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2013年11月5日火曜日

ちょっと待て!オデッセイ・アブソリュートだけかよ!


  ホンダの日本市場ラインナップは大変失礼ながら、数年前から「カオス」の状態になっているので、いまさら何とも思わないですが、新型オディッセイが発売されて改めて「なんじゃこりゃ」と思ってしまいました。ミニバンにはなかなか興味が向かず、そのパッケージには全く疎いので、良し悪しはなかなか解らないのですが、トヨタの2代目アルファード/ヴェルファイアがかなり熱狂的に支持されるのは解る気がします。そしてホンダもこの流れに便乗して、自慢の「BMWのような走りの・・・ミニバン」ことオディッセイをアルファードにぶつけてきました。なるほどそっくりですね・・・。

  ライバルのトヨタ勢の主力となっている「中国製」の2.4L直4エンジンに狙いを定めて、日本では未発売となっていたホンダ渾身の新型エンジンを乗せてきました。トヨタはベースグレードのエンジンは「テキトー」に作る主義なので、ブレイドなどにも使われた「汎用」直4エンジンの出来はお世辞にも褒められたものではありません。安さとパッケージの良さだけでクルマは売れてしまっていますが・・・。

  ホンダは最新鋭エンジンを投入して、走行性能でアルファードを圧倒しようという狙いが見えます。トヨタもノア/ヴォクシーのハイブリッド化で対抗することが予想されますが、オディッセイにはアコード用のHVを積もうなどとは考えていないようです。なかなかの「猪突猛進」っぷりで、ホンダらしさというべきなんでしょうか。

  ホンダがこのオディッセイの最大の売りにしているのが、2.4L直4の同排気量ながらエンジンのメカチューンによって2種類のスペックを作っていることです。「アブソリュート」と呼ばれるグレードに搭載される190ps発生のエンジンは、北米でセダンの頂点に返り咲いた現行アコードに搭載されているものです。北米でも直4エンジンが載るミドルセダンが燃費ではなく、フロントの「軽快さ」から選ばれるようになってきました。

  いわゆる、「欧州化」といわれる現象で、GM・クライスラー・フォードが欧州セダンの技術を持ち込んだミドルセダンで売上を伸ばしています。フォードのフュージョンやキャデラックのATSなどが高い評価を受けていて、その先頭を走るのがアコードなんですが、日本で生産しているくせに、なぜか日本で発売しないという「残念」なことをホンダはしてくれています。なんでオディッセイだけにしか、その優秀なエンジンを積まないのか?まったく理解できません・・・。


2013年9月23日月曜日

スポーツセダンはもはや死語か?

  セダンが史上最高に「スポーツ」だった時期はいつだったでしょうか? 2000年頃のホンダ・アコードやトヨタ・アルテッツァはセダンとスポーツカーの2つの魅力を備えた名車だったように思います。相反する2つの要素を両立させると当然に、スポーツカーでもないし、セダンでもないという手厳しい意見が評論家からも当然出ました。それでもアコードは海外では「ファミリーカーの枠を超えた走り」と絶賛されました。

  私の周りにいる人々に聞く限りだと、当時のアコードはカッコ良くて、速くて最高の入門車だったいう意見が大勢です。5ナンバーサイズで峠も市街地も楽々で、エンジングレードも細かく分かれて1.8L、2.0L、2.2Lと直4にとってベストなサイズに3グレード設定!さらに「ユーロR」という高出力モデルもある!このクルマのコンセプトを維持したまま、今の水準に叩き直して発売すれば大ヒットしそうな予感です。

  なんでこういう魅力的なクルマが現行モデルに無いのか? 当時はFRのドリ車が大人気でFFなんて興味ないという人が多くて、ホンダとしては目論み通りのヒットとはいかなかったようです。このアコードはどうも世に出るのが早過ぎたようです。それにしてもホンダの日本市場における中型車の出し渋りぶりは異様です。なんでシビックを売らないのかも理由がわかりません。アコード・シビック・インテグラが築いてきた輝かしい中型車の栄光は今のホンダのラインアップには全くと言っていいほど残っていません。

  トヨタのアルテッツァの系譜はレクサスISへと受け継がれました。ただスポーツと言えるグレードは最上級のIS350のみで、未だにスポーツセダンと称されることがありますが、「高級サルーン」にスポーツグレードが設定されているといった方がしっくりきます。「Fスポーツ」という紛らわしいグレード名がありますが、これは外装以外で主な付加装備は「可変ダンパー」です。これは簡単に言うと、「トヨタ=ジャーマン」切り替えスイッチと言えるもので、日本において絶対的な地位になってしまった感のあるドイツ車の足回りをスイッチ一つで体験できますよ!という機能です。

  この機能を「ノーマル(トヨタ=モード)」にしておけば、静粛で突き上げを極限まで吸収した滑らかなトヨタが誇る乗り味が得られます。これを「スポーツ(ジャーマン=モード)」にすると、サスの剛性が上がり突き上げのショックは多くなりますが、安定性が飛躍的に向上し高速走行での恐怖感が減ります。まあ「どっちもいいでしょう?」ってのがトヨタの言い分なのでしょうが・・・。

  結局のところ現行のISのスポーツ性を追求したIS350は、アルテッツアというよりアリストに近いという意味で、「スポーツセダン」と称されるのだと思います。スポーツセダンには大きく分けて、コーナーリング性能に優れるタイプと、最高速に優れるタイプの2種類あります。前者がアルテッツァで後者がアリストです。どちらも4ドアセダンという不利な条件を背負ってもなお、ファミリーカーを超越したスポーツ性を誇っていました。それでも悪意溢れる評論家によってアルテッツァは「パワー不足」などと断罪されるという愚かな歴史の上に出来上がったのが、今の日本のクルマ文化だったりします。

  スポーツセダンに対する二種類の定義を曖昧にしたまま、評論家の都合に合わせてスポーツセダンを論じてきた結果が、日本車の価値を著しく毀損していきました。その一方で「速くもなければ曲がれもしない」「重くてガッチリしただけの」ワケのわからないドイツ車が「スポーツセダン」としての理想に近いという「風潮」「風説」が成立したことは日本のカージャーナリズムにおける最大の不祥事だったと思います。

  2000年当時はアコードは「ファミリーカー」でしたがその枠を超えた「走りのクルマ」と評されました。しかし現在ではSUVやミニバン、コンパクトカーが溢れる中でアコードの属する中型セダンは「速くて当たり前のクルマ」と見做されています。ファミリーカーの枠を走りで超えられないセダンなんてとっくに絶滅してしまいました。よって現在ではあえて「スポーツセダン」と呼称することに違和感を感じます。BMWもメルセデスもさりげなく1.8Lや2LのNAモデルを日本に持ち込むのを止めました。ホンダやマツダの中型車向けNAエンジンに比べたら、「ウルサくて回らないガラクタ」に過ぎないドイツのエンジンでは、もはや日本でセダンとして販売することは事実上不可能になりました。

  「セダン」は日本や欧州ではもはや「ファミリーカー」ではなく「高性能車」であり、その評価はGTカーとしてどれだけ高いレベルにあるか?に一元化されつつあるように思います。スポーツセダンと呼称されるレクサスGS・ISですが、LS460より走行性能が優れるかというとそうではありません。トヨタの「スポーツ」って何なの?という気がしなくもないです。ホンダはそういう状況をシニカルに見ているようで、新たなる分野の「ファミリーカー」の「スポーツ化」に熱心に取り組んでいるようです。オディッセイ、ストリーム、フィットといったクルマこそ「スポーツ」の名が相応しいのかもしれません。

  

  


  


  

  

2013年6月10日月曜日

「クオリティ3BOXカー」の入門車はどれがいいのか?

  日常生活でクルマはまったく要らないのだけど、より豊かな人生を送るためにはクルマはあったほうがいいと私は思います。さらにせっかくクルマ買っても、コンパクトカーでは出かけていくのが気まずいような場所もたくさんあります(スーパーに買い物に行くだけのクルマなんて要らないです)。できれば最大限に行動半径を広げられるクルマを選びたいと思うのですが、日本市場のラインナップを見渡すと「最初のクルマ」に適した1台がとても少なくて困ってしまいます。

  30代にもなると、それなりの場所(やや高級なホテルや商業施設)にも出入りするようになったりするので、ホンダフィットやトヨタカローラフィールダーという訳にはいかなかったりします。クルマ雑誌が表立ってこういった話をすることはほとんどないですが、現実問題として(ある程度稼いでいる)若者の多くが、「華やか」なデートに憧れてもそれをイメージできる日本車に巡り会えず、仕方ないに入門グレードの輸入車やレクサスを買うことが多いのではないかと思います。しかしそれでも賢明な若者の中にはレクサスCTやBMW1シリーズにはまったく納得できず、結局クルマなんて持たなくていいという決断をする人も居るでしょう(そしてクルマ離れが進んでいきます)。

  20代を「馬車馬」の如く働いた若者(アラサー)なら、400万円程度のクルマを新車で買う事はたいして難しいことではないと思います。そんな若者には「プレミアムCセグメント」などではなく、「Dセグセダン」をぜひ入門車として選んでほしいです。国産の大衆車とはいえ40歳くらいまでなら、このクラスのクルマに乗っていても恥ずかしがる必要はないはずです。そして40歳までにはさらに上の「中級車」に乗れるようにさらなる経済的な活動を頑張ってほしいと思います。

  国産の大衆ブランドの中で「クオリティ3BOXカー」の入門車になる代表的なクルマは「日産スカイライン」「マツダアテンザ」「トヨタマークX」「スバルレガシィ」といったところでしょうか。いずれも2~2.5LのNAで150~200ps程度のクルマで、高出力車よりも故障が少なく、タイヤ摩耗も少なく済むのでランニングコストも割安です。150psといえどもスポーツモードATを使えば十分な加速も出来るので、馬力に頼らないクルマの効率的な運転が身に付きます。つまり最初の1台に最適で、信頼性の高い日本車でとても安心できるクルマです。最初から輸入車の故障地獄に見舞われて出費が嵩み、クルマ人生をドロップアウトするという人も少なくないようです。

  現行車種では「スカイライン」はモデル末期になっていて、今年FMCがありますが、どうやら3.7Lと3.5L+HVの2本立てになるようで、入門車の枠を飛び出し「中級車」になるようです。「マークX」と「レガシィ」もFMCから時間が経っていて、デザインにやや難があり気が進まなかったりするので、結局は国産では「アテンザ」くらいしか候補がないのが現状です。これでマツダブランドが気に入らなかったりしたら、輸入車しか選択肢がなくなってしまうのが残念です。

  ハイブリッド専用車になったトヨタカムリとホンダアコードとさらに今年のFMCでやはりHV専用になる日産ティアナも選択肢としてはあります。ただハイブリッド車なので性能以上に初期費用が割高なうえ、北米モデルがベースなので、ドイツ車に匹敵するスポーティな走りとなると、足回りやハンドリングがゆるく設定されていて、やや物足りない部分もあります(ハイブリッドがいいと言う人にとっては最良の選択ですが・・・)。

  20代・30代の若い世代にクルマを本気で売りたいと思うなら、メルセデスCやBMW3と同等以上の性能を持つをスポーツセダンを300万円以下で発売すればよいはずです。北米ではこのクラスのセダンは各メーカーともに2万ドル(200万円)で横並びで売られています(BMやMBは3万ドルちょっと)。マツダ以外のメーカーにもそろそろ本気になって作って頂きたいと思います。この「入門車」クラスが充実すれば、その上のクラスの国産車も輸入車に負けずに売れるようになるはずです。若者はクルマにお金をかけないと決めつけているようですが、一定割合の若者は社会的な成功を収めて、1000万円以上のクルマのオーナーになるでしょうから・・・。