ジャガー「XE」の各グレード価格がいよいよ発表になりました。・・・ということはそろそろ試乗車がやってくる!!!と思ったのですが、比較的近くにあるディーラーで関東地区で最初の特別内覧会を開催!という段階だそうで、まだまだ先になりそうです。夏休みの間にゆっくり考えてね!くらいに考えているのでしょうか? 日本と同時にジャガーが拡販を狙うアメリカでは9月が年度始めだということで、毎年新車の売れ行きも伸びるようですが、どうやらそちらに優先的に試乗車が回されていて、日本は後回しなのかもしれません。ジャガーは「XE」に続いて「F-PACE」という初のSUVモデルの投入も決まっているようで内部では調整に大忙しといったところかもしれません。
前々回からまだ試乗すらしていないジャガーXEのスペックからその性能を予測し、その圧倒的なまでの実力の前に、既存勢力・・・輸入車Dセグの雄「BMW3シリーズ」はどうやって対抗するのか? そんな結構メチャクチャなことばかり考えて毎日楽しく過ごしています。ジャガーにはマーケティングに秀でた経営陣がいるようで、ラグジュアリースポーツ、Dセグ、ラグジュアリーSUVと、ライバル関係が手薄なところを上手く突いてきていますし、F-typeもそうでしたが、BMWくらいなら手の届く日本の庶民に、もはやBMWでは満足できないような「グラマラス」なカー・ライフを夢見させてくれます。
BMWファンには耳が痛いでしょうが、スペックで見る限りではジャガーXEは現行の3シリーズの設計をことごとく理想的なものに置き換えたような輝きがあります。手前勝手なことを言うと、BMWが3シリーズを十分に納得できるクルマに仕上げて500万円〜の価格で商売するなら、特に何の問題もないのです。もしそうならばジャガーXEなんて不要ですし、一体何が楽しくてインド資本のメーカーが単独でこしらえた新設計シャシーの第一号車に過剰なまでの期待などするでしょうか?
しかし現実は大きく違います。E90系以来全くといっていいほど、「所有欲マインド」に響かないクルマになり果ててしまっている3シリーズに、ジャガーXEが制裁・天誅を加えるという「テロ」によって、閉塞感しかないDセグに新たな地平が切り開かれることを何よりも先に望んでいます!(それが偽り無き気持ちです!)。そして来るべきジャガーXEのスペックにはその期待に十分応えてくれるだけの、大いなる理想がしっかりと盛り込まれています。特に3シリーズが絶望的につまらない!などと言うつもりはないですけど、3シリーズにお灸が据えられることに、BMWファンをも含むであろう多くのセダン好きがなんとも不思議なカタルシスを感じているのではないでしょうか。
先ほど乱暴にぶち上げたE90/F30の3シリーズの迷走についてもう少し具体的に説明します。E90系以来BMWはある種のマーケティングに基づき、3シリーズを本来の運動性能に重きを置くスポーツセダンから脱却させ、プレミアムカーとしての自信を深めること(乗り心地や静粛性)についての改良を進めた結果、出来上がったのがまさか!?の「クラウン/マークX互換機」だった・・・という話です。もちろんセールス面ではトヨタ的なマーケティングに沿ったプロダクトで上手くトヨタのシェアに切り込み、日本で3シリーズの最高売上記録を作ったわけですから成功なのだと思います。
特にトヨタのプログレ/プレビスのユーザーから見れば、アルテッツァ上がりのレクサスISよりも3シリーズの方がより違和感もなく納得出来たはずです。しかしその時点で3シリーズはマークXやスカイラインに乗る現役世代に背を向け、プログレ/プレビスからサイ/レクサスHSへの乗り換えに応じなかった高齢者をターゲットにしたクルマだったので、乗り心地を重視したフニャフニャの足へと急展開することも必然だったと言えます(現役世代からはMスポでオプション料を稼ぐという戦略?)。
しかしここまで大胆に既存ユーザーを裏切り、大量に引退する団塊世代の退職金を狙おうという試みには、当然ながら手痛いしっぺ返しがあります。もはや「団塊世代が乗ってますよ!」的なイメージがびっしり付いた「3シリーズ」というブランドに、トレンドに敏感な情報化社会に生きる若者達が再び群がることはないでしょう。もはや彼らにとってBMWはヤマハやカワサキのライバルブランドくらいにしか認識されていません。若者の認識の中では4輪のBMWはもはや過去の存在です。いまやどこでもコミコミで100万円もしない中古のE90が売れ残って溢れている現状からわかるのは、このクルマは現代の若者にとってはゴミとは言わないまでも、BMWなのになぜか「楽しくない」「かっこ悪い」「モテない」と受け止められているからです。
なんでこんな「お粗末」なクルマがいつまでもDセグの基準車として崇められるのでしょうか? 確かにE46は世界中からフォロワーが生まれる名車だったのは認めますけど、その「後継車」というだけで多くの無知蒙昧な人々が何も考えずに買ったわけです。E90がさらに立派な車体になって、「高級車」であることを主張するデザインになったF30系は、BMWの狙い通りに東アジア市場で大人気となり、中国や韓国でかなりの数の賞を獲ったそうです。「世界の工場」となり無駄に購買力を持った東アジア市場のユーザーが、無批判に買い漁った結果・・・その歪んだマーケットに甘やかされて、本来のBMWの「軸」は大いに狂い出し、2000年代のわずか10年あまりでその権威はかなりの所まで堕ちました(人によって意見は違うでしょうけど)。
BMWの迷走がもしなかったならば、メルセデスに復活のチャンスが与えられることはなく、アウディやレクサスが予想外に順調な成長を遂げることもなかったかも知れません。そう考えると結果オーライの面もありますが、やはりDセグ全体にとってはそれ以上に大きな弊害がありました。その一つがE90/F30を通じてBMWがやたらと自ブランドのアイデンティティとして拘ったポイントである「車体剛性」の高さです。このBMWのスタンスに疑問を提起することなく、「車体剛性=是」と安直に結論したジャーナリスト連中はあまりにも知性が欠如していて、その資質に問題があったと言わざるを得ません。彼らはちょっと小賢しい日本車を絞め上げる(貶める)ためには、特に考えることもなく3シリーズを比較対象にして「車体剛性が足りない!」と結論してしまえばOKという、とてもプロとは思えない安易なジャーナリズムに終始しました。そしてそれを鵜呑みにする輸入車大好きなクズがたくさんいたわけです。まあフェアに考えてこのことが日本のクルマ文化を衰退させた一因でないか?と思うわけです。
福野礼一郎氏といった業界ナンバー1の良識派と思われる評論家ですら、3シリーズのどうでもいい車体剛性を基準に日本車を片付けている例があるくらいです(黒歴史・クルマ評論2014の100ページ!)。カーメディアが悪いのか?無批判に買った人が悪いのか?BMWが悪いのか?もしくはその他のブランドのやる気の無さが悪いのか?まあそれら全部が悪い方に作用して、セダンの注目度はみるみる下がっていったことは間違いないです。当然のように沸き起こる「セダンはダサい!」という意見に、SUVやミニバン買うヤツはクルマが解っていない!とアホみたいな反論に終始する「コミュ障」気味な態度がクルマ関係の掲示板にやたらと横行してました(今でも!)。
しかし何度もいいますが、E90/F30は一体どこをドライブしたら楽しく乗れるのでしょうか?全く見当もつかないです。六本木ヒルズの地下駐車場なんて絶対に足を踏み入れられないですし、軽井沢を走っても周囲から見下されるでしょうし、郊外のイオンの駐車場ですら「老人用BMW・・・」とバカにされます。いくら車体剛性が優れていようとも「運転していて恥ずかしい」クルマというのは全く救いようがありません。同時代のクルマとして、トヨタのハリアーの方がよっぽど品格があってユーザーも健全に見えます。そしてセダンは全部ダメか?というとそうではなく、やはり同時代のインスパイアやディアマンテなどは、とてもスマートでかつ男らしく見えます!2015年の今でもこの2台なら買い換えすることもなく十分に楽しめたのではないでしょうか?
現実問題としてE90/F30だけでなく、「V35/V36スカイライン」、現行の「レクサスIS」でもデートに行けますか?という話です。E90はこれらのフォロワーを生みましたが、結論としてどの一つも完成度は極めて低いです。評論家に酷評されて全く売れないと困るので、何も考えずに車体剛性を無理矢理引き上げます。当然の事ながら、乗り味はセダンらしい優雅なものから大きく離れ、戦車みたいなゴツゴツしたフィールに変わるのですが、それを一生懸命にセッティングで抑え込む(隠す)という不毛なクルマ作りの果てに一体誰が得をしたと言うのでしょうか? 実際にE90を駆逐することに成功したV35/V36は素晴らしいですし、そこに注がれた日産の「意地」には多少なりとも感情移入していまいますが、2015年現在の視点で見た時に、BMWと評論家の愚かなまでのミスリードである「車体剛性・絶対論」にまんまと乗せられた愚かさをクルマ全体から感じてしまいます。
2年前に発売された現行レクサスIS・・・。F30と同じ方向性のままにベンチマークを超えるという仕事の確かさは評価できますけど、前回も指摘しましたがオリジナルなアイディアがゼロ!でした。その半年後に登場したV37スカイラインは、3シリーズの株が大暴落していて、もはやベンチマークする価値など無い!と見抜いたようで、有名ブランドのEセグに対抗出来るようなクルマへと脱却しました。いまではF10系5シリーズやレクサスGSがライバルとなっています。さて相変わらずレクサスISは3シリーズを追従しているようですけど、スカイライン、アテンザ、CクラスといったDセグは3シリーズとは別離する道を選びました(それぞれの評価はどうあれ)。そして宙ぶらりんのままフワフワと漂う3シリーズとレクサスISを誅殺する「破壊者」としてジャガーXEそしてアルファロメオ・ジュリアがデビューの時を待っています。「アルミのジャガー」と「カーボンのアルファ」が参戦しても、まだまだ「車体剛性が・・・」なんて言っている評論家はいないとは思いますが・・・。
追伸:現行3シリーズは、クラウンやマークXに比べれば、それなりに興味深いクルマではあります。本文の中では「裸の王様」のように描かれていますが、BMWにはジャガーXEやアルファロメオ・ジュリアを弾き飛ばすような大刷新を期待していることを付け加えさせて頂きます。
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↓なかなか熱いマセラティ本が出ました!
のっちさん、こんばんは!
返信削除お、〇鷹のJLRですか(笑)
試乗車は8月中旬くらいらしいですね~。
先月は六本木のEXシアターだったかな?でイベントがあったんですけど
仕事の都合で行けませんでした・・・
Wrecking Crewだけでも見たかったんですけど。
実写を見た感想としては、やっぱリア周りですか。
リアエンドからストンと落ちるまでの感覚がもう少しだけでもあれば
もっと伸びやかに見えるのにな、ってトコ。
全長に制限があったのならもうすこしエッジを効かすだけでもな・・・
あとはライト。でかすぎませんか。あまりにも野暮ったい。
X300系XJ、特にX308のリアエンドなんて未だに見飽きないですけどね。
ジュリアもバタ臭いし・・・
中身は期待できますが、何か恥ずかしいです。
内装は全く文句もなく質感めちゃ高かったですね。
ただXEは後席も立ち気味でしたし、やっぱり家族持ちの身としては
次期XFか現行XFRを半額で買うのが正解ですか(笑)
yatsumeさんこんにちは
返信削除コメントありがとうございます
やっぱりジュリアは意見が分かれますよね。
近頃では柄にもなく「Octane」とか読んでまして、
アルファロメオやランチアのクラシカルなモデルが
なかなか魅力的で、ジュリアのユニークな顔もいいかなと・・・
まあカッコいいか?と言われたら微妙ですけど。
マセラティのシャシーにV6ツインターボ510psらしいですけど、
一体いくらになってしまうのでしょうか?
日曜日に近所の洗車場にXFがいましたよ。
クルマ拭きながら横目で見てました。
トランク開口部がなんとも不思議な塩梅ですね。
E90の335iは自分なりに良い車と思っていましたが、かなり酷評されてますね。
返信削除周囲にバカにされるという記事は、事実に基づいた内容でしょうか?
根拠無く思い込みで書かれているのであれば、BMWジャパンの営業妨害にならないかな。
知人の弁護士に聞いておきます。
ドイツ車好きの人はいつも上から目線で日本車を酷評しているのに・・・。
削除私の統計ではE90がダサいと思う人は約95%です。
女性や老人や若者が乗る分にいいけど・・・といった意見が多いです。
>ドイツ車好きの人はいつも上から目線で日本車を酷評しているのに・・・
削除そうですかね、低価格以外は目立ったところが無いので、興味すらないですけど。
ただ、乗っている人をバカにする行為はしないと思います。
あなたの記事は車を酷評するだけでなく、明らかにオーナーを侮辱していますね。
何かしらのアクションを起こしますので、逃げないでくださいね。
>私の統計ではE90がダサいと思う人は約95%です。
母数を教えてください。
男女比率、年齢別のデータも欲しいですね。
個人の思い込みで言っていないことを証明しませんか?
匿名さんから逃げないでくださいね・・・って。
削除脅迫ならばこちらも対応をとります。
女性用のクルマにオッサンが乗ってるのはキモいって言っただけですよ。
BMW自体も3シリはダサいから5シリ買いましょう!ってスタンスですし。
母数は20 男女は4:6 全て20~30代ですよ〜
1人世間知らずが混じっただけです。
母数20で統計って・・・
削除その程度の学力なんですね。
かわいそうなことしました。申し訳ない。
そうですよ!バカなんです!
削除反省してください!