暮れも差し迫ってお正月直前モードになったようで、東京西部の街中を走るクルマが様変わりしてきました。メルセデスが相次いで発売したAクラスとCLAクラスがやたらと多く感じます。私のクルマセンサーにはミニバン、SUV、軽、プリウス、アクア、インサイトなどはトラックやバスと同じ扱いで全く引っかからないので、普段は街中の9割のクルマには関知していないのですが、12月30日はその割合が7割くらいまで下がった印象でした。
東京の人はクルマに関心が薄いのは確かなのですが、1300万人以上の母集団ですから少数派のクルマ愛好家が休みの日にコこぞとばかりに繰り出せば、道路はなかなか華やかになります。100円ショップから出てくるボクスターなんてのもお茶目なオッサンが普段着で乗ってればなぜか許せてしまいます。きっと「外国製品」がとってもお好きなんでしょうね。
前々から気がついていたことなのですが、マクドナルドのドライブスルーには高級セダンが結構並びますが、スターバックスのドライブスルーにはミニバンやSUVが多かったりします。単純にお年寄りはマクドナルドが大好きというだけなのですが、まあイメージとは逆のクルマが集まってしまうようです。
さて本題ですが、やはり日本人はとても慈愛の精神に富んでいて、恩を受けたら必ず返そうという懐の深さを年の瀬にまざまざと感じました。トヨタ86が欧州でも大反響を持って迎えられました。マジメに作った日本車がキチンと受け入れられたことは、これまで日本メーカーが築いて来た信頼の賜物なんでしょうけど、日本人として密かに世界に対して持っていた不信感が薄れると同時にとても喜ばしいことだと思います。
クルマが売れないご時世にあえて日本車を歓迎してくれた欧州メーカーのボス的存在のメルセデスは、86とは全く別のアプローチながら同じような目的で使えるCLAを「86へのレスポンス」かどうかは分かりませんが、導入してきました。ベースグレードならば価格帯もほぼ同じで、これにマツダのアテンザもほぼ同じ価格で発売されていますから、この3台が目下のところよく売れているようです。
86とアテンザのパッケージはどのクラスのクルマと比べてもかなり説得力があり、トヨタとマツダがそれぞれに魂を込めて作った感じが伝わってくるスピリッチュアルさも魅力です。それにくらべてメルセデスとはいえブランド最底辺のAクラスと共通設計でありながら、どこか貴族趣味を感じさせる滑稽さが鼻に付くCLAは、恥ずかしながら偏狭な私の心には当初は全く響きませんでした。
まあ今でも響いているわけではないのですが、実際に初老の男性が笑顔でCLAを運転している姿を見て、「86を認めてくれたのだから、我々もCLAを受け入れようではないか!」といった博愛でリベラルな戦前の日本人的世界観が頭にふと浮かび清々しい気持ちになりました。もちろん笑顔に深みがある好々爺が乗ってこそのCLAであり、私などの未熟者が乗るのはやはり憚られるクルマだとは思いますが・・・。
2013年12月31日火曜日
2013年10月3日木曜日
これからのセダンは「普通」と「高級」の2パターン
世界のセダン、と言っても日米独韓の4カ国のメーカーが製造するセダンですが、にあった「暗黙」の基準が完全に変わってしまったようです。以前はメルセデスが打ち立てたDセグ/Eセグ/Fセグの3グレード体制が主流でしたが、欧州と日本でのセダン人気の後退によりDセグの販売が世界的に低迷した結果、北米向けに新たに開発されたDとEの中間のような「DEセグ」とラグジュアリーセダンとしての「Fセグ」の2グレードに変わりつつあります。
簡単に言うと「DEセグ」が普通のセダンで、「Fセグ」が高級なセダンです。普通のセダンといっても乗用車としては十分に高級な部類に入ります。イメージとしてはBMW5やメルセデスEと比較対象になるようなクルマです。最近ではカムリHVやアコードHV、アテンザなども十分にこのクラスで戦えるだけの「重厚感」をテーマに開発が行われていて、以前は「プレミアム」と「大衆」を隔てていた垣根がなくなりました。
レクサスISやインフィニティQ50(スカイライン)など、上のクラス(GSやフーガ)と共通のプラットホームなので、クルマの性格が多少変わる程度で多くの機能を共用しています。GSとISの違いは細かいところを見ればいろいろあるのですが、根本的なものとしてはハイブリッドモデルのシステムくらいじゃないでしょうか。もはやユーザーの好みの問題です。ちょっと厳しい言い方をすると、GSに「特別な高級感」はなく、ISに「スポーツの要素」はないです。どちらも「普通のセダン」の範疇を出ていません。
高級なセダンは一般の感覚からいうと「超高級」と言える1000万円クラスのセダンです。レクサスLS、Sクラス、7シリーズ、A8、パナメーラ、クワトロポルテ、ジャガーXJといったところです。一般的にV8エンジンを載せていそうなクラスなのですが、全グレードがV8という格式を保っているのは、意外なことに欧州車にはなく、レクサスLSのみです。最近ではV6ターボが多くなっていて、このクラスもいつまで「特別な地位」を保つことができるかは不透明です。
日本メーカーのセダンは、生き残りを懸けての大きな動きを世界に先駆けて見せています。アコードとアテンザが北米サイズになり、国内専用モデルであるはずのクラウンも釣られて大型化しました。そして今年新たにスカイラインも大型化するようで、実質的にフーガに近いクルマになるようです。レガシィも来年のFMCで晴れてDEセグメントの仲間入りをする見通しです。ドイツメーカーの動きはやや不透明です。Eセグに関してはサイズは同じかやや小さくなる傾向があり、Dセグ(3シリーズ・Cクラス)は大型化しているので、今後3と5あるいはCとEはどのように差別化が図られるのか、あるいは統合されるのかはまだ予想が付きません。
「普通のセダン」へと収束する動きは、やや思い込みもあるかもしれませんが、一般的に動きがモッサリしていて、ハンドリングはやや緩くなる傾向にあります。セダンの皮を被ったミニバンみたいな冴えないドライブフィールに堕することが、「普通のセダン」の宿命と思いたくはありませんが、ライバルとのコスト競争の中で、特に「運転補助システム」の開発に力が入れられてしまっていて、足回りやハンドリングの開発が不十分と評されるクルマが多くなっている印象です。新型アテンザも新型メルセデスEクラスもこの点が特に指摘されています。
BMWやマツダといったセダンに「ハンドリング」を最大の付加価値として与えてきたメーカーも、このサイズになってしまうとクルマの意味合いがどうしても変わってしまうようです。確かに車幅が増えてもハンドリングの精度と信頼性のおかげで、狭い道でもしっかりと「寄せる」ことができるBMWやマツダのクルマはアドバンテージがあります。ただ今後は北米市場に迎合する姿勢から「味」を失って、さらにバランスも失っていくのが想像できます。
FF車に平気でV6を積んでしまうという、まったくデリカシーの無い設計(失礼!)がまかり通ってしまう北米市場は、アルファロメオやスバル、マツダ、BMWのような中型スポーツセダンの得意なメーカーにとってはまさに「鬼門」です。スポーティとは真逆の「日産ティアナ」のようなクルマが幅を利かせる世界が、唯一の巨大セダンマーケットになってしまった悲劇的な状況を受け入れなければなりません。
簡単に言うと「DEセグ」が普通のセダンで、「Fセグ」が高級なセダンです。普通のセダンといっても乗用車としては十分に高級な部類に入ります。イメージとしてはBMW5やメルセデスEと比較対象になるようなクルマです。最近ではカムリHVやアコードHV、アテンザなども十分にこのクラスで戦えるだけの「重厚感」をテーマに開発が行われていて、以前は「プレミアム」と「大衆」を隔てていた垣根がなくなりました。
レクサスISやインフィニティQ50(スカイライン)など、上のクラス(GSやフーガ)と共通のプラットホームなので、クルマの性格が多少変わる程度で多くの機能を共用しています。GSとISの違いは細かいところを見ればいろいろあるのですが、根本的なものとしてはハイブリッドモデルのシステムくらいじゃないでしょうか。もはやユーザーの好みの問題です。ちょっと厳しい言い方をすると、GSに「特別な高級感」はなく、ISに「スポーツの要素」はないです。どちらも「普通のセダン」の範疇を出ていません。
高級なセダンは一般の感覚からいうと「超高級」と言える1000万円クラスのセダンです。レクサスLS、Sクラス、7シリーズ、A8、パナメーラ、クワトロポルテ、ジャガーXJといったところです。一般的にV8エンジンを載せていそうなクラスなのですが、全グレードがV8という格式を保っているのは、意外なことに欧州車にはなく、レクサスLSのみです。最近ではV6ターボが多くなっていて、このクラスもいつまで「特別な地位」を保つことができるかは不透明です。
日本メーカーのセダンは、生き残りを懸けての大きな動きを世界に先駆けて見せています。アコードとアテンザが北米サイズになり、国内専用モデルであるはずのクラウンも釣られて大型化しました。そして今年新たにスカイラインも大型化するようで、実質的にフーガに近いクルマになるようです。レガシィも来年のFMCで晴れてDEセグメントの仲間入りをする見通しです。ドイツメーカーの動きはやや不透明です。Eセグに関してはサイズは同じかやや小さくなる傾向があり、Dセグ(3シリーズ・Cクラス)は大型化しているので、今後3と5あるいはCとEはどのように差別化が図られるのか、あるいは統合されるのかはまだ予想が付きません。
「普通のセダン」へと収束する動きは、やや思い込みもあるかもしれませんが、一般的に動きがモッサリしていて、ハンドリングはやや緩くなる傾向にあります。セダンの皮を被ったミニバンみたいな冴えないドライブフィールに堕することが、「普通のセダン」の宿命と思いたくはありませんが、ライバルとのコスト競争の中で、特に「運転補助システム」の開発に力が入れられてしまっていて、足回りやハンドリングの開発が不十分と評されるクルマが多くなっている印象です。新型アテンザも新型メルセデスEクラスもこの点が特に指摘されています。
BMWやマツダといったセダンに「ハンドリング」を最大の付加価値として与えてきたメーカーも、このサイズになってしまうとクルマの意味合いがどうしても変わってしまうようです。確かに車幅が増えてもハンドリングの精度と信頼性のおかげで、狭い道でもしっかりと「寄せる」ことができるBMWやマツダのクルマはアドバンテージがあります。ただ今後は北米市場に迎合する姿勢から「味」を失って、さらにバランスも失っていくのが想像できます。
FF車に平気でV6を積んでしまうという、まったくデリカシーの無い設計(失礼!)がまかり通ってしまう北米市場は、アルファロメオやスバル、マツダ、BMWのような中型スポーツセダンの得意なメーカーにとってはまさに「鬼門」です。スポーティとは真逆の「日産ティアナ」のようなクルマが幅を利かせる世界が、唯一の巨大セダンマーケットになってしまった悲劇的な状況を受け入れなければなりません。
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