ラベル 046VW(ブランド) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 046VW(ブランド) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2014年1月12日日曜日

ゴルフはなぜ北米でターボをやめたのか?

  日本では発売以来、大人気のようで輸入車Cセグの頂点を不動のものとしただけでなく、日本カーオブザイヤーまでさらっていったゴルフ7。VWが磨き上げた究極のパワーユニットTSIもいよいよ北米市場を席巻するときがやって来たのかな?と思っていましたが、どうやらゴルフの北米での展開は大きく転換した模様です。ゴルフ6までは1.4Lターボ1グレードの布陣で約18000ドル(アクセラ2Lやオーリス1.8Lとほぼ同じ)での展開を狙ったようですが、シビックやカローラ(オーリス)の牙城は崩せず1.4Lターボを用意したGMクルーズにも大きく遅れをとるという、日本の好調さからは到底予想が付かない苦戦を強いられました。

  VWの新たなる戦略では1.4Lターボを廃止しました。元々1.2ターボというインド・ASEAN向けの廉価ユニットは一流国のアメリカには持ち込んでいません。アメリカ人はこの手のクルマを嫌うので、フィアット・PSA・スズキの新興国向け3社はアメリカからの撤退を余儀なくされています。代わりに登場したのが2.5LのNAユニットです。アメリカではゴルフの兄弟車であるアウディA3が展開されておらず、VWはゴルフの中流ブランド化に活路を求めたようです。しかし価格設定はかなり弱気の約20000ドルです。同じ2.5LのNAを積んだアクセラが後から発売ながら約25000ドルの価格を設定したので、ゴルフを完全に無視しているといってもいいでしょう。

  北米では王者シビックとそれを追撃するカローラ、エラントラ、クルーズがいずれも1.8LのNAで約18000ドルの価格設定で横並びです。ちなみにワンクラス上のアコード、カムリは2.4LのNAで約21000ドルです。エラントラは1.8LのNA出力がライバルを上回っていると宣伝し、クルーズは1.4Lターボ、ディーゼル、EVと多彩な設定を売りにしています。

  ゴルフもガソリンモデルと同時にディーゼル(TDI)も投入していて、ディーゼルの本命マツダが販売体勢を整えないうちに北米で先鞭を付けています。VWとしてはライバルとの差を意識しての大型エンジン搭載で、北米ではまだまだ実現していないCセグの高級化を進めていきたいようです。北米ではメルセデスAクラスもBMW1のHBも発売されていないのが現状で、日本でそのジャンルが人気なことを考えると、都市部では相当な潜在需要があるのではないかと予想されます。ゴルフ7とアクセラが今後その需要に迫っていくようですが、自動車オンチの日本人とはひと味違うアメリカ人に上手く受け入れられるでしょうか?


「最新投稿まとめブログ」へのリンク



↓「アメリカを制したトヨタ」と「中国を制したVW」。売上高で比べればトヨタが段違いで上!比較なんてナンセンスではないかと・・・。

2013年6月20日木曜日

フォルクスワーゲンが作った入門車  フォルクスワーゲン CC

   はじめに・・・本ブログ記事では、
「入門車」⇒2~2.5LのNAのDセグセダン 
「中級車」⇒3.0~3.7LのNA/ターボのD/Eセグセダン 
「上級車」⇒V8以上のエンジンを搭載した高級モデル
と独自の(勝手な)クラス分けを用いています。ご了承ください。


  フォルクスワーゲンはハッキリ言って「嫌い」なブランドだ。大衆メーカーなのに異常なほどの収益体制を誇っていて、主戦場の欧州がいくら不況で危機的状況を迎えようとも必ず黒字だ。このVWの「健全経営」の秘訣は、「脱メーカー」「外交重視」「ステマ」の3つではないかと私は思っている。いずれの戦略もいまではトヨタやGMが追従の動きを見せるなど、経営理論としては極めて優秀なものらしい。しかし実際にクルマを使うユーザーにどういう影響があるのかというと、一概に良い悪いでは判断できないところもある。

  よってVW車を調べるときにはついつい「儲けのカラクリ」を勘ぐってしまう。日本市場におけるVWの基本的な販売戦術は「値引き」だと言われている。ただこの値引きは「安くない」値引きである。いまやインターネットが普及しているので、ちょっと時間があれば、簡単に日本価格と北米価格を比較することもできる。よって北米と日本で共通して売られているクルマの価格差の割合を見れば、どのメーカーの日本価格がお得なのか分かる。VWは残念ながらドイツメーカーとしてはワーストと言っていいレベルだ。ドイツメーカーの中ではブランド全体として価格差が少ないのが、意外にもメルセデスだ(北米では別格と言っていいほど高価)。

  フォルクスワーゲンはカタログ価格だけを見ると、MBやBMWよりも不利なのだが、それでもVWがそこそこ売れるのは、値引きで台数を確保しているからだ。この「CC」も北米$30000〜で、日本価格は499万円とちょっとした驚きだ。3シリーズとISが$32000〜、Cクラスが$35000〜、スカイライン(3.7L)が$37000〜がそれぞれ、400万円程度の本体価格なので、「CC」がかなり高いのが分かると思う。それでも価格というのは「需要と供給」で決まるので、VWのディーラーを足しげく訪ねれば、このフラッグシップモデルの「CC」もそれなりの価格で手に入れられるかもしれない。

  価格の話はさておき、商売上手なイメージが先行してしまうVWだが、クルマを作る技術自体は豊富に持っている。そのVWが傘下のアウディA4(440万円〜)よりも高い価格設定をしているこの「CC」というクルマはなかなか興味深い。4ドアクーペとして設計されているので、そのスタイルはA4というよりA5スポーツバックに近い。A4とA5スポーツバックには約100万円の価格差が設定されているが、ちょうどこの「CC」がその中間の価格になっている。A4のスタイリングは正直言ってやや退屈なので、A5スポーツバックに惹かれる。しかしこちらは直4モデルにしてはやや高価すぎるので、A5とほぼ同じスタイリングを誇る「CC」で代替するというのも一つの方法だ。

  VWにはパサートという1.4Lターボ(TSI)を積んだセダンもある。しかし「入門車」として幅広い速度域での運転経験を高めるにはちょっと物足りないように思う。パサートを追いかけて走るとき、まるで軽ターボのような動きだと感じる。低速トルクが出ていて、出足はなかなかだが、その後の中速域の伸びはかなりかったるいようだ。そんなエンジンでは走っていても面白くない。一方で「CC」には1.8Lターボというアウディのようなエンジンが使われている。こちらのエンジンなら中速域でもしっかり伸びるし、メルセデスの1.8Lターボエンジンのような特性があるのではと想像できる。

  実はこの「CC」に関しては開発はアウディにある程度丸投げされているらしい。VWグループの新型モデルの開発はVW本体とアウディとポルシェによって手分けされている。アウディA3までのモデルはVWが作り、A4~A7とVWのCCをアウディが担当し、A8とパナメーラをポルシェが行っているそうだ。つまりA1やA3を買うと、VW車にアウディ料金を払っていてちょっと損した気分になり、CCやA8を買うと上級ブランドのクルマが手に入るちょっと得した気分になるということだ。

  しかもこの「CC」はブランドのフラッグシップモデルということで、内装はVW車の中では随一の高級感を誇っている。シートの配色も鮮やかで、ゴルフGTIの冴えないチェック柄のシートなどとは根本的に違ってセンスの良いものになっている。やはりフラッグシップモデルはどんなブランドでもとても気合が入っていて、「お買い得」だ。実際にどのくらい安くなるかはわからないが、乗り出しで450万円以下(BMW3より安い)になるならば、現実的な購入対象になるクルマだと思う。