Dセグセダンの売り方(作り方)がだいぶ変わってきたように感じます。どのメーカーも真剣そのもので、過剰品質による過当競争が始まってるのではないかと思わず心配してしまうほど。何が過剰なのかというと、わざわざ新型シャシーを投入した「レクサスIS」にパワーユニットや駆動方式を全面的に改めた「スカイライン」、そしてとうとう前後輪ともにマルチリンクという豪華仕様になってハンドリングと乗り心地が急激に良くなっているらしい「Cクラス」。なぜ世界的にそれほど売れるわけではないDセグセダンにここまで開発資源を投入するのか?それほど爆発的に伸びるほど安い価格帯でもないけど・・・。
さらにホンダ「アコードHV」もマツダ「アテンザ」も他のブランドには無い独特の魅力(優良燃費HVやクリーンディーゼル)を強くアピールして独自の世界感を演出しています。一体いつからDセグはこんなに「高性能」なクルマばかりになったのか? 一応いろいろ調べてみると、先駆けとなったのは2011年の後半から2012年初頭にかけて登場した「2台」じゃないかという結論になりました。
1台は「トヨタ・カムリHV」。これまで燃費よりも乗り味をまず追求する必要があったDセグに、フルHVでリッター20kmを実現する?みたいな触れ込みで登場。しかもHVの難点と思われていた気持ちのよい加速性能も余裕たっぷりの上質な出力でHVの常識を打ち破って、トヨタも予想しなかったスマッシュヒットを記録。そしてもう1台は「BMW320d」。いよいよ欧州の主流のパワートレインであるディーゼルがプレミアムブランドで登場!「BMWのブランド力」「ディーゼルの意外なスポーツ性」「経済性(燃費&抑えた価格)」が呼び水となり、気がつけばF30型3シリーズの半分以上が「320d」だったとか。
さてスバルとしてはこの大きく変わった市場環境とライバルについてを歓迎しているのか? そしていよいよ発表されるレガシィB4には一体どういった「工夫」が盛り込まれるのでしょうか? スバルがすでに量販モデルを発表しているレヴォーグは、Cセグ車をベースにしているけど、価格帯は完全にDセグ。そしてレヴォーグの最大のアピールポイントはスポーツモデル「WRX」と基本設計が同じという点で、ファンのみならず高性能ワゴンを求める層にとって従来の「レガシィ"GT"」とはひと味違う納得の1台だと思います。
レヴォーグがかなり「前衛的」な設計だったので、セダンモデルとなるレガシィB4は比較的「穏やか」になるという見方もありますが、ここはDセグの「激しい潮流」に則ってレヴォーグのようにファンを驚かせる「グレード」を用意するのが、スバルというメーカーのポリシーか。特に追加的な開発を要さなくても、北米向けのボクサー6気筒ガソリンを日本でもB4で復活させることは可能です。水平対抗6気筒は「静音」「制振」において設計上はV型6気筒よりもアドバンテージがあると言われています。
メルセデスもV6エンジンへの限界を感じたようで、次期Eクラスから直6エンジンへの回帰が行われると噂されています。スバルとしては直6には敵わないまでも特異な設計で、「高級車のパワーユニット」として十分にアピールできる「ボクサー6」は、さらなる高級サルーンへと踏み込んだ作りになる新型レガシィのコンセプトにも一致します。
スバルにはまだまだ隠し球があって、欧州で密かに発売している「水平対抗ディーゼル」&CVTというユニットを日本の環境基準に適合させるべく改良が進められています。さて突如巻き起こったDセグの「高性能合戦」。すでに全グレードAWDにするなど、独特の設計を盛り込んできたレガシィにとっては「望むところだ!」と気合いが入る展開かもしれません。とりあえず楽しみにFMCの発表を待ちたいと思います。
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2014年4月16日水曜日
2014年4月9日水曜日
アテンザの好きな点・嫌いな点
マツダ・アテンザは2012年に3代目が登場し、そのデザインで世間の注目を集めました。初代がデビューした2002年当時は、マツダにはさらに上のグレードのセダン(ミレーニア)があったので、中型のスポーツセダンとしてアクティブなユーザーに親しんでもらうモデルでしたが、2代目からはマツダの最上級モデルとなったため、スポーティさは次第に薄まり、高級感を演出するコンセプトへと変化してきました。
初代と3代目を見比べると、10年間でここまで変わるものか?というほどにマツダが気合を入れて作りこんでいる様子が分ります。もちろんそれはマツダが置かれていた特殊な環境によるものでして、端的に言えば中型セダンに最大限に注力できるメーカーが世界を見渡してもマツダとスバルくらいなものだったからです。欧州のVWやプジョーなどは小型のクルマに主眼を置いていますが、マツダやスバルの場合は小型車技術が発達した日本での成長が見込めないために、「中型車主体」という稀な戦略を採りました。
アテンザやレガシィと同クラスのセダンは、トヨタカムリ、日産ティアナ、ホンダアコードでは北米向けの汎用型セダンとして、サイズから乗り味(アクセル、ブレーキ)から全てアメリカ向けの「おおらか」な設計がされています。クイックなハンドリングではなくバスを運転している感覚こそが高級感の演出というアメリカ人的解釈がよく反映されています。その中で欧州向けのクイックなハンドリングのアテンザは独自のポジションを築きました。
一方、メルセデス、BMW、アウディ、レクサスといったプレミアムブランドでは、アテンザクラスのクルマはあくまで入門車扱いであり、メーカーからは意図的に機能を抑えた設計がされていたために、マツダの貧弱な経営基盤でも十分に対抗できるクルマを作ることができたようです。最近ではレクサスやメルセデスでDセグセダンの性能をかなり引き上げる動きが出て来たので、BMWやアウディにもこれが波及するでしょうから、マツダとしては正念場を迎えることになりそうです。
迷走の2000年代を過ごしたと言われるBMWの「3シリーズ」と「アテンザ」を比較すると、「E46」をコピーして誕生した「初代GG」の段階ではクルマの雰囲気はとても良く似ています。しかし「E90」に比べてサルーンとしての快適性を主張した「2代目GH」は、いち早く現在の欧州のトレンドになった「4ドアクーペ」調の空力追求型へと踏み出し静音性・快適性をアピールするようになりました。「F30」が完全に欧州のトレンドを掴み損ねている中で、「3代目GJ」はサイズを1クラス上の5シリーズサイズまで拡大し、停滞気味の欧州D/Eセグの顧客に対し魅力あるクリーンディーゼルで訴求しました。
何がいいたいかというと、「非プレミアムブランド」としてのフットワークの良さをフル活用して、世界的なブランドであるメルセデスやBMWに揺さぶりを掛けることに成功しつつあることが素晴らしい! もちろんマツダの儲けなどメルセデスやBMWの比べれば大したことはないのですが、「非プレミアム」の中堅メーカーがグローバルで生き残っていることがすでに「大成功」だと言えます。
そしてそのアクティブな姿勢がレクサスやメルセデスに危機感を抱かせ、実際にアテンザと同クラスのクルマの進歩は目覚ましいものがあります。VWがCセグでどんなにいいクルマを作ってもレクサスやメルセデスにとっては痛くも痒くもないわけですが、アテンザだけはどうしても放置できないというわけです。これってとても「天晴れな」ことじゃないですか!
ただアテンザが怒濤のように3代目まで突き進んでみると、スポーツセダンの頃を愛していたユーザーにとっては一抹の寂しさがあります。大きく変化するアテンザに対し、プレミアムブランドとして急激な変化を避けてきたBMWのラインナップに、以前のアテンザの姿を見てしまうことも・・・。マツダはそろそろ真剣に「スポーツセダン・アテンザ」の復刻を考えてほしいなと思います。
↓このクルマを見かけると、とっても羨ましいなと思うこの頃です・・・。
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初代と3代目を見比べると、10年間でここまで変わるものか?というほどにマツダが気合を入れて作りこんでいる様子が分ります。もちろんそれはマツダが置かれていた特殊な環境によるものでして、端的に言えば中型セダンに最大限に注力できるメーカーが世界を見渡してもマツダとスバルくらいなものだったからです。欧州のVWやプジョーなどは小型のクルマに主眼を置いていますが、マツダやスバルの場合は小型車技術が発達した日本での成長が見込めないために、「中型車主体」という稀な戦略を採りました。
アテンザやレガシィと同クラスのセダンは、トヨタカムリ、日産ティアナ、ホンダアコードでは北米向けの汎用型セダンとして、サイズから乗り味(アクセル、ブレーキ)から全てアメリカ向けの「おおらか」な設計がされています。クイックなハンドリングではなくバスを運転している感覚こそが高級感の演出というアメリカ人的解釈がよく反映されています。その中で欧州向けのクイックなハンドリングのアテンザは独自のポジションを築きました。
一方、メルセデス、BMW、アウディ、レクサスといったプレミアムブランドでは、アテンザクラスのクルマはあくまで入門車扱いであり、メーカーからは意図的に機能を抑えた設計がされていたために、マツダの貧弱な経営基盤でも十分に対抗できるクルマを作ることができたようです。最近ではレクサスやメルセデスでDセグセダンの性能をかなり引き上げる動きが出て来たので、BMWやアウディにもこれが波及するでしょうから、マツダとしては正念場を迎えることになりそうです。
迷走の2000年代を過ごしたと言われるBMWの「3シリーズ」と「アテンザ」を比較すると、「E46」をコピーして誕生した「初代GG」の段階ではクルマの雰囲気はとても良く似ています。しかし「E90」に比べてサルーンとしての快適性を主張した「2代目GH」は、いち早く現在の欧州のトレンドになった「4ドアクーペ」調の空力追求型へと踏み出し静音性・快適性をアピールするようになりました。「F30」が完全に欧州のトレンドを掴み損ねている中で、「3代目GJ」はサイズを1クラス上の5シリーズサイズまで拡大し、停滞気味の欧州D/Eセグの顧客に対し魅力あるクリーンディーゼルで訴求しました。
何がいいたいかというと、「非プレミアムブランド」としてのフットワークの良さをフル活用して、世界的なブランドであるメルセデスやBMWに揺さぶりを掛けることに成功しつつあることが素晴らしい! もちろんマツダの儲けなどメルセデスやBMWの比べれば大したことはないのですが、「非プレミアム」の中堅メーカーがグローバルで生き残っていることがすでに「大成功」だと言えます。
そしてそのアクティブな姿勢がレクサスやメルセデスに危機感を抱かせ、実際にアテンザと同クラスのクルマの進歩は目覚ましいものがあります。VWがCセグでどんなにいいクルマを作ってもレクサスやメルセデスにとっては痛くも痒くもないわけですが、アテンザだけはどうしても放置できないというわけです。これってとても「天晴れな」ことじゃないですか!
ただアテンザが怒濤のように3代目まで突き進んでみると、スポーツセダンの頃を愛していたユーザーにとっては一抹の寂しさがあります。大きく変化するアテンザに対し、プレミアムブランドとして急激な変化を避けてきたBMWのラインナップに、以前のアテンザの姿を見てしまうことも・・・。マツダはそろそろ真剣に「スポーツセダン・アテンザ」の復刻を考えてほしいなと思います。
↓このクルマを見かけると、とっても羨ましいなと思うこの頃です・・・。
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