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2015年9月13日日曜日

スカイライン350GT とBMW340i の対峙・・・

  「カートップ」を読んでいたら、日産がおなじみのジャーナリスト連中にまたまたボロクソに言われていました。要約するとゴーン長期政権の弊害で社内の空気は最悪で、人材の流失が止まらなくなっていて今後のクルマ作りに大きな危惧を感じていて、さらに外国人の役員達が日本のメーカーの稼ぎで麻布界隈でVIPな生活をしているのがなんかムカつくという話みたいです。日本市場は捨てていて一人負け状態だけど商売上手でグローバルでは躍進・・・こんな会社をまともに応援できるか?という意見は確かにわからなくはないですけどね。

  そんな批判を一身に浴びている日産ですが、私個人的にはもちろん良いところもあると感じていて、国産車も結構なお値段になってきた昨今の日本市場でスカイライン350GTというなかなかハイスペックで手の込んだ「GTセダン」を500万円で売る!なんてのはトヨタもホンダもマツダもとりあえずは真似出来ない芸当だと言えます。システム最大出力が350psは日本の道路事情を考えると無用の長物ではありますが、そこには日本の自動車産業を長年支えてきた日産の大いなるプライドが感じられるので素直に応援したい気分です。

  8気筒や6気筒ターボで300~550psの暴力的な出力を誇るDセグメントは、端的にアメリカ市場だけを考えた仕様と考えられているようですが、ここにきて日本や欧州でもその価値がしだいに再評価されつつあるように思います。ちょっと前までは各国の排出基準が厳格化されるに従って大排気量エンジンを備えたハイスペックなGTカーはどんどん淘汰されることが予想されました。しかしスカイラインを除くライバル車においては800~1200万円の高付加価値な価格が付けられる利益率の高い商品であることから、各メーカーもまだまだやる気を完全には失ってはいないようで、何かのブレークスルーで市場が活性化するならば、すぐに参戦する!構えで待機しているようです。

  2007年の日産GT-Rの発売により、C63AMGやM3といったドイツ勢の絶対的優位・神話がもろくも崩れ去りました。日産が振りかざした「究極の速さ」に翻弄されたようで、キング・オブ・GTカーの名を欲しいままにしてきたポルシェの熟成を重ねた水平対抗6気筒ターボの市販車は大規模リコール(エンジン発火)に悩まされました。「いくら速くしても日産の技術には敵わない・・・」。しかしドイツ勢に完全に引導を渡したことで、DセグGTカー市場全体にとっては非常にポジティブで新たな変化が見られたようで、「満足できるスペック(速さ)と信頼性」という新たな秩序のもとで300~500psの範囲のユニットを使った魅惑のモデルが相次いで登場しています。(XE・ジュリア 一体誰がDセグFR車の新規参入を数年前に予測できていたか?)

  0-100km/hを2.7秒でクリアする性能なんて要らない!自然吸気のポルシェのタイム(5秒ジャスト!)くらいあれば十分に速い!という新たな定義が固定化?し、GT-Rによって淘汰されそうだった「自然吸気」「FR」といった豊かなドライブフィールを作る機構を全面的に擁護する流れになっています。ちょうど1969年にクオーツ時計が誕生し、消滅すると思われた機械式時計が10年足らずで息を吹き返し、今なお高級時計の基本形態として新たなムーブメントの設計が続けられている状況に近いかもしれません。クオーツの方が1000倍以上も正確なのに、1秒ごとにカタカタと動くステップ秒針の不粋さが嫌で、クオーツを嫌う人が時計好きには結構います。AWD&ターボ・・・確かに速いけどねぇ。

  冒頭に書いたジャーナリスト連中は、V8エンジンがまだまだ主流のアメリカを、日産がまさに力を入れている市場だと断定し(間違ってないけど)、アメリカンサイズのGTカーは日本では扱いにくい!なんてステレオタイプな批判を繰り返しています。もちろんスカイラインの日本での販売は「32~34世代」に比べて大きく縮小していて、その一因がサイズであることも否定はしません。しかしスカイライン350GTは目下のところ日本市場でしかウケていないHV車ですし、車幅も日本の観光道路を無理なくこなせる1820mmに抑えられています(アメリカでは小振り?)。日産の立場で考えれば、どこよりもまず日本市場を考えたスポーツセダン(GTカー)ではないですかね・・・。

  たしかにスカイラインに350psは日本の道路では完全にオーバースペックです。それでも日本にもドイツ車と互角以上に戦えるGTカーがある!ってことが素晴らしいわけで、日本車好きな人々にとっての「憧れ」をもっとも愚直に具現化してくれているのが日産だと思うのです。「日産こそがナンバー1のGTカーブランドだ!」という自負を持ち続け、2シーター(フェアレディZ)、4シーター(スカクー&GT-R)、セダン(スカイライン)のGTカー・主要3ジャンル全てで、走りについて妥協しないモデルを継続させています。ドイツ車の真似?という批判もやや的外れで、「スカイラインGT-R」は日本のバブルが生んだ間違いなくオリジナルなGTカーのコンセプトだからこそ世界中で大絶賛され伝説になりました。

  あまり台数が稼げないクルマをいつまでも栃木でまとめて作り続ける体制を、「旧態依然」と笑う人もいるかもしれません。しかしハイクオリティ車は全量を本国の日本で作る!という日産のこの地道な取り組みが、日本におけるGTカーを楽しみたいという文化を守り続けています(逆輸入のスカイラインなんて・・・)。そういった姿勢が日本のユーザーの共感を生み、2.5Lベース車が無くても想像以上のセールスを記録しました。日産とスカイライン350GTが執念で切り開いた日本市場の活況により、いよいよBMW340i(3シリーズの非HV直6モデル)が日本市場で発売されることになりました。

  「スカイラインとBMW340i」・・・2000年代以降北米で熾烈なライバル関係にあるため、どちらも高性能化に余念がなく、0-100km/hの加速はどちらもFRながらおよそ5秒、GT-RやM3ではありませんが「GTセダン」を名乗る資格はどちらにも十分にあります。

  2012年のF30系3シリーズの発売時には、6気筒モデルはアクティブHVのみの設定として、燃費をやたらと気にする日本市場に過剰反応して、大きな失望を誘ったBMWですが、今回のビッグマイナーで軌道修正し直6ターボ(非HV)が復活しました。トヨタの8気筒、日産の6気筒、マツダの4気筒、スズキの小型向け4気筒それにホンダのVテックと、完成度の高い日本車エンジンの前に味わいもなにもないへったくれなドイツ勢のエンジンは無様でしたが、ポルシェの「フラット6」とBMWの「ストレート6」あとはAMGの「手組み8気筒」は今も別格で、文句無しに「指名買い」したくなるエンジンです。

  少々失礼な話になりますが、中国で大量生産できるほどに「規格」の低いメルセデス(V6と直4ターボ)、BMW(直3直4ターボ)、VWアウディ(直3直4V6ターボ)は、レスポンスも音も没個性ですし、まったく熱を感じないその走りに自動車先進国のプライドすら感じられません(期待外れ!)。夜中の道路でもの凄いうなり音を上げながら軽自動車を煽り立てる某ドイツ車・・・見た所ノーマルなのに平坦路の60~70km/hでその音はあまりに酷いですね。 今や118iとかA180とかプリウス(10秒ジャスト)より加速のタイム悪いですし・・・10秒以上かかっております。見た目だけドイツ車ならばそれでいい!と割り切るユーザーに不必要にあれこれ言うつもりはないですが、そういうクルマばかりが日本の道路には増え続けていて、ドイツ車に本来期待される走行性能が備わったモデルは本当に少なくなりました・・・。

  BMWがDセグをどう考えているかわかりませんが、3シリーズに比べて値引きが圧倒的に少ない4シリーズで直6ターボを新車で買うと1000万円近くします。F30系3シリーズに当初から設定されていたアクティブハイブリッドも同じくらいの価格です(このグレードは値引きはまず期待できません)。直6ツインターボで登場したM3/M4と価格面で大きな差はありませんし、アルピナB3/D3という選択もできます。1000万円あれば、GTーRもV8自然吸気が楽しめるレクサスRC-Fも検討できます。素人判断で恐縮ですがBMWの直6車は340i発売前の段階では日産・レクサス・メルセデスAMGの3強に阻まれて個性が発揮できていません。

  さて「スカイライン350GT」は北米での車名を「インフィニティQ50HV」といい価格はおよそ45000ドルです。そして新たに発売が開始された「BMW340i」の価格も45000ドルで北米では待ったなしの同グレード・同価格車です。またこの2台が争う市場に新規参入する「ジャガーXE・S」(V6スーパーチャージャー340ps)は、まだ北米では正式な価格が発表されていません。さらに年内の導入が予定されているアルファロメオ・ジュリアは、510psの「クワドリフォリオ・ヴァルデ」が圧巻ですが、おそらくその下にマセラティ・ギブリのユニット(3LのV6・410psと330ps)を使ったモデルが用意されるでしょう。

  日産・BMW・ジャガー・アルファロメオの4ブランドを軸にDセグGTセダンのシビアな価格競争に期待したいです。なんといっても最上級のタイプSPでも550万円!という素晴らしい価格設定をしているスカイラインが健在であるかぎり、これらGTセダンの法外な価格設定は回避できそうです。340iの価格は776万円となっていますが、今や3シリーズは400万円台のベースグレードでも100万円オーバーの値引きが当たり前(ディーゼルはアテンザより安かったりします!)ですから、340iの実勢価格は650万円を下回るのではないですかね・・・とりあえず来月になったら1度はBMWディーラーに行ってみる必要がありそうです。

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2015年6月7日日曜日

BMW3シリーズがマイナーチェンジだそうで・・・

  BMWの「330i」と聞けば、普通なら直列6気筒のモデルだと何の疑いもなく思いますよね。今回のマイナーチェンジで330iは直4ターボになるそうですが、果たして下2桁の「30」は具体的に何を表しているんですかね?「馬力」?「トルク」?「価格」?これはBMWマニアでも簡単には説明できない「BMW進法」です。この表記が分り易いという人もいるのかもしれないですが、同じエンジンを使った3シリと5シリでも数字が違ったりすると、何だかブランドの名声に相応しくない「虚偽的」な情報発信ではないかという気が・・・。何でドイツプレミアム車(あとレクサスと日産も)は「数字」に拘るのでしょうか。318i〜340iまでずらりと用意されれば、私のような小心者は340iを買わなければ!という強迫観念の「カモ」にされている被害者意識から、あまりマトモに購入を検討できないでいます(日本にはセダンの340iは無いみたいですが)。

  決してダメなクルマじゃないことは判るんですけど、このブランドの販売戦略には無意識の内にどうも嫌悪感がありまして、結局のところどう間違っても買わないクルマになってしまい、選択肢が自動的に減っているのがなんだか口惜しいです。噂によると最近では値引きがなかなかスゴいことになっていて、アテンザXDのLパケをマトモに買うくらいなら、320dの方が安く手に入るみたいですね(もちろん新車です)。ここまでお手軽ならば、ちょっと試してみようか?という気分に度々なるのですが、乗りに行って素直に感じられるのは、「さすがBMW!スムーズだ!」と「やっぱりブランドの下流だな・・・」という背反で、結局はプラマイゼロな印象です(決してトータルマイナスではないですけど)。そしてやっぱりドイツ車・ドイツブランドは日本のクルマとは全く文化が違うんだなと改めて思うわけです。

  日本ブランドにとってのセダン(このブログでターゲットとするクラスのもの)は、あくまで「極上」であることが最低条件です。国産のセダンはどれに乗っても「このクルマはコンパクトカーとは違う!」という悲痛なまでの開発者の意地を感じます。言うまでもないですが、コンパクトカーの2倍以上の販売価格ですから、誰でも簡単に判るレベルの「差別化」を盛り込む必要があります。それはまさに「クラウン/マークⅡ/コロナ/カローラ」の時代から日本メーカーのセダン開発に染み込んできたDNAです。当然にBMWやメルセデスにもさらにシビアなブランド内ヒエラルキーが存在しますから、「差別化」という意識はあります。しかしメルセデスやBMWがこれまで歩んできた背景には、「アウトバーン追越レーン仕様車」という絶対的に不可欠な要素があって、その中で打ち立ててきた「高性能神話」の延長線上でいまもやや高飛車なセダン商売をしているといえます。

  メルセデスやBMWが持つ「特性」の前に実力差を見せつけられた1980・90年代の日本車がどうだったなんて、ハッキリ言って、今カーライフを満喫する人々にとっては別にどうでもいいことなんですけど、自動車評論家や古くからのクルマ好きの皆様のイメージはまだまだ20年前当時のままなんだと感じることも多いです。大変に失礼ですが、世間からみればクルマ好きとは大概はただの「バカ」なので、時代の変化について認識を改めろという方が無理なのかもしれませんが・・・。まあとにかく、「日本車はダメだね〜」みたいな口癖の人はプロ・アマ問わずたくさんいますし、それはまあ仕方のないことなんだと思います。

  2000年代を迎えて、トヨタ以外の普通車はグローバル化が必須となり、当然に日本のセダンにもメルセデスやBMWと同じ「250km/h対応仕様」なる処置がとられるようになりました。まあ簡単に言うとメルセデスやBMWの上級モデルと同じくらいの限界性能を備えたシャシーを当たり前に使っているという話です。現在も欧州で中型車を販売しているトヨタ(レクサス)・日産(インフィニティ)・ホンダ・マツダ・スバルの5メーカー全てがこの水準をクリアしています。こういったごくごく常識的な前提を、なぜか読者に対してひた隠しにして、ドイツ車にはまだまだ及ばない〜!なんてクソ論を展開するライターが困ったことに多いですね(そういう偽善者しか仕事が貰えない世界か?)。

  確かに日本メーカーが「250km/h対応仕様」を取り入れたのは、マツダが初代アテンザ(2003年〜)から、レクサスは現行LS(2006年〜)、GS(2012年〜)、IS(2013年〜)からであり、まだまだメルセデスやBMWに比べれば歴史が浅いです。しかしトヨタがBMWと、日産がメルセデスと、対等な関係での提携を結んでいて、高級セダンにおける共同開発が盛り込まれていることからも、日本勢がすでにメルセデスやBMWと全く同じ土俵に立っていることがわかります。なによりもこれらのクルマを逐一試してみればわかりますが、走行安定性においてドイツ勢に明確なアドバンテージなどは一切なく、結局のところ系列部品メーカーを抱える日本勢の「インテグラル・アーキテクチャ(擦り合わせ)」による高い技術力が目立つ・・・というのが嘘偽りのない評価なんです。

  それでもメルセデスやBMWのコクピットに収まったときに感じる、ブランドのフィロソフィみたいのが好き!という人の感性を否定するつもりは毛頭ありません。確かにCクラスも3シリーズも「コクピット第一主義」とでもいうべき意匠は強く感じます。日本勢がちょっと「弱い」と感じる点がここです。マツダ・アテンザはMCによっていよいよ欧州車への憧れを隠せないインテリアになりましたし、スバル・レガシィはそんなマツダを参考にしている節が多くあります。一方で、スカイラインやISはというと、高い質感を誇ってはいますが、残念ながら「足踏み式サイドブレーキ」のギコギコしたフィールが、完全に世界観をぶっ壊しています。同じくCクラスのコラム式シフトも幾分かブランドイメージを後退させてはいるのですが・・・。インテリアに関してはあくまで素朴な3シリーズが秀逸?なのかもしれません。

  「NVHやハンドル/アクセル/ブレーキのフィール」を絶対視する日本勢と、「コクピット第一主義」のドイツ勢ということで、ユーザーの好き嫌いの問題じゃないか?で終わらせてもいいのですけど、先日読んだ「モーターマガジン7月号」のDセグセダン評があまりにもひどかったので、当該雑誌の主筆を務めるアホなオッサンライターに向けて「放言」したいと思います。現行のCクラスと3シリーズの最大にして決定的な弱点は、完全にドイツ車としてのポリシーが欠落しているところなんですよね。BMWとメルセデスの営業マンにそれぞれ言ったことがありますが、「これって日本車っぽくないですか?」ってことです。フロントデザインの押し出しの強さだったり、想像よりもずっと柔らかいアシ回りだったり、座面の調整幅が日本勢よりも自由度がなく、その分シートが柔らかくて摩擦が少ないものだったり・・・。
 
  Cクラスも3シリーズも期待値が高い分だけ、乗ったあとの感想は「なんか見失っているんじゃないの?」という残念な気持ちです。スカイライン、アテンザ、レガシィはどれももっと乗り味に「個性」があります。この3台はDセグのゾーンを突き破り、Eセグに近いということも、クルマの奥深さがあるという点に影響してはいると思います(安定感などに)。日本勢がめいめい勝手に進化を遂げているのに比べると、Cクラスや3シリーズの進化はハッキリ言ってノロいですし物足りないです(Cクラスなんて出来損ない?)。日本で走るならこのサイズがベストで、エンジンも「必要十分」なもので、多段式ステップATが・・・なんてステレオタイプで「中身」のない評論をあちこちで見かけますが、こんな能天気な文章で納得するのは「クルマに興味ない人々」だけじゃないですかね。さて「モーターマガジン」が一体いつまでCクラスや3シリーズを日本勢の上に置き続けられるか見届けたいと思います。


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↓BMWやメルセデスは日本車の足元にも及ばない!と放言しているプロライターもいますけどね!アテンザ大絶賛!が収録されております!

  

2013年12月2日月曜日

F30アルピナB3が青梅街道でその実力を見せた!

  東京モーターショーなどもあって、ここ2週ばかりの週末は普段とは違って逆の都心へ出掛けました。いつも一緒に峠を走るMR-Sやロードスターなどのスポーツカーは、全く見られずミニバンやクラウン、セルシオ、BMW、ボルボなどつまんないクルマばかりでウンザリでした・・・。ミニバンはともかく高級セダンやワゴンを売りにしているはずのクルマがダラダラと走っているのを見ると、なんだか複雑な思いがします。

  そういうクルマに乗っている人はプリウスみたいなエコカーを少なからずバカにしてんだろうな・・・。でも端から見ていて走りはプリウスと大差ないですよ。BMWやボルボなんて車内は狭苦しいだろうし、外観は暑苦しいし、ドライバーの下手さもプリウスと同次元なので、周囲から見れば「ほぼ」同じクルマです。

  そんなことを思いながら、青梅街道を家路に向かって走っていると、エメラルドに輝くシックな車体がやや混雑した流れに乗ってゆったりと走っていました。ほかのクルマがブレーキランプをピカピカさせる中で絶妙にタイミングを測っているそのクルマのドライバーは微動をだにせずに追従していきます。車体はもちろん3シリーズですが、やはり運転している人が3シリーズとは全然違ってムダな動きをしません。

  わざわざ1000万円以上払って新車で現行アルピナB3を買う人は、走りも洗練されているようですね。南アフリカ製3シリーズのオーナーはホンダ車オーナーみたいにチャカチャカとムダな車線変更を繰り返し、そのぎこちなさゆえにクルマが不必要に低い性能に見えてしまったりすることが多いです。一体このアルピナB3で同じことをするとどうなるのか?には興味があったのですが、筋金入りのBMWファンはさすがでそんな日本のターボ・スポーツカーのように走らせたりは決してしません。

  BMWはスバルや三菱とは根本的に違うわけで、レーンチェンジでの軽快な挙動では絶対にランエボには勝てません。しかしこのアルピナB3ならば、3シリーズの貧弱なトランスミッションから専用のものへ換装してありますので、凄い動きをするのではないか? しかし60kg・m超の最大トルクで立ち上がっても0-100km/hがやっと5秒を切る程度だそうなので、日本のAWDには逆立ちしても適わないレベルかなという気もします。

  期待して後ろを追従していると、こちらの願いが通じたのか、前が開けたところでスムーズに1台パスして突抜けました。運転が想像以上に上手いのかもしれませんが、加速から2度のレーンチェンジをこなして定速走行に落ち着くまでの流れがしなやかです。ハイパワーモデルってもっとカクカク&バタバタと動くんじゃないの?と思いきや、横の入力やその反動を完全に足腰(高性能サス)で吸収しています。これが1000万円のDセグセダンの実力か・・・いや〜ため息ものでしたね・・・。ほしいな・・・。

  

2013年11月27日水曜日

E39M5らしいBMWを求めて・・・

  いよいよBMW2シリーズの記事がメディアを賑わせ始めました。とりあえずZ4の4座ハードトップ版でしかない4シリーズは完全無視でいいと思うけど、この2シリーズはいろいろ期待できる点が多いようです。日本仕様がどうなるかというアバウトな点もまだ残していますが、もしこの2シリーズのMTモデルが日本に入ってこないと言うならば、BMWジャパンは何も分かってねーな・・・なんですが。

  それともいちいち注文が多いカーエンスーなオッサン達を寄せ付けないために、ATのみの販売になるのでしょうか? まあクルマのこと何も分かってない人でもBMWを買いにきてくれるほど東アジアではブランドイメージが強く浸透しているようです。東京MSではBMWブースもアウディブースも中国語ばかりが飛び交っている不思議な空間で、テンションがガタ落ちでしたが・・・。

  M5/M6だけが本当のBMWで、あとは女性のためのオシャレカーですよ!という展開でも全然構わないとは思いますが、もしもう少しブランドとして頑張ってくれるなら、この2シリーズに直6ターボ(45kg・m)&MTの刺激的なパッケージの「M235i」のままで日本に持ってきてほしいです。噂によると車重1300kg台!とのことで、このクルマでマツダや日産のお尻をチクチク刺してくれれば、日本のスポーツカーファンが待望するRX-8後継やシルビアターボ後継が実現に向けて動き出すのではという気がします。

  さらにパワーアップしてなお脅威の軽量化に邁進していると言われる新型M3/M4も、車両価格(約1000万円)を考えるとあまりリアリティも無かったりしますが、日産やポルシェを相手に回して十分に立ち回れるような高性能GTカーとしてコンセプトを切り替えて登場するようです。やはりBMWを名乗るならこうじゃなきゃダメですよね。BMWジャパンが導入するモデルラインナップは本国のBMWの実態に即したものでないですし、その歪曲っぷりに失望している日本のファンも多いはずです。

  ちょっと嫌みになりますが、カムリやティアナみたいな「無味なBMW」(320iなど)はハッキリ言って日本に持ってこなくていいと思いますし、多少価格が高くてもBMWを買うならば、例えば12年前のE39M5のような、日本メーカーが国土交通省に封じ込められて作れない領域のクルマを買って楽しむのが正しい姿なんじゃないかと思うのです。


    ↓独アウトカタログの日本語版 本国では330i(MT)とかあります!直6NA!
  

2013年11月26日火曜日

BMW M5を買ってしまおう!と月1くらいで頭を過る・・・

  もちろん中古ですけどね。・・・というか中古じゃないと意味が無いのです。何でかというと、クルマに対する憧れの原体験が大学の頃に読みあさっていたロッキンオン社の「SIGHT」という雑誌のクルマ企画だったことに由来します。当時は憧れのクルマはそこに取り上げられている20台の日独伊英米のスポーツモデルという狭い世界でしか選択肢がなかったのですね・・・。ネットのサイトなんて全然整備されて無かったのでクルマの情報を受け取る手段がなかったですし。

  その20台の中で当時の私の心をガッチリと掴んでいたのが、BMW M5だったのです。まあ価格なんて野暮なことは一切書いてなくて、純粋にスタイルだけを見てこのクルマに将来乗りたいなと思っていたような気がするので、そういうクルマは実際に所有するととても感慨深くて満足できそうだなと思ったりします。それがE39という形式だと分かったのはずっと後のことで日本人デザイナーがデザインしたのも頷けます。アウディA6もそうですが日本人デザイナーのドイツセダンには自然と反応してしまう良さを感じます。

  現行のF10M5は560馬力をDCT制御で駆動させる、完全に今時のスーパースポーツにありがちのパッケージになって、E39M5の頃とは意味合いが違うクルマになってしまったようです。それでも現行の560馬力&DCTよりも400馬力をMTで引っ張って走らせるほうがよっぽど官能的なんじゃないかと思うので、1500万円のF10M5よりも断然に200万円のE39M5じゃないかと・・・。そして200万円か・・・と一瞬色めき立つのですが、満足できるコンディションまでリカバリーすると500万円だろうなと冷静に思い返して、なんとか暴走を食い止めています。

  そういえばパワーが出るエンジンにMTって最近マツダがディーゼル使って発売してますね。アテンザディーゼルの40kg・mオーバーのトルクならE39M5にも少しは近づけているのでしょうか(なわけないかけど)? 似たような企画のクルマで先代レガシィB4には2.0GTスペックBというターボのMTモデルがありましたが、大型化してエレガントになって来年登場すると言われる新型レガシィにも300ps&MTを設定してくれたら、まあターボですけども楽しいクルマになるんじゃないかなと思います。


 

2013年10月3日木曜日

これからのセダンは「普通」と「高級」の2パターン

  世界のセダン、と言っても日米独韓の4カ国のメーカーが製造するセダンですが、にあった「暗黙」の基準が完全に変わってしまったようです。以前はメルセデスが打ち立てたDセグ/Eセグ/Fセグの3グレード体制が主流でしたが、欧州と日本でのセダン人気の後退によりDセグの販売が世界的に低迷した結果、北米向けに新たに開発されたDとEの中間のような「DEセグ」とラグジュアリーセダンとしての「Fセグ」の2グレードに変わりつつあります。

  簡単に言うと「DEセグ」が普通のセダンで、「Fセグ」が高級なセダンです。普通のセダンといっても乗用車としては十分に高級な部類に入ります。イメージとしてはBMW5やメルセデスEと比較対象になるようなクルマです。最近ではカムリHVやアコードHV、アテンザなども十分にこのクラスで戦えるだけの「重厚感」をテーマに開発が行われていて、以前は「プレミアム」と「大衆」を隔てていた垣根がなくなりました。

  レクサスISやインフィニティQ50(スカイライン)など、上のクラス(GSやフーガ)と共通のプラットホームなので、クルマの性格が多少変わる程度で多くの機能を共用しています。GSとISの違いは細かいところを見ればいろいろあるのですが、根本的なものとしてはハイブリッドモデルのシステムくらいじゃないでしょうか。もはやユーザーの好みの問題です。ちょっと厳しい言い方をすると、GSに「特別な高級感」はなく、ISに「スポーツの要素」はないです。どちらも「普通のセダン」の範疇を出ていません。

  高級なセダンは一般の感覚からいうと「超高級」と言える1000万円クラスのセダンです。レクサスLS、Sクラス、7シリーズ、A8、パナメーラ、クワトロポルテ、ジャガーXJといったところです。一般的にV8エンジンを載せていそうなクラスなのですが、全グレードがV8という格式を保っているのは、意外なことに欧州車にはなく、レクサスLSのみです。最近ではV6ターボが多くなっていて、このクラスもいつまで「特別な地位」を保つことができるかは不透明です。

  日本メーカーのセダンは、生き残りを懸けての大きな動きを世界に先駆けて見せています。アコードとアテンザが北米サイズになり、国内専用モデルであるはずのクラウンも釣られて大型化しました。そして今年新たにスカイラインも大型化するようで、実質的にフーガに近いクルマになるようです。レガシィも来年のFMCで晴れてDEセグメントの仲間入りをする見通しです。ドイツメーカーの動きはやや不透明です。Eセグに関してはサイズは同じかやや小さくなる傾向があり、Dセグ(3シリーズ・Cクラス)は大型化しているので、今後3と5あるいはCとEはどのように差別化が図られるのか、あるいは統合されるのかはまだ予想が付きません。

  「普通のセダン」へと収束する動きは、やや思い込みもあるかもしれませんが、一般的に動きがモッサリしていて、ハンドリングはやや緩くなる傾向にあります。セダンの皮を被ったミニバンみたいな冴えないドライブフィールに堕することが、「普通のセダン」の宿命と思いたくはありませんが、ライバルとのコスト競争の中で、特に「運転補助システム」の開発に力が入れられてしまっていて、足回りやハンドリングの開発が不十分と評されるクルマが多くなっている印象です。新型アテンザも新型メルセデスEクラスもこの点が特に指摘されています。

  BMWやマツダといったセダンに「ハンドリング」を最大の付加価値として与えてきたメーカーも、このサイズになってしまうとクルマの意味合いがどうしても変わってしまうようです。確かに車幅が増えてもハンドリングの精度と信頼性のおかげで、狭い道でもしっかりと「寄せる」ことができるBMWやマツダのクルマはアドバンテージがあります。ただ今後は北米市場に迎合する姿勢から「味」を失って、さらにバランスも失っていくのが想像できます。

  FF車に平気でV6を積んでしまうという、まったくデリカシーの無い設計(失礼!)がまかり通ってしまう北米市場は、アルファロメオやスバル、マツダ、BMWのような中型スポーツセダンの得意なメーカーにとってはまさに「鬼門」です。スポーティとは真逆の「日産ティアナ」のようなクルマが幅を利かせる世界が、唯一の巨大セダンマーケットになってしまった悲劇的な状況を受け入れなければなりません。