2013年12月31日火曜日

トヨタ86とメルセデスCLA・・・。

  暮れも差し迫ってお正月直前モードになったようで、東京西部の街中を走るクルマが様変わりしてきました。メルセデスが相次いで発売したAクラスとCLAクラスがやたらと多く感じます。私のクルマセンサーにはミニバン、SUV、軽、プリウス、アクア、インサイトなどはトラックやバスと同じ扱いで全く引っかからないので、普段は街中の9割のクルマには関知していないのですが、12月30日はその割合が7割くらいまで下がった印象でした。

  東京の人はクルマに関心が薄いのは確かなのですが、1300万人以上の母集団ですから少数派のクルマ愛好家が休みの日にコこぞとばかりに繰り出せば、道路はなかなか華やかになります。100円ショップから出てくるボクスターなんてのもお茶目なオッサンが普段着で乗ってればなぜか許せてしまいます。きっと「外国製品」がとってもお好きなんでしょうね。

  前々から気がついていたことなのですが、マクドナルドのドライブスルーには高級セダンが結構並びますが、スターバックスのドライブスルーにはミニバンやSUVが多かったりします。単純にお年寄りはマクドナルドが大好きというだけなのですが、まあイメージとは逆のクルマが集まってしまうようです。

  さて本題ですが、やはり日本人はとても慈愛の精神に富んでいて、恩を受けたら必ず返そうという懐の深さを年の瀬にまざまざと感じました。トヨタ86が欧州でも大反響を持って迎えられました。マジメに作った日本車がキチンと受け入れられたことは、これまで日本メーカーが築いて来た信頼の賜物なんでしょうけど、日本人として密かに世界に対して持っていた不信感が薄れると同時にとても喜ばしいことだと思います。

  クルマが売れないご時世にあえて日本車を歓迎してくれた欧州メーカーのボス的存在のメルセデスは、86とは全く別のアプローチながら同じような目的で使えるCLAを「86へのレスポンス」かどうかは分かりませんが、導入してきました。ベースグレードならば価格帯もほぼ同じで、これにマツダのアテンザもほぼ同じ価格で発売されていますから、この3台が目下のところよく売れているようです。

  86とアテンザのパッケージはどのクラスのクルマと比べてもかなり説得力があり、トヨタとマツダがそれぞれに魂を込めて作った感じが伝わってくるスピリッチュアルさも魅力です。それにくらべてメルセデスとはいえブランド最底辺のAクラスと共通設計でありながら、どこか貴族趣味を感じさせる滑稽さが鼻に付くCLAは、恥ずかしながら偏狭な私の心には当初は全く響きませんでした。

  まあ今でも響いているわけではないのですが、実際に初老の男性が笑顔でCLAを運転している姿を見て、「86を認めてくれたのだから、我々もCLAを受け入れようではないか!」といった博愛でリベラルな戦前の日本人的世界観が頭にふと浮かび清々しい気持ちになりました。もちろん笑顔に深みがある好々爺が乗ってこそのCLAであり、私などの未熟者が乗るのはやはり憚られるクルマだとは思いますが・・・。


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