ラベル マツダアテンザ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル マツダアテンザ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2015年1月31日土曜日

レジェンド・アテンザ・レガシィ 日本のセダン天晴れ!

  日本ではセダンが「乗用車の基本形」という立場で見られなくなって久しいです。昔は各メーカーからマーク2・クレスタ・チェイサー・ヴェロッサのように共通設計のいわゆる兄弟車がたくさん出ていましたが、最大手のトヨタを見ても4つの販売チャンネルからそれぞれ違う車名を冠したセダンが出てくるなんてことはなくなりました。またトヨタと日産が国内市場でセダンを重要視していたころは、両メーカーを代表するモデルがやたらと似通っていたのも完全に昔の話で、現行モデルのクラウンとフーガは遠くから見てもハッキリと違いが解ります。トヨタ以外のメーカーのセダンは全てグローバルモデルになっていて、特に高級モデルはドイツ車に負けないような力強いフロントマスクを持つものが増えています。

  トヨタのクラウンも今では完全に中国向けの主力セダンとして生まれ変わっていて、次期MCでは2Lターボ車の発売が噂されています。新たな主戦場となる中国では現地生産されるターボチャージャー搭載の欧州メーカー車が圧倒的な人気を誇っているようで、苦戦する日本メーカーも販売のてこ入れのために何らかの対応が迫られています。日本車と言えば静かなNAエンジンが海外でも高い評価をされてきましたが、中国市場は他のどの主要市場よりも小排気量ターボの人気が高いようです。もはやドイツ・フランスといった極めて合理的な経営をする国々のメーカーでは、中国でいかに稼ぐか?がメーカー存続のために必要で、メーカー群が徒党を組んでステマを展開し、ターボと小型SUVというブームを中国へ持ち込んだ格好です(どちらも儲かる!)。日本勢の勢いは完全に削がれてしまった結果、簡単にまとめるとスタイリッシュな小型SUV・小型セダンでホンダ・スズキ・マツダが勝負し、取り急ぎターボチャージャーを調達してプレミアムカーを売ろうとしているのがトヨタ(レクサス)と日産(インフィニティ)です。

  2Lターボ車なんて全く興味ない!という日本の生粋のセダンユーザーにとっては、中国市場の動向による利益のない影響が日本へと大きく及ぶのは由々しき事態といえます。ほんのつかの間かもしれませんが、そんな人々の溜飲を下げさせてくれるのが、マツダ・アテンザのMCとスバル・レガシィのFMC、そしてホンダ・レジェンドの日本市場復活です。レガシィとレジェンドに関しては北米市場で育まれた背景を持ちますが、ドイツ車のような2Lターボで即席の安っぽい乗り味が作られるのに比べれば、マツダ・スバル・ホンダ(未試乗)が中型・大型のセダンに用いるエンジンもどれも味わい深く、豊かな乗り味が楽しめます。

  やはりセダンは他のボディタイプではなかなか味わえない特別な乗り味を保持して初めて「一流」なんじゃないですかね・・・と生意気なことを言ってしまいますが、やはりゴ◯フと同程度の乗り味のセダンなんてとてもじゃないですが納得できません。現行のゴ◯フが発表されたときに、クラウンのような静音性とか言われてましたが、私の乗った限りでは車体からエンジンのマウントまでクラウンには遠く及んでいませんし、ゴ◯フGTIのボンネットを開けてみるとフードの裏についている遮音材の面積は、アテンザ、レガシィ、クラウンなどに使われているものよりも極端に小さかったです。「自家用車」誌の測定によるとクラウンとゴルフでは2段階くらい静音性のレベルが違ったそうです(もちろん現行クラウンが上です)

  ゴ◯フを作っている某ドイツメーカーはどうやらクラウンの知名度を利用した宣伝を日本のカーメディアに流布したようですが、日本車セダンのユーザーが乗り比べれば、そのステルスマーケティングにはかなりの誇張が含まれることにハッキリと気がつくレベルです。ゴ◯フはたしかにヴィッツやマーチに比べれば質感の良さが実感できますが、それを考えても相当に割高な日本価格が付けられています。クラウンと同じくらい!なんて現行同士で比べたならばとてもじゃないですがあり得ないです。BMW3やアウディA4の水準を追い越した先にクラウンのレベルがあるというのに・・・。余談ですが、ゴ◯フGTIに試乗したあと自分の国産セダンに乗って帰ったときに、改めて愛車の遮音性の高さに感動したほどです。

  確かに廉価なドイツ車にもれなく付いてくるターボチャージャーがウルサイ!なんてことはないのですが、あくまで静音性に関していえは、ドア周りのパッキンがどれくらい念入りに入っているかであるとか、エンジン周りの遮音材をどれだけ使っているかといった基本的な部分がそのクルマの「実力」に大きく関わっています。BW1シリーズのドア周りは見比べるとフィットやマーチ並みに貧弱だったりします。日本車がドイツ車がといった先端技術ではなく、そのメーカーがどれだけ真面目にそのクルマを作っているかの姿勢が大きな差を生んでいます。トヨタに関して言えばヴィッツとクラウンには価格差なりの格差が付けられていて、なんだかんだ言ってもゴ◯フはクラウンよりヴィッツに近い作りをしています(遮音材の量など)。ドイツ車ユーザーに言わせれば、日本のセダンは外界の音を徹底的に遮断しているので、逆に静かすぎて気味が悪いそうです。ドイツ人と日本人の文化的バックグラウンドも指摘されていて、ドイツ人エンジニアに「静音性」についての質問を繰り返しても意図が全く伝わらないというケースもあるのだとか。

  数年前まではそんなドイツ勢のセダンに市場を席巻されつつあったようですが、よっぽどのドイツブランドへの盲目的な憧れでも無い限りは、BMWやメルセデスのセダンに壊れるまでずっと乗っていたいとは思うことは少ないようです(ユーザーへのアンケートによると)。その一方でレジェンドやレガシィB4、アテンザは10年以上乗りたいというユーザーの割合が高いです。高性能なクルマを比較的手軽な価格で、しかもランニングコストも今のところは輸入車に比べれば相当に割安ですので、経済性を重視しつつ快適なクルマに長く乗っていたいと考えるユーザーからの支持を得るのは当然です。よって買い換えのサイクルは長くなるので、年度当たりの販売台数では輸入車の数字が多めに出ることもあるでしょう。もちろんクラウンやレクサスLSのように短期での買い換えが常態化している日本車もありますが・・・。

  ドイツ車が好きで乗っている人を否定するつもりなんてないですが、やはり自分の愛車とどう接するか?といった距離感によっては、日本とドイツの文化の違いからくる違和感がどうしても看過できない水準に達することがしばしばあると思います。部屋に飾っておく模型としてならばフェラーリでもランボルギーニでもM1エイブラムス戦車でもそれほど困ることはないですが、クルマを部屋の延長と考えるならば、衣・食・住といった生活に深く関わるものを、ドイツ文化に委ねたいとは思わないです。やはり日本文化に同化しきれていない舶来品は使いづらさを感じます。欧州製の家具に囲まれた生活に満足する人もいるでしょうけど、私にはどうも理解できません。リニューアルオープンしたホテルには「和モダン」と名付けられた部屋が用意されることが多いので、おそらく私のような人はかなり多くて、かなりの需要があるように思います。

  さてクルマに話を戻すと、バブル期に「赤坂サニー/六本木カローラ」と言われるほど親しまれて以来20年以上の歴史を持つメルセデスCクラスやBMW3シリーズならばある程度の親和感を感じますが、それでも日本人が作った日本車に比べればトータルで見た「良いクルマ」度は数段劣るように感じます。なにより日本人にとって愛着を感じるBMWとは3シリーズ(F30)ではなく、新たに登場した2シリーズクーペの方だったりするかもしれませんが・・・。

  ドイツ車には少々難がある・・・と嫌味を言うのが今回の目的ではなくて、日本メーカーは安易なドイツ車追従ではなく日本人が心から親しめる高品質なセダン作りを続けていくことがやはり大事だと思います。レクサスに関してはそもそもがアメリカ向けに作られたブランドで、それを逆輸入する形で日本に導入したのだから、もっと日本らしくという要求自体が筋違いかもしれません。そしてレクサスと同じようにセダン開発を北米基準にしている日産にも、さらに日本向けにあらゆる点で行き届いたセダンを期待するのは難しいのかもしれません。ホンダ・スバル・マツダに関しても日産と同様の経営方針ではあるようですが、日本で多くのセダンファンを持たないこの3メーカーとしては、トヨタ・日産そしてドイツ勢を相手に回して十分に魅力を発揮できるクルマ作りが必須です。


  そんな3メーカーの現在地を考えた上で、アテンザ・レガシィ・レジェンドを改めて見ると既存勢力を打ち破るポテンシャルを備えた「上質セダン」を手頃な価格(安くはないですけど)で提供したい!という戦略的意図が見えます。プロの評論家がこの3台について何と言おうとも、大きな声で絶賛したい素晴らしい出来です(各車については追々・・・)。現状で欲しいクルマ1〜3位がこの3台です。どれが1位か?はやや難しいですが、高級ブランドを圧倒するハイテクセダンが欲しければレジェンドで、ドライブフィールを求めるならアテンザ、そして最上級に安全な走行環境を欲するならばレジェンドですかね。デザインはどれも素晴らしいです!

リンク

↓アテンザMC版が発売されました!BMW3やアウディA4との大胆比較です!

2014年4月9日水曜日

アテンザの好きな点・嫌いな点 

  マツダ・アテンザは2012年に3代目が登場し、そのデザインで世間の注目を集めました。初代がデビューした2002年当時は、マツダにはさらに上のグレードのセダン(ミレーニア)があったので、中型のスポーツセダンとしてアクティブなユーザーに親しんでもらうモデルでしたが、2代目からはマツダの最上級モデルとなったため、スポーティさは次第に薄まり、高級感を演出するコンセプトへと変化してきました。

  初代と3代目を見比べると、10年間でここまで変わるものか?というほどにマツダが気合を入れて作りこんでいる様子が分ります。もちろんそれはマツダが置かれていた特殊な環境によるものでして、端的に言えば中型セダンに最大限に注力できるメーカーが世界を見渡してもマツダとスバルくらいなものだったからです。欧州のVWやプジョーなどは小型のクルマに主眼を置いていますが、マツダやスバルの場合は小型車技術が発達した日本での成長が見込めないために、「中型車主体」という稀な戦略を採りました。

  アテンザやレガシィと同クラスのセダンは、トヨタカムリ、日産ティアナ、ホンダアコードでは北米向けの汎用型セダンとして、サイズから乗り味(アクセル、ブレーキ)から全てアメリカ向けの「おおらか」な設計がされています。クイックなハンドリングではなくバスを運転している感覚こそが高級感の演出というアメリカ人的解釈がよく反映されています。その中で欧州向けのクイックなハンドリングのアテンザは独自のポジションを築きました。

  一方、メルセデス、BMW、アウディ、レクサスといったプレミアムブランドでは、アテンザクラスのクルマはあくまで入門車扱いであり、メーカーからは意図的に機能を抑えた設計がされていたために、マツダの貧弱な経営基盤でも十分に対抗できるクルマを作ることができたようです。最近ではレクサスやメルセデスでDセグセダンの性能をかなり引き上げる動きが出て来たので、BMWやアウディにもこれが波及するでしょうから、マツダとしては正念場を迎えることになりそうです。

  迷走の2000年代を過ごしたと言われるBMWの「3シリーズ」と「アテンザ」を比較すると、「E46」をコピーして誕生した「初代GG」の段階ではクルマの雰囲気はとても良く似ています。しかし「E90」に比べてサルーンとしての快適性を主張した「2代目GH」は、いち早く現在の欧州のトレンドになった「4ドアクーペ」調の空力追求型へと踏み出し静音性・快適性をアピールするようになりました。「F30」が完全に欧州のトレンドを掴み損ねている中で、「3代目GJ」はサイズを1クラス上の5シリーズサイズまで拡大し、停滞気味の欧州D/Eセグの顧客に対し魅力あるクリーンディーゼルで訴求しました。

  何がいいたいかというと、「非プレミアムブランド」としてのフットワークの良さをフル活用して、世界的なブランドであるメルセデスやBMWに揺さぶりを掛けることに成功しつつあることが素晴らしい! もちろんマツダの儲けなどメルセデスやBMWの比べれば大したことはないのですが、「非プレミアム」の中堅メーカーがグローバルで生き残っていることがすでに「大成功」だと言えます。

  そしてそのアクティブな姿勢がレクサスやメルセデスに危機感を抱かせ、実際にアテンザと同クラスのクルマの進歩は目覚ましいものがあります。VWがCセグでどんなにいいクルマを作ってもレクサスやメルセデスにとっては痛くも痒くもないわけですが、アテンザだけはどうしても放置できないというわけです。これってとても「天晴れな」ことじゃないですか!

  ただアテンザが怒濤のように3代目まで突き進んでみると、スポーツセダンの頃を愛していたユーザーにとっては一抹の寂しさがあります。大きく変化するアテンザに対し、プレミアムブランドとして急激な変化を避けてきたBMWのラインナップに、以前のアテンザの姿を見てしまうことも・・・。マツダはそろそろ真剣に「スポーツセダン・アテンザ」の復刻を考えてほしいなと思います。



  ↓このクルマを見かけると、とっても羨ましいなと思うこの頃です・・・。

「最新投稿まとめブログ」へのリンク

2014年1月22日水曜日

アテンザとスカイラインが似てるって?

  FFのアテンザとFR&AWDのスカイライン。直4&軽量が身上のアテンザとV6&剛性を主張するスカイライン。欧州に切り込むアテンザと北米を制するスカイライン。Dセグセダンに求められる性能を見事に分担しているアテンザとスカイラインですが、新型同士のデザインが似ていると少々話題になっているようです。もちろん同クラスながらこれだけキャラクターが異なる2台ですからデザインが被っていてもなんら問題は無さそうなのですが。

  それぞれ2000年代に新型車種として開発されたアテンザとV35スカイラインは、どちらも当時最高のDセグドライビングカーとして人気を得ていたBMW3シリーズがターゲットだと公言していた。3シリーズは当時も今も8気筒のM3を頂点とした多グレード展開が基本であり、同じシャシーの中で量販車とスーパースポーツの顔を持っていた。とりわけボディ剛性に力点を置きつつもシャープなハンドリングがトレードマークだったようだ。

  さてこの3シリーズを追っかけたクルマはアテンザ、スカイラインの他に、アルテッツァ、アコード、アルファ156があった。いずれもBMWを十分に追撃できる開発力を持ったメーカーばかりで、それぞれにメーカーの期待を一身に背負って登場しただけあって、すべて「名車」として広くその名を知られているものばかりだ。アルファ156は後継の159を残したが、159が生産中止になって以降はアルファロメオのDセグはラインナップから消えてしまった。

  FFのアテンザはその設計上、直4エンジンのみの搭載となるため、必要以上に剛性を高めるのではなく、軽量でハンドリングに特化した味付けで3シリーズに対抗する方針を採った。FF車のハンドリングを大きく進化させるだけでなく、FRの3シリーズよりも良いハンドリングを目指す取り組みは無謀とも思えるが、不可能を限りなく可能な領域へと引きずり込む執念が功を奏して、日本の中型車として初めて欧州の扉をこじ開けた。3世代目のGJ系はディーゼルターボの性能でF30を圧倒・・・。

  一方のスカイラインはボディ剛性で3シリーズを分かりやすく上回ることで決着を付けるという、極めて日産的な手法で開発が進んだ。初期モデルの3.5Lエンジン(VQ35)を後になってからBMWの直6ターボを潰す為だけに3.7L(VQ37)へと変更された。その結果、北米のDセグで最も高性能なベースグレードを持つ、北米のこのクラスの最高級車へと駆け上がる。そして見事にBMWから北米(プレミアム)での覇権を奪取した。おまけにR35GT-RでM3のプライドもズタズタにした。

  もし日本にアテンザとスカイラインが無かったら・・・。日本メーカーはBMWに対抗するクルマが作れないことが表面化し、日本の高級車全体の信頼が大きく崩れてしまうだろう。日本車の面子を守るためにマツダと日産が必死になって作ってきたクルマが、アテンザとスカイラインだと言える。この2台とスバルのレガシィB4。これに乗らずに日本車をバカにする人は愚かだ。

  まるでマツダと日産が打ち合わせをして作り分けたといってもいいくらいのアテンザとスカイラインの奇妙な関係は他にもある。GH系アテンザとV36スカイラインのデザインはどちらもフランス・イタリア車にルーツがあるようなエレガントさを、特にリアデザインにまとっている。借り物のアイデンティティだと切り捨てる人もいるだろうけど、日本のセダンのデザインを何としても変えようという必死さが心に染みる。
  

2013年12月10日火曜日

アテンザは日本車の新たなアイコン!

  京都・滋賀にドライブに行ってきました。遠くまで旅すると同じ日本でもいろいろな事が少しずつ違っているのに気がつく年齢になってきたなとしみじみ感じます(まあ勘違いもあるでしょうが)。都道府県ごとに好まれるクルマもだいぶ違っているようです。軽自動車とミニバンとプリ&アクと輸入車が多いと言ってしまえばそれまでなんですが、それ以外の「こだわりを見せるクルマ」部門においては、関東と関西では大きく異なります。

  関東のトレンドは完全に86/BRZだと思います。東京MSの駐車場にもやたらと多くの86を見かけました。なぜ関東の人が86を好むのかはまったくもって不明です。交通機関が発達した地域ほどクルマに対して趣味的なものを求めるのでしょうか。関東と大きく括りましたが、私の活動エリアは東京西部を中心に埼玉西部と神奈川西部です。それぞれ東部よりクルマの所有率が高まりクルマが今も一定のステータスを持っている地域です。東京西部はさらに北部と南部に分かれ、北部は埼玉の影響が強くスバルブルーのWRXが多く目に付きます。一方南部は神奈川西部の影響からシルビアが多い気がします。

  そんな東京北西部と南西部どちらにも急激に増加しているのが86/BRZです。今では2車線道路で並列している姿もざらに見かけます。スポーツカーが道に溢れていた時代が20年くらい前にもあったようですが、ここ数年の傾向でははっきりレアな存在でした。そこからわずか1年あまりで日本の景色に溶け込んでいる「適応力」はなかなかのものがあるように感じます。

  一方で京都を中心とした地域を土日に渡って走りましたが、こちらでは86はあまり見かけませんでした。日曜日の昼に滋賀県の栗東ICから名神に乗ろうとしたら一番右の車線を20~30台のポルシェやフェラーリが次々と疾駆していき追い越し車線を完全にジャックしているのを見かけました。関東ではなかなか見ない光景で、日本のクルマ文化の中心は完全に関西なんだなと改めて感じました。そしてこんな一団が毎週末に高速を我がもの顏で走っているわけですから、86を買ってもちょっと引け目を感じてしまうのかもしれません。

  京都の街中にも東京で見かけるのと同程度にポルシェなどが散見されますが、東京の景色とまるで違うのが、マツダ・アテンザの存在感です。東京では1台も見かけたことがない「ブルーリフレックスマイカ」という絶妙な色使いのクルマがよく走っています。東京には似合わない変な色ですが、京都の景色には不思議とマッチしています。京都リーガロイヤルホテルのロビーで30分ほど人を待っていたのですが、まるでメルセデスかレクサスの上級モデルのようなオーラで正面玄関前に現れました。

  ちょうどホテルを出るタイミングでしたので近くで見ました。アイドリングのディーゼル音もメルセデスやBMWのような下品で不快なトラックを連想させるものではなく、色・形・音と外部に与える印象においては、どんな高級車よりも考えて作られている「逸品」なんだなと改めて感じました。ホンダの新型アコードも同じようなコンセプトを追求していて、技術的にも新しいものを使って「上質なクルマ」へと進化していますが、残念ながらアテンザほど迫真の世界観は表現できていないです。そして日産の新型ティアナに至ってはもはやスカイラインの引き立て役でしかなく、日産から近い将来日本に本格導入されるであろうインフィニティブランドへ顧客を追い込む「戦略車」にしか感じません。

  これまで新型アテンザに対してネガティブな印象を持ってきましたが、中型のスポーティセダンから「おもてなし」「和の心」の大型セダンへと着実に脱皮するという意味では、とても高いレベルでそれを実現しているクルマだと、伝統の古都京都に来て実感しました。日本カーオブザイヤーの選考委員はクルマの基本性能ばかりに注目してアテンザに票を入れなかったと思うのですが、このクルマの社会的な価値を考えると、ゴルフ、フィット、Sクラス、V40といった全体にチャラチャラしたクルマよりも、やや感覚的ではありますが深淵で堅実な世界観へと踏み込んだ素晴らしさは、やはり無視すべきではなかったように思います。服装や時計などの持ち物にこだわる人にはもってこいのクルマじゃないでしょうか。


  

2013年10月14日月曜日

クルマにコダワル人々の必死な言い分・・・

  「クルマなんてどれでも一緒だろ」って思っている人に、自分のクルマ選びがいかに的を得ているかを説明するのはそんなに難しくないのですが、「大きいクルマに乗って見栄張りたいだけだろ・・・」って思ってそうな人を納得させるのはちょっと厄介ですよね。まあ住んでいる地域によって感覚はだいぶ違うとは思いますが・・・。

  なんでアテンザに乗っているの?って訊かれたら細かいごちゃごちゃとしたことを省くと、結局のところ「フラッグシップ車だから」が答えです。今後もフラッグシップ車しか買わないつもりです。現状での選択肢は実質的にアテンザ・レガシィ・スカイライン・レジェンド(未発売)の4台だけです(1stカーは絶対に新車です)。まあそれだけあればいいと思います。あれこれ悩むのも面倒ですし。よってレクサスへ行くときはLSを買うときで、メルセデスへ行くときはSクラスを買えるようになった時です。

  なんでフラッグシップ車かと言うと、単純に「気分がいいから」です。マツダのディーラーでもサービスの質が違います。電話で「オイル交換の予約を取りたいのですが・・・」と訊くと、最初は面倒くさそうに対応しますが、「おクルマはアテンザですね」のあとはテンションがやや上がって「いつでもOKですよ!」みたいな感じになります。マツダですらこれですから、他のディーラーは推して知るべしです。なんで客なのに嫌な想いをしなきゃいけないのか?ってのは極々当たり前の言い分です。結局、世の中のあらゆる会社が提供するサービスなんてのは、「どれだけ気分がいいか」が全てであって、そうじゃなければ利用しないのが基本だと思います。

    BMWのディーラーが最低だとか、レクサスが最低だとか良くネットで見かけますが、失礼を承知で言わせてもらうと、1や3、CTやHSを買おうと思った段階で「ブランド詐欺」に引っかかっています(みなさん最後には自分=「カモ」だと気づくようですが・・・)。彼らは最終的には7やLSを買わない人間を徹底的に見下してきます。これは高額商品の営業マンをやった経験がある人にとっては常識です。1000万円のクルマを買わせるにはマジックが必要なのです(これが直感的に解らない人には営業はできません)。よっぽどの金持ち相手で無い限り、徹底的に追い込まないとあんなものは売れません。つまりフラッグシップを買わない限り、ディーラーとの付き合いは苦痛になることが多いです。

  フラッグシップといってもレクサス以外の国産メーカーならば、それほど高額でもなく、付け加えるならば他のクルマと比べて価格差が少ない割に満足度は非常に高くなるように作られています。これも商売のイロハで、「上」・「中」・「下」の三段階で商品があったら、たいていは消費者に解らないように、「中」の利益率が高くなるように設定されています。よって「上」のほうが「中」よりお得だと言えます。「上」がどれほどの満足感があるかはその商材によっても違うでしょうが、クルマに関して言えば絶対的に「上」はお得です。実際にレガシィやスカイラインってほとんど欠点らしい欠点がない素晴らしいクルマなんです。オーナーでこのクルマを悪く言う人はとても少ないです。

  「最高に気分がいい」+「最高のクルマ」がフラッグシップです。東京に住んでいてクルマなんて無くても全然困らない生活をしているのもありますが、「気分が良くない」「最高でないクルマ」なんて絶対に要らないしお金と時間をムダにするだけとすら思います。クルマなんてなんでもいいと言って軽自動車に乗る人の気持ちはまるで理解できません。あんなクルマに150万円の価値があるのか!?
 
  私にとってクルマの主な用途は週末にドライブに行くくらいです(とても重要な「用途」ですが・・・)。せっかくの休みに片道3時間くらいかけて出掛けるわけです。往復6時間ものドライブの間、車内で過ごさなくてはいけません。もし車内が狭くてオーディオも騒音に掻き消されてしまうような環境だったら? 気分転換どころか逆にストレスが溜まってしまいます。 一般にフラッグシップ車は居住性には最大限の配慮がなされています。アクセラやインプレッサより50万円ほど高いだけで、アテンザやレガシィの遮音性はまったく別次元です。

  さらにドライブには事故のリスクが少なからずあります。小さい2BOXカーで、高速道路で事故ったら即死するようなクルマに大切な人を乗せてドライブしたいと思いますか?なぜフラッグシップ車は全て3BOXなのか?当たり前のことですが、それは前後にクラッシャブルゾーンを設ける事で乗員の生存率を上げるためです。日本メーカーのフラッグシップ車は衝突安全基準において世界の「テッペン」です。もちろんブレーキやコーナー安定性においても、ドイツ車に一切負けていません。BMWやメルセデスのどのクルマを持ってきても、アテンザ・レガシィ・スカイラインと「ゴッツン」すれば、グチャグチャになります。それでも日本の軽やコンパクトカーに比べれば断然にマシですが・・・。

  VWにゴルフという快適性を謳った「ゴキゲン」なクルマがあります。実際は全然「ゴキゲン」じゃないです。とくにGTIとか言うスポーツカーを気取ったグレードは最低です。後ろから追突されれば無事じゃ済まないし、高出力モデルなのに日本向けノーマル仕様と変わらない貧弱なブレーキしか備えていません。制動距離もライバル車と比べて最低の水準です。こんなクルマをデートカーにしているヤツは「最低」だと思います。


  そんな訳で、一人では絶対にドライブに行かない私にとっては、同乗者のことを考えると、国産フラッグシップのセダンしか選択肢になりません。みなさんにも是非オススメしたいと思います。こんな最高のドライブカーであるはずなのに、昨日のドライブでは旧型のレガシィとアテンザしか見かけませんでした。現行のレガシィやアテンザは日本を走るGTカーとしては、少々サイズが大きくなり過ぎてしまったという意見もあるようです。しかしマツダ・スバル・日産の世界最高レベルのハンドリングを持ってすれば、「通行注意」の林道だって余裕で走れますよ。


関連記事
「アテンザとBMW3シリーズ〜彼と彼女のクルマ選び・その1」
「アテンザの社会的機能性・その1」

2013年10月9日水曜日

つまらないD/EセグセダンがCセグに負ける日

  同じブランド内での競争で一番多いのが中型車のD/EセグとCセグの争いだと思います。スバルのレガシィとインプレッサ、マツダのアテンザとアクセラ、BMWの3と1、メルセデスのCLAとAさらに番外編としてトヨタのSAIとプリウスあるいはカムリとオーリスといったところでしょうか。価格面で有利なCセグに対し、D/Eセグがどれだけ魅力で上回れるかという「綱引き」なのですが、最近では競争が激化しているCセグの方が優勢というケースが多くなっています。

  D/Eセグが威厳を示せているのがスバルのレガシィくらいであとは、Cセグの方が走りも良くて・・・なんていう状況に陥っているようです。アテンザはとりあえずテコ入れを待たないとアクセラには対抗できない!とは言い過ぎかもしれませんが、価格差はわずかにもかかわらず、軽量な1.5Lと楽しみなHVを持つアクセラに現状では大きなアドバンテージがあります。D/Eセグの中ではひと際光る存在感を持っていたはずのアテンザが、Cセグのアクセラに歯が立たないとなると、いよいよD/Eセグって何なの?という気もしてしまいます。

  「ラグジュアリーでない、走れない、古くさい」こそがD/Eセグだと言われてしまったら否定できないですね。「コストを掛けないで作る一番大きいクルマ」というのも当たっていると思います。ゆえにマツダ、スバル、VWといった大衆ブランドはこれより大きいクルマを作らないのでしょう。こんなクルマは一度地獄に堕ちろ!

  そんな深刻な状況に陥っているD/Eセグの中で「ラグジュアリーで、走れて、新しい」という異端的な存在と言えるのがレクサスIS350じゃないかと思うのですが、乗り出しで600万円を超える価格設定からしてそもそもこのクラスの「異端」ではあります。もしアテンザもレガシィも600万円という価格が許されるなら、どれほど進化できるのか?という興味はありますが、おそらく実現はしないでしょう。

  一方でCセグはというと、「宣伝費をかけずに売ることができる一番小さいクルマ」と言えます。メルセデスやBMWなどのプレミアムブランドが参入したことで、クルマの作りの良さが厳しく見られるようになりました。世界市場で流通するCセグを比較した特集などを見ると、メルセデスが一番騒音が酷いという結果が出たりしています。それでも各社アイドリングで60デシベル前半に収まっていて、これはクラウンとほぼ同水準です。また各ブランドはできるだけ性能に影響しないように、上手にコスト削減を図っている様子が伺えます。

  FF車はD/Eセグになると旋回半径が大きくなるなどのデメリットが目立ちますが、Cセグでは大勢に影響はなく、ハンドリングも同等に作り込めば、Cセグの方が有利になります。結局のところD/Eセグがはっきりと有利な点は、「キャビン容積が大きい、サイドのデザインが美しい、直進安定性が高い」の3点くらいになってしまいます。この中でさらなる付加価値が出せるとすれば、サイドデザインかな?という気がします。ショートストロークボクサー4気筒にDITターボの高性能ユニットとともにハイレベルなハンドリングとブレーキを備えるレガシィに抜群のサイドデザインが加われば、とても良いクルマになりそうではありますが・・・。

  
   ↓ゴルフ7の長所は「静粛性」で短所は「ブレーキ」だそうです。
  

2013年8月14日水曜日

日本車と言えば「峠セダン」

  日本メーカーで開発を手がける人々はどんなことを考えてクルマを設計しているのか? ちょっと偉そうだが、これが感じられなければ日本車の良さなんて一生解らないだろう。日本の自動車評論家の全部とは言わないが、多くは日本の新型車が出れば必死で粗捜しをし、輸入新型車には諸手を挙げて大絶賛する傾向が見られる。これは彼らの多くが日本の「流儀」というものにまったく疎いからじゃないかと思う。

  多くの評論家の文章を読むと、そこには根本的な勘違いがあるように感じるのだ。彼らにとって日本の公道を法定速度で走ることよりも、クローズドなコース(サーキットなど)で走ることの方が大前提として価値が高いと決まっているような気がする。自動車ユーザーの多くはサーキットなんて行かないのだから、ニュルブリックリンクのタイムがどうだとこれ見よがしに書くことに何の意味があるのだろうか?

  その一方で日本の開発者はバカではないから、日本の「流儀」でクルマを粛々と作り続ける。それを勘違いした評論家(プロアマ問わず)がドイツの基準であれこれ批評するという悲しい構図がそこにはある。それでも開発者の想いは、そのクルマに脈々と受け継がれ、多くの日本車ファンへ届いている。評論家など媒介せずともスカイラインにもレガシィにもアテンザにもファンはたくさん生まれる。

  レクサスLSや日産GT-Rは素晴らしいクルマだ。この2台はそれぞれのジャンルで間違いなく世界最高のクルマだ。トヨタと日産は評論家による「ドイツ式ルール」に負けることなく、ドイツの流儀で最高のクルマを作ってしまったのだから。ここまで完璧なクルマを作られたらどれだけ無知蒙昧な評論家達もグウの音も出ない。

  日本の道をこよなく愛し多くの国道を次々と走破していくクルマ愛好家からみれば、この2台は「異形」の日本車として戸惑いを持って受け止められる。こんなヘビーなクルマじゃ日本の峠は下れないからだ・・・。あくまでGT-Rはドイツ的なアウトバーン&サーキット文化のクルマであり、LSはアメリカ的なハイクラス「応接間」カーでしかない。

  日本メーカーは他国の流儀でも最高のクルマを作ることができるわけだが、果たしてドイツ車やアメリカ車の中で日本の流儀で高い評価が得られるクルマがあるのか? 今のところそれに該当するようなクルマは見当たらない。ただ今後出てくる可能性は否定できない。

  今ドイツ車は大きく変革の時を迎えている。かつてはアウトバーンを250km/hで疾走できる高性能車がドイツの代名詞であったが、今ではBMW320iやゴルフハイラインなどの最高速度は200km/h台前半に抑えられている。アウトバーンはかつてのような速度無制限区間が大幅に減少していて、その区間であっても混雑で250km/hで走る機会はほとんど無くなっているからだ。

  最新のドイツ車の最大のキーワードは「日本車のように軽く」のようだ。その為にBMWもメルセデスもFR設計に拘らなくなり、軽量でパワーが出る直4ターボの高出力化に血道を挙げている。車重も1500kgを下回るものが次々と現れていている。ハンドリングやサスがさらに日本車のレベルに迫ってくれば、いよいよドイツ版の峠セダンが完成する日も近いだろう。メルセデス・BMW・アウディの目線の先には、日本を代表するスポーツセダンの「ランエボ」があるようだ。

  改めていう必要もないが、ランエボもまた日本車の「宝」だ。日本的な価値観のまま欧州にその存在を認めさせたクルマで、その地位はポルシェのスポーツカーに勝るとも劣らないほどだ。ドイツ人の価値判断は実利に大きく基づいているようで、アウトバーンでポルシェと同等の走りをするランエボが評価されるのは当然と言える。ポルシェもまたアウトバーンのみならず、日本の峠でも大活躍できるポテンシャルを持った希有なドイツ車だ。BMWやメルセデスのように家の前に置いておくくらいしか使い道がないクルマとは違うのだ。     (長くなったので次回に続けます)



  

  

  

2013年7月27日土曜日

前評判がいまいちなアコードHVも好調な滑り出し!


  ホンダーカーズの担当者も最初からほとんど期待していなかったようですが、アコードHVが好調なスタートを切ったようです。アテンザ・クラウン・ISに先を越され、発売前からカムリHVの二番煎じと揶揄され、評論家からの評判も今ひとつだったのですが、フタを開けてみれば・・・と言ったところでしょうか。

  「絶対に売れる」と言われたゴルフと「絶対に苦戦する」と言われたアコードHVですが、それはあくまで専門家の「ミクロ」な分析に過ぎなかったようです。結局はお金を持っている都市部の人々にとっては、ゴルフやアコードといった車名よりも、ハッチバックとセダンのどちらに希少性を感じるかといった「マクロ」な判断がアコードHVの予想外の健闘の大きな要因になっているように感じます。

  ちょっと言葉が悪いですが、服装も髪型もメチャクチャで、センスの悪そうな中年のカーライターが熱心に特定のクルマをゴリ押しすればするほど、クルマの魅力なんて剥がれていってしまうのではという気さえします。若い世代からしてみたら、バブル期のノリだけでライターになってしまったイタいオッサン達が「君たちにはこのクルマがピッタリだよ!」なんて言ってきたら、気味が悪くて逃げ出したくなるはずです・・・。

  別にオッサンライターに限ったことでなく、そもそも「クルマを奨める」って行為は相当に信頼関係がないと成立しないのかなという気がします。私がブログでインプレッサやアテンザをいくら褒めたところで、それを読んでに買いたいと思う人はやはり稀だと思います。

  ちょっと話がそれましたが、要は評論家がゴリ押しするクルマはろくでもないものが多いということです。そして始末が悪いことに、本当に良いクルマが登場するとなぜか多くの評論家は不思議とアンチに回ります(ライバルメーカーにお金貰ってるのかも?)。実際に新型アテンザや新型レクサスISに対しては非常に辛辣な意見が多かったです。この2台は日本車の印象を根こそぎ変えてしまうほどのインパクトがありどちらも歴史的な1台になる予感があるのですが・・・。そして同様にこの新型アコードHVもデビュー前からなぜかやたらと冴えないレビューが多いようです(トヨタの圧力か?)

  写真やホンダカーズに停まっている実車を見る限りだと、内装・外装ともに非常に魅力的に見えます。こんな呑気なことを書いていると「乗らなきゃわからねーよ」といったコメントを頂戴したりします。確かに中古車を買う時はそうかもしれませんが、アコードのようなフラッグシップモデルを新車で買うならば、同クラスのセダンの経験があるならば試乗はあまり重要ではないと思います。確実に言えることは、ホンダのこのクラスのクルマなら「酷い」ということはないはずです。同時にスポーツカーではないので、「最高」ということもないです。

  プロライターのレビューなんて基準は極めて曖昧なものでほとんど参考になりません。それ以上に自ら短時間の試乗をしたところで相当な経験値がない限りは良し悪しは皆目検討もつかないでしょう。一番確実な方法は、自分の頭で考えることだと思います。休日に楽しくドライブしたいならドライバーズカーとして定評のあるメーカー(スバル・マツダ・ポルシェ・BMW)を念頭に、峠を走るなら軽いクルマ、高速を走るなら馬力のあるクルマといった要領で選べばいいのではないでしょうか?

  

2013年6月17日月曜日

トヨタが作った入門車 カムリHV

  はじめに・・・本ブログ記事では、
「入門車」⇒2~2.5LのNAのDセグセダン 
「中級車」⇒3.0~3.7LのNA/ターボのD/Eセグセダン 
「上級車」⇒V8以上のエンジンを搭載した高級モデル
と独自の(勝手な)クラス分けを用いています。ご了承ください。
 


 

  トヨタが「若者のクルマ離れ」を抑止するために、150万円で買えるスポーツカーを開発していると盛んに報じられています。別にそんなもの作らなくても、今年FMCを迎える北米版のカローラをそのまま持ってくれば、みんな満足して買ってくれるのではという気もします。トヨタがなんでそれをしないのかは、ハッキリは分かりませんが、恐らく「カッコいいカローラ」を出すと、若者ではなくてお年寄りが一気に群がってしまってしまって、トヨタの利益を押し下げてしまうことを危惧しているようです。

  じゃあなぜアメリカでなら発売できるのか? それは完全にトヨタの北米販売ではカローラより「カムリ」がたくさん売れるからだと思います。2011年に現行のカムリがハイブリッド仕様のみとなって日本に導入されたとき、トヨタブランドの大衆車のイメージを変えるほどの(違和感を感じるほどの)完成度の高さでした。当然ながら評論家は面食らったように絶賛の嵐で、ちょっととしたブームを巻き起こしていました。それももう遥か昔の話で、現在のトヨタの「押し」はクラウンやレクサスISにシフトしてしまっています。今思えば、2年前のカムリHVの投入は「日本のクルマ文化」を変えるほどのポテンシャルがあったのではという気がします(見事にそのチャンスを逃しました・・・)。

  当時、私は国産で新車(Dセグセダン)の購入を考えていたので、このクルマについてもいろいろと調べました。その結果「トヨタが大して値引きをしない」くらいしかネガティブな要素がなく、堂々の第2候補になっていました。トヨタのミドルサイズセダンは他にもいくつかありますが、マークXはクラウンゆずりのシャシーを使っているとはいえ、アピールできるポイントが見当たらない(クルマとしての魅力が乏しい)し、プレミオではスペック面で入門車にもならない(論外)と感じました。その中でカムリHVはマークXの2.5Lの「なんちゃってV6」エンジンを軽く上回る「加速性能」と「燃費性能」を持っていて、さらにスタイリングもいいし、居住性も高い。その段階で入門車としてのマークX(2.5LのNA)は消えてしまいます。

  日本よりもディーラーのしがらみがなく(?)、ユーザーの年齢層も低いアメリカで各国のライバルを押しのけて売れているトヨタ車なのだから、クルマとしての実力は世界トップレベルです(韓国COTY受賞という快挙もありました)。当然ながら様々な面で国内専用のマークXよりも合理的で優れているクルマになります。日本ではなぜかマイナーですが、北米では韓国車やドイツ車を寄せ付けない強さを誇っています。

  トヨタはもっとこのカムリHVを日本の若者にしっかり売る努力をしたらいいと思います。アメリカでも韓国でも絶賛されている、これだけの「いいクルマ」が日本ではマイナーな存在に留まっているから、結局のところトヨタ車の良さが伝わらないし、レクサスやクラウンの購買層の土壌も育たない気がします。私自身も最終的にはマツダのアテンザに軍配を挙げましたが、国産の2番手のクルマとしては「レガシィ」や「アコード」よりむしろ「カムリ」い強い魅力を感じていました。

  ただもう発売から2年が経過してしまい、日本市場にHV専用モデルとして売るというコンセプトは、ライバルの新型「アコード」や次期「ティアナ」にも完全にパクられています。さらに新型アテンザがディーゼルターボで大きく燃費を伸ばしたことで、このクラスの主役を奪いつつあります(シェアを考えるとマツダ車がトヨタ車に勝つのはよっぽどのことです)。このクラスの国産セダンの「突然変異」は国内市場の不人気というのもありますが、このカムリHVが「引き金を引いた」格好になっています(トヨタとしては珍しく先駆けましたが・・・)。

  もしかしたら、この状況はトヨタが望んだ展開なのかもしれません。2年前に発売してみたら予想外の大反響を呼び、そこで初めてカムリに使っている「直42.5LのHV」というシステムが「カネになる」ということを迅速に嗅ぎ分けて、プロモーションをトーンダウンさせた(?)。そしてクラウンとレクサスISの次期モデルの主力ユニットとして投入を決めたようです。ある程度のステータスを求める年配のトヨタユーザーにとってはカムリHVは「いいクルマだけど、もうちょっと高級に仕上げてほしい」という要望があったらしいです・・・。そこでトヨタは高齢者向けへの展開を第一に考えてしまったのでしょうか? 結局はバブル時代を忘れられない高年齢層の価値観が日本のクルマ文化の健全な発展の障害になっている気がします。

  アクアは北米価格と日本価格がほぼ同じ(日本の方が安い)に設定されていますが、カムリHVは50万円以上も日本の方が高く設定されています(だから日本ではアクアが売れるのは当然です)。トヨタにはぜひ、この傑作車「カムリHV」を北米価格で日本でも発売してほしいと心から思います。カムリHVが250万円〜になれば、「クルマ離れ」に対して強烈な特効薬になるはずなのですが・・・・。


↓「加速&燃費&スタイル&居住性」でマークXを一蹴。北米ベストセラーはさすがです。




  

  

2013年6月10日月曜日

「クオリティ3BOXカー」の入門車はどれがいいのか?

  日常生活でクルマはまったく要らないのだけど、より豊かな人生を送るためにはクルマはあったほうがいいと私は思います。さらにせっかくクルマ買っても、コンパクトカーでは出かけていくのが気まずいような場所もたくさんあります(スーパーに買い物に行くだけのクルマなんて要らないです)。できれば最大限に行動半径を広げられるクルマを選びたいと思うのですが、日本市場のラインナップを見渡すと「最初のクルマ」に適した1台がとても少なくて困ってしまいます。

  30代にもなると、それなりの場所(やや高級なホテルや商業施設)にも出入りするようになったりするので、ホンダフィットやトヨタカローラフィールダーという訳にはいかなかったりします。クルマ雑誌が表立ってこういった話をすることはほとんどないですが、現実問題として(ある程度稼いでいる)若者の多くが、「華やか」なデートに憧れてもそれをイメージできる日本車に巡り会えず、仕方ないに入門グレードの輸入車やレクサスを買うことが多いのではないかと思います。しかしそれでも賢明な若者の中にはレクサスCTやBMW1シリーズにはまったく納得できず、結局クルマなんて持たなくていいという決断をする人も居るでしょう(そしてクルマ離れが進んでいきます)。

  20代を「馬車馬」の如く働いた若者(アラサー)なら、400万円程度のクルマを新車で買う事はたいして難しいことではないと思います。そんな若者には「プレミアムCセグメント」などではなく、「Dセグセダン」をぜひ入門車として選んでほしいです。国産の大衆車とはいえ40歳くらいまでなら、このクラスのクルマに乗っていても恥ずかしがる必要はないはずです。そして40歳までにはさらに上の「中級車」に乗れるようにさらなる経済的な活動を頑張ってほしいと思います。

  国産の大衆ブランドの中で「クオリティ3BOXカー」の入門車になる代表的なクルマは「日産スカイライン」「マツダアテンザ」「トヨタマークX」「スバルレガシィ」といったところでしょうか。いずれも2~2.5LのNAで150~200ps程度のクルマで、高出力車よりも故障が少なく、タイヤ摩耗も少なく済むのでランニングコストも割安です。150psといえどもスポーツモードATを使えば十分な加速も出来るので、馬力に頼らないクルマの効率的な運転が身に付きます。つまり最初の1台に最適で、信頼性の高い日本車でとても安心できるクルマです。最初から輸入車の故障地獄に見舞われて出費が嵩み、クルマ人生をドロップアウトするという人も少なくないようです。

  現行車種では「スカイライン」はモデル末期になっていて、今年FMCがありますが、どうやら3.7Lと3.5L+HVの2本立てになるようで、入門車の枠を飛び出し「中級車」になるようです。「マークX」と「レガシィ」もFMCから時間が経っていて、デザインにやや難があり気が進まなかったりするので、結局は国産では「アテンザ」くらいしか候補がないのが現状です。これでマツダブランドが気に入らなかったりしたら、輸入車しか選択肢がなくなってしまうのが残念です。

  ハイブリッド専用車になったトヨタカムリとホンダアコードとさらに今年のFMCでやはりHV専用になる日産ティアナも選択肢としてはあります。ただハイブリッド車なので性能以上に初期費用が割高なうえ、北米モデルがベースなので、ドイツ車に匹敵するスポーティな走りとなると、足回りやハンドリングがゆるく設定されていて、やや物足りない部分もあります(ハイブリッドがいいと言う人にとっては最良の選択ですが・・・)。

  20代・30代の若い世代にクルマを本気で売りたいと思うなら、メルセデスCやBMW3と同等以上の性能を持つをスポーツセダンを300万円以下で発売すればよいはずです。北米ではこのクラスのセダンは各メーカーともに2万ドル(200万円)で横並びで売られています(BMやMBは3万ドルちょっと)。マツダ以外のメーカーにもそろそろ本気になって作って頂きたいと思います。この「入門車」クラスが充実すれば、その上のクラスの国産車も輸入車に負けずに売れるようになるはずです。若者はクルマにお金をかけないと決めつけているようですが、一定割合の若者は社会的な成功を収めて、1000万円以上のクルマのオーナーになるでしょうから・・・。