2014年7月24日木曜日

クラウンアスリートは・・・伸び代がまだまだありますね。

  最近のセダンは「ボディの大型化」が待った無しで進んでいて、従来のセダンとはデザイン概念がかなり変わってきているように感じます。まず何より気にしなければいけなくなったのが「色」ですね。そもそも「色」で悩んでいるくらいだったら、ほぼ確実に後悔するので、購入はしばらく見送ったほうがいいかもしれません。もう絶対にこの「色」だ!と絶対に揺らがない「信念」が芽生えて初めてそのクルマに納得できると思います。

  ちなみに最近のセダンのベストの「色」を個人的に選ぶならば、
  マツダアテンザ  「ジェットブラックマイカ
  レクサスIS    「ソニックチタニウム
  ホンダアコードHV 「プレミアムスパークルブラックパール
  日産ティアナ           「ダイヤモンドブラック
  日産スカイライン   「HAGANEブルー
  ですね。とりあえずプレミアムセダン以外はとりあえずスマートに見える黒を選んどけ!という結論になってしまいました。

  そしてクラウンアスリートも「プレシャスブラックパール」が一番良く似合いますね。ただし国内専用車としてわりと保守的な造形のクラウンは、ほかのブラック推奨の車幅1840mmのセダンよりも細身でサイド面のキャラクターが乏しいので、メーカーオプションのサイドプロテクションモール(3万3600円)とサイドガーニッシュ(5万5650円)が必須かなと思います。実際にこれを装備している「プレシャスブラックパール」のアスリートが品があってメチャクチャカッコいいです。

  ただしトヨタはメーカーオプションにハマるともうアリ地獄みたいなもので、他のブランドでは用意されない魅力的なアクセサリーがたくさんあります。いくらメルセデスやアウディより安いからといっても、クラウンアスリート3.5G(591万円)で「高級感」「カッコ良さ」「走り」をすべて追求したら800万円なんてすぐに超えてしまいそうです。強化ブレーキパッドと強化ローター(これはカッコいい!)は外せないでしょうし、車体剛性が上がるメンバープレースや、純正スポーツサスペンションとスタビ・・・とりあえずこれだけで50万円。アスリートの最上級グレードならば全部標準で付けておいてほしいです。この点に関してはスバルのやり方が素晴らしいと思います。

  選ぶもの全部載せちゃえば、クラウンも6気筒のBMW5シリーズ(535i 902万円〜)と比べて価格差なんてあまりないわけですが、さすがにここまで仕上げればBMWのブランド力なんて全く気にならないくらいにクラウンアスリートに「心酔」できるんじゃないでしょうか。BMWが誇るパワーユニットと比べても、全くと言っていいほど遜色はないです。もともとBMWが使っていたアイシンAWの8ATが付いていて、トヨタが誇る3.5L・NAのダイレクトな高性能ユニットならば、BMWの代名詞である直6ターボにも負けない魅力があります。

  内外装のデザインや質感に関しては、もちろん好みもあるとは思いますが、全般的にクラウンの方が優勢じゃないか?という気がします。まああくまで一般的な基準での話であって、熟成されたBMWの上級シャシーに乗りたいという人には「535i」が一番納得できるでしょう。まあ何が言いたいかというと、レクサスやBMW、アウディ、メルセデスで高級セダンを買ってあれこれアクセサリーを付ければ、お金がいくら合っても足りないでしょうけど、トヨタブランドならば、国内専用車のクラウンを好きなだけカスタマイズするメニューが用意されていて、「エクステリア」「インテリア」「動力性能」のいずれもかなりの部分まで高めて、やっとプレミアムブランドのベース車と同じくらいの価格・・・これって結構凄いことだよね!ってことです。

  日産もホンダもそうですが、6気筒NAのスカイラインやアコードを残しておいて、トヨタのようなカスタマイズオーダーを受け付けるような売り方をしてくれれば、せっかくの基本性能が高いクルマの魅力がもっともっと引き出せるだろうにと思います。HV専用車にしてしまったら、かなりの部分で制約ができてしまいますし、どう弄ったところで静粛性が高いビジネスサルーンにしかならないですよね。これでは今後登場するポルシェやジャガーが投入を予告している刺激的なスポーツセダンに勝てると思っているのでしょうか?ジャガーXEはおそらく300万円台で殴り込みをかけて旋風を巻き起こすでしょう。

  もちろんトヨタの販売規模だからできるという意見もあるでしょうが、もともと付加価値が高い「高性能サルーン」を売るわけですから、販売方法はいくらでも改良できるはずです。マークXもフルエアロ使用のG'sでだいぶ息を吹き返した。今後は86ベースのセダンを発売する見通しらしいですが、スポーツカー86ともどもコンプリートカーなどの販売を含めて多様な売り方を織り交ぜて盛り上がってほしいと思います。


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2014年7月8日火曜日

新型レガシィ に込められたスバルの信念

  世界のどこかに必ずユーザーはいる!という宛の無い冒険の旅に出ている日本車セダンの中にあって、新型レガシィの「何もしない」という堂々たるFMCぶりにはちょっと驚きです。トヨタやホンダがセダンに相応しい乗り味と優れた燃費を両立させたハイブリッドを投入しましたが、アメリカでのHV販売比率は低水準のままでやや空振りに終わった感があり、何もせずに研究開発費を温存できたスバルに完全に「風」が吹いてはいますが・・・。

  いまやグローバル販売の7割をアメリカ市場に依存しているスバル。OEM生産しているトヨタカムリも前倒ししたMC&フェイスリフトが大成功し、2014年5月度の販売で大幅に躍進しなんと約50000台を売り上げました。カムリはバカ売れなのにレガシィB4はさっぱりで、レガシィ全体の8割くらいがアウトバック(クロスオーバー)のシェアになってます。いよいよVWを抜き去りアメリカ市場で絶好調のスバルもブランド全体ではまだまだ45000台/月程度にすぎず、カムリ1車種よりも少ないのが現状です。

  生産能力が限界にきていることもあり、さらに北米に新工場を建設して、低成長の時代に強気なまでの生産力増強に打って出たスバルとしては、日本市場よりも自動車の変化に対して保守的な傾向を見せるアメリカ市場を睨んだFMCと言えるのかもしれません。もちろんアメリカに生産ラインを新設するということは、政治的な意味合いもあって「アメリカの皆さんスバル車をよろしく!」というゴマすりとも言えます。

  そんな中で発売されるのが、誰が見ても「スバルは変える気がない」と読み取れる新型レガシィですが、やはりアメリカ雑誌「Car and Driver」もデザインに関しては「まったく面白みなし!」と切り捨てています。それでも現行レガシィは日本でこそ失速しましたが、アメリカでは大躍進を果たしているので、面白みなしだけどアメリカ人にはウケるスタイルではあるようです。最近好調なフォード・フュージョンだってデザインに関しては似たようなつまらなさを感じます(失礼)。スバルは政治的に暗躍しているので、クルマはやや保守的に仕上げつつも「アメリカ人が好むセダンスタイル」としてそれなりに自信を持っているようです。

  それにしても外見は日産のティアナによく似ていて、バッジを見ないとまず見分けがつかないほどです。ティアナを去年のFMC前に初めて見た時には、何とも言えない失望感がありました。東京MSで大混雑のGT-Rブースのとなりでほとんど相手にされずに新型ティアナ佇んでいたのを思い出します。正直言ってあのときもっと良く見ておけばよかったなと、今になって後悔していたりするのですが・・・。このティアナのデザインはなぜかテーマカラーになっている赤はどうもイマイチで理解できないですが、その一方で黒は全体がシャープに見えてなかなかいい感じです。ただし黒だとなんとなく緑ナンバーが似合いそうなタクシーっぽい雰囲気にはなりますが。

  ティアナやレガシィの予想外に保守的なデザインを見ると、マツダ・アテンザやレクサスISのような「キャッチー」なデザインを施したセダンに対して、日産とスバルはややシニカルな想いすら感じているのか?という疑念が湧きます。「渋く」「地味」に作ってこそ「セダン」であり、プレミアムブランドへ憧れるユーザーが持つバイアスを利用して注目を集めようとする「やり方」はクルマの本質を歪めるし、それに群がる「ミーハー」なユーザーに乗ってほしいとも思わないのかも・・・。少なくとも「ティアナ」はそういうクルマになったと思います。初代や2代目はどこか色気付いていましたが、3代目は「乗ればわかる」といった達観したような趣きが感じられます。

  そしてこのティアナにそっくりのデザインで登場する予定の新型レガシィですが、現行モデルも乗り味の良さには定評があり、「見た目は・・・だけど、乗ってみたらやはりスバルのフラッグシップ」と唸らせられるでしょう。新型もデザイン自体はアメリカを意識した「ジャパニーズ・セダン」の王道スタイルなのでしょうが、日本市場ではマツダ・レクサスの「派手な」デザインと対比されるように、日産・スバルの「芯のある」デザインが作り分けられていて、セダンユーザーにとっては選択肢があることは歓迎すべきことではあります。マツダやレクサスが見落としている大切なものに、日産やスバルのセダンから気がつくことがありそうな予感です。とりあえず日本版の発表が楽しみで仕方がないです。


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