2014年1月12日日曜日

ゴルフはなぜ北米でターボをやめたのか?

  日本では発売以来、大人気のようで輸入車Cセグの頂点を不動のものとしただけでなく、日本カーオブザイヤーまでさらっていったゴルフ7。VWが磨き上げた究極のパワーユニットTSIもいよいよ北米市場を席巻するときがやって来たのかな?と思っていましたが、どうやらゴルフの北米での展開は大きく転換した模様です。ゴルフ6までは1.4Lターボ1グレードの布陣で約18000ドル(アクセラ2Lやオーリス1.8Lとほぼ同じ)での展開を狙ったようですが、シビックやカローラ(オーリス)の牙城は崩せず1.4Lターボを用意したGMクルーズにも大きく遅れをとるという、日本の好調さからは到底予想が付かない苦戦を強いられました。

  VWの新たなる戦略では1.4Lターボを廃止しました。元々1.2ターボというインド・ASEAN向けの廉価ユニットは一流国のアメリカには持ち込んでいません。アメリカ人はこの手のクルマを嫌うので、フィアット・PSA・スズキの新興国向け3社はアメリカからの撤退を余儀なくされています。代わりに登場したのが2.5LのNAユニットです。アメリカではゴルフの兄弟車であるアウディA3が展開されておらず、VWはゴルフの中流ブランド化に活路を求めたようです。しかし価格設定はかなり弱気の約20000ドルです。同じ2.5LのNAを積んだアクセラが後から発売ながら約25000ドルの価格を設定したので、ゴルフを完全に無視しているといってもいいでしょう。

  北米では王者シビックとそれを追撃するカローラ、エラントラ、クルーズがいずれも1.8LのNAで約18000ドルの価格設定で横並びです。ちなみにワンクラス上のアコード、カムリは2.4LのNAで約21000ドルです。エラントラは1.8LのNA出力がライバルを上回っていると宣伝し、クルーズは1.4Lターボ、ディーゼル、EVと多彩な設定を売りにしています。

  ゴルフもガソリンモデルと同時にディーゼル(TDI)も投入していて、ディーゼルの本命マツダが販売体勢を整えないうちに北米で先鞭を付けています。VWとしてはライバルとの差を意識しての大型エンジン搭載で、北米ではまだまだ実現していないCセグの高級化を進めていきたいようです。北米ではメルセデスAクラスもBMW1のHBも発売されていないのが現状で、日本でそのジャンルが人気なことを考えると、都市部では相当な潜在需要があるのではないかと予想されます。ゴルフ7とアクセラが今後その需要に迫っていくようですが、自動車オンチの日本人とはひと味違うアメリカ人に上手く受け入れられるでしょうか?


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↓「アメリカを制したトヨタ」と「中国を制したVW」。売上高で比べればトヨタが段違いで上!比較なんてナンセンスではないかと・・・。

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