれば、その上のクラスの国産車も輸入車に負けずに売れるようになるはずです。若者はクルマにお金をかけないと決めつけているようですが、一定割合の若者は社会的な成功を収めて、1000万円以上のクルマのオーナーになるでしょうから・・・。



  

2013年6月7日金曜日

レクサスIS インフィニティQ50 マツダ6 に勝てる輸入車なんてあるの?

  日本メーカーが本気を出せば、こんなのが作れちゃうのか! というほどに冴え渡っていますね。日本車はドイツ車や韓国車に対してデザイン面で遅れをとっていると、本気で思っているモータージャーナリストはたくさんいるようですが、この3台にまともに対抗できるデザインのクルマなんて見当たらないです。

  3台ともに、先代までは「日本を走るベストサイズ」という表現がピッタリで、国内市場を考えた素晴らしいクルマでした。それが新型は一様に車幅が拡大していて、完全に北米市場を優先した設計になってしまったと批判する意見も多いようです。それでも輸入車にデザイン面で対抗するならば、1800mm以上の車幅がないと伸びやかな「3BOXセダン」のスタイルは出せないという気がします。メルセデスCLAやアウディA3セダンもこの車幅のおかげで、Cセグでも伸びやかさが出せているように思います。

  「輸入車以上に輸入車らしいスタイル」に変身した「IS」「Q50」「マツダ6」はデザインの伸びやかさに加えて、360°全方向からのスタイリングも抜かり無く行われていて、日本的な「緻密さ」が良い方向に影響しています。一方で大雑把なサイドやリアデザインに個人的に「興ざめ」してしまう、BMW3シリーズやメルセデスCクラスはより日本市場を意識した使い勝手を追求していて、サイズもデザインもむしろ日本車っぽい印象かもしれません。

  「IS」も「Q50」も「マツダ6」もプライベートカー(デートカー)としてのスタイリングには申し分ない完成度になっています。「人生を豊かにするクルマ」としてクルマ文化の発達に貢献できる実力を持っているクルマだと思います。ただ今後、日本のクオリティカー・ユーザーを惹き付けるためにも、ドイツのプレミアムブランドが採っているような「3クラス」体制を、日本メーカーだけで確立してほしいと思います。

  クオリティカーを3つに分けると「入門車(直4)」「中級車(V6)」「高級車(V8)」のようになると思います。現行の日本メーカーのラインナップでは「入門車」がマツダ6(アテンザ)のみ。「中級車」がレクサスIS350・レクサスGS350・スカイライン3.5Lくらい。「上級車」はレクサスLS460だけです。「入門車」と「上級車」にカッコいいモデルが不足しているので、複数のメーカーからラインナップされるようになってほしいなと思います。



  

2013年6月4日火曜日

インフィニティQ50が北米公式サイトに登場・・・、これは何の始まりなのか?

  「ラスト・スカイライン」の製造が日産の栃木工場で始まったようです。このV37スカイライン(インフィニティQ50)を最後にV35・V36と使われてきたプラットフォームも「お役御免」になるそうで、この次はメルセデスのC-Eクラスのものが使われるといわれていて、いよいよスカイラインも「Xデー」が近づいている。日産はSUV開発を欧州に、3BOX開発を北米に、そしてEVとKカー(デイズ)の開発を日本にという「分業体制」に移行していくようで、数年後にはマーチだけでなく、高級車も全て「輸入車」になっているのでしょうか・・・。

  そんな「応援の甲斐がない」ブランドにはせっせと見切りをつけるべきか、それとも日産の誇る高性能車の「終着点」となるこの「V37」を記念に購入しておくべきなのかとても悩んでしまいます。かつてのスカイラインファンから「ボロクソ」に言われつつも、北米ではBMWを完全に退けて栄光を勝ち取った「V型スカイライン」はなんだかんだで、国産高級車の「屋台骨」と言える存在だったですね。その「V型・3部作」の最後を飾るV37の最終モデルともなれば「プレミア必至」でそれこそ、「スープラ」「アリストターボ」「FD」の最終型のような「激アツ」の中古車価格になりそうですね(ちょっと気が早いですが・・・)。

  そもそもV型スカイラインあって、同じラインで製造できるという利点を生かして「R35GT-R」というスーパーカーが1000万円以下で販売できるわけで(エンジンだけで300万円以上のコストだとか・・・)、これがメルセデスベースになってしまったら・・・。「日本のアイデンティティが失われる」とか偏狭なこと言っててもしょうがないですけども。

  V37のラインオフの写真を見て、びっくりしたのですが、マツダ・アテンザのモデルカラーとなっている「赤」に近い色が採用にされているようです。その姿は新型アテンザと瓜二つで、これは物議を醸しそうな予感がします。フロントデザインは日産インフィニティのコンセプトを具現化したデザインなのですが、趣としてはヒュンダイ・ジェネシス(このクルマ自体V36のパクりではあるが)とマツダ・アテンザの「中間点」のような印象です。

  インパネデザインは基本的にはV36を踏襲していて、なかなか好きになれない縦型のエアコン吹き出し口もそのまま残っています。これは韓国車に多く見られるタイプで、最近では新型クラウンにも採用されています。欧州車がインパネに「伝統」を重んじているのに対して、トヨタ・日産・ヒュンダイの東アジア「BIG3」は先進イメージのデザインに傾倒しているのが非常に対照的です。世界の「家電」工場を抱える東アジアでは、クルマのインテリアも電化製品を手がける工業デザイナーに発注されるようで、家電インターフェース風に仕上げられている印象があります。おそらくそういった「アップル製品」のようなインパネが北米市場などでは大いにウケているようです(北米サイトではやたらとインパネの先進性を強調するプロモーションが多い)。

  一方で、欧州の工業デザインがテーブルや椅子などの「家具」デザインに長けているおかげで、欧州車のシートや内壁には日本車にはない魅力を備えているものが多く見られます。また雨が少ない地中海地方や大陸側ではオープンカーのデザインが発達し、雨が多い「島国」イギリスではハードトップ車が多いように感じます。気候などを考えると日本に合うのは英国車なのかなという気もします。