同じブランド内での競争で一番多いのが中型車のD/EセグとCセグの争いだと思います。スバルのレガシィとインプレッサ、マツダのアテンザとアクセラ、BMWの3と1、メルセデスのCLAとAさらに番外編としてトヨタのSAIとプリウスあるいはカムリとオーリスといったところでしょうか。価格面で有利なCセグに対し、D/Eセグがどれだけ魅力で上回れるかという「綱引き」なのですが、最近では競争が激化しているCセグの方が優勢というケースが多くなっています。
D/Eセグが威厳を示せているのがスバルのレガシィくらいであとは、Cセグの方が走りも良くて・・・なんていう状況に陥っているようです。アテンザはとりあえずテコ入れを待たないとアクセラには対抗できない!とは言い過ぎかもしれませんが、価格差はわずかにもかかわらず、軽量な1.5Lと楽しみなHVを持つアクセラに現状では大きなアドバンテージがあります。D/Eセグの中ではひと際光る存在感を持っていたはずのアテンザが、Cセグのアクセラに歯が立たないとなると、いよいよD/Eセグって何なの?という気もしてしまいます。
「ラグジュアリーでない、走れない、古くさい」こそがD/Eセグだと言われてしまったら否定できないですね。「コストを掛けないで作る一番大きいクルマ」というのも当たっていると思います。ゆえにマツダ、スバル、VWといった大衆ブランドはこれより大きいクルマを作らないのでしょう。こんなクルマは一度地獄に堕ちろ!
そんな深刻な状況に陥っているD/Eセグの中で「ラグジュアリーで、走れて、新しい」という異端的な存在と言えるのがレクサスIS350じゃないかと思うのですが、乗り出しで600万円を超える価格設定からしてそもそもこのクラスの「異端」ではあります。もしアテンザもレガシィも600万円という価格が許されるなら、どれほど進化できるのか?という興味はありますが、おそらく実現はしないでしょう。
一方でCセグはというと、「宣伝費をかけずに売ることができる一番小さいクルマ」と言えます。メルセデスやBMWなどのプレミアムブランドが参入したことで、クルマの作りの良さが厳しく見られるようになりました。世界市場で流通するCセグを比較した特集などを見ると、メルセデスが一番騒音が酷いという結果が出たりしています。それでも各社アイドリングで60デシベル前半に収まっていて、これはクラウンとほぼ同水準です。また各ブランドはできるだけ性能に影響しないように、上手にコスト削減を図っている様子が伺えます。
FF車はD/Eセグになると旋回半径が大きくなるなどのデメリットが目立ちますが、Cセグでは大勢に影響はなく、ハンドリングも同等に作り込めば、Cセグの方が有利になります。結局のところD/Eセグがはっきりと有利な点は、「キャビン容積が大きい、サイドのデザインが美しい、直進安定性が高い」の3点くらいになってしまいます。この中でさらなる付加価値が出せるとすれば、サイドデザインかな?という気がします。ショートストロークボクサー4気筒にDITターボの高性能ユニットとともにハイレベルなハンドリングとブレーキを備えるレガシィに抜群のサイドデザインが加われば、とても良いクルマになりそうではありますが・・・。
↓ゴルフ7の長所は「静粛性」で短所は「ブレーキ」だそうです。
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