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2015年1月31日土曜日

レジェンド・アテンザ・レガシィ 日本のセダン天晴れ!

  日本ではセダンが「乗用車の基本形」という立場で見られなくなって久しいです。昔は各メーカーからマーク2・クレスタ・チェイサー・ヴェロッサのように共通設計のいわゆる兄弟車がたくさん出ていましたが、最大手のトヨタを見ても4つの販売チャンネルからそれぞれ違う車名を冠したセダンが出てくるなんてことはなくなりました。またトヨタと日産が国内市場でセダンを重要視していたころは、両メーカーを代表するモデルがやたらと似通っていたのも完全に昔の話で、現行モデルのクラウンとフーガは遠くから見てもハッキリと違いが解ります。トヨタ以外のメーカーのセダンは全てグローバルモデルになっていて、特に高級モデルはドイツ車に負けないような力強いフロントマスクを持つものが増えています。

  トヨタのクラウンも今では完全に中国向けの主力セダンとして生まれ変わっていて、次期MCでは2Lターボ車の発売が噂されています。新たな主戦場となる中国では現地生産されるターボチャージャー搭載の欧州メーカー車が圧倒的な人気を誇っているようで、苦戦する日本メーカーも販売のてこ入れのために何らかの対応が迫られています。日本車と言えば静かなNAエンジンが海外でも高い評価をされてきましたが、中国市場は他のどの主要市場よりも小排気量ターボの人気が高いようです。もはやドイツ・フランスといった極めて合理的な経営をする国々のメーカーでは、中国でいかに稼ぐか?がメーカー存続のために必要で、メーカー群が徒党を組んでステマを展開し、ターボと小型SUVというブームを中国へ持ち込んだ格好です(どちらも儲かる!)。日本勢の勢いは完全に削がれてしまった結果、簡単にまとめるとスタイリッシュな小型SUV・小型セダンでホンダ・スズキ・マツダが勝負し、取り急ぎターボチャージャーを調達してプレミアムカーを売ろうとしているのがトヨタ(レクサス)と日産(インフィニティ)です。

  2Lターボ車なんて全く興味ない!という日本の生粋のセダンユーザーにとっては、中国市場の動向による利益のない影響が日本へと大きく及ぶのは由々しき事態といえます。ほんのつかの間かもしれませんが、そんな人々の溜飲を下げさせてくれるのが、マツダ・アテンザのMCとスバル・レガシィのFMC、そしてホンダ・レジェンドの日本市場復活です。レガシィとレジェンドに関しては北米市場で育まれた背景を持ちますが、ドイツ車のような2Lターボで即席の安っぽい乗り味が作られるのに比べれば、マツダ・スバル・ホンダ(未試乗)が中型・大型のセダンに用いるエンジンもどれも味わい深く、豊かな乗り味が楽しめます。

  やはりセダンは他のボディタイプではなかなか味わえない特別な乗り味を保持して初めて「一流」なんじゃないですかね・・・と生意気なことを言ってしまいますが、やはりゴ◯フと同程度の乗り味のセダンなんてとてもじゃないですが納得できません。現行のゴ◯フが発表されたときに、クラウンのような静音性とか言われてましたが、私の乗った限りでは車体からエンジンのマウントまでクラウンには遠く及んでいませんし、ゴ◯フGTIのボンネットを開けてみるとフードの裏についている遮音材の面積は、アテンザ、レガシィ、クラウンなどに使われているものよりも極端に小さかったです。「自家用車」誌の測定によるとクラウンとゴルフでは2段階くらい静音性のレベルが違ったそうです(もちろん現行クラウンが上です)

  ゴ◯フを作っている某ドイツメーカーはどうやらクラウンの知名度を利用した宣伝を日本のカーメディアに流布したようですが、日本車セダンのユーザーが乗り比べれば、そのステルスマーケティングにはかなりの誇張が含まれることにハッキリと気がつくレベルです。ゴ◯フはたしかにヴィッツやマーチに比べれば質感の良さが実感できますが、それを考えても相当に割高な日本価格が付けられています。クラウンと同じくらい!なんて現行同士で比べたならばとてもじゃないですがあり得ないです。BMW3やアウディA4の水準を追い越した先にクラウンのレベルがあるというのに・・・。余談ですが、ゴ◯フGTIに試乗したあと自分の国産セダンに乗って帰ったときに、改めて愛車の遮音性の高さに感動したほどです。

  確かに廉価なドイツ車にもれなく付いてくるターボチャージャーがウルサイ!なんてことはないのですが、あくまで静音性に関していえは、ドア周りのパッキンがどれくらい念入りに入っているかであるとか、エンジン周りの遮音材をどれだけ使っているかといった基本的な部分がそのクルマの「実力」に大きく関わっています。BW1シリーズのドア周りは見比べるとフィットやマーチ並みに貧弱だったりします。日本車がドイツ車がといった先端技術ではなく、そのメーカーがどれだけ真面目にそのクルマを作っているかの姿勢が大きな差を生んでいます。トヨタに関して言えばヴィッツとクラウンには価格差なりの格差が付けられていて、なんだかんだ言ってもゴ◯フはクラウンよりヴィッツに近い作りをしています(遮音材の量など)。ドイツ車ユーザーに言わせれば、日本のセダンは外界の音を徹底的に遮断しているので、逆に静かすぎて気味が悪いそうです。ドイツ人と日本人の文化的バックグラウンドも指摘されていて、ドイツ人エンジニアに「静音性」についての質問を繰り返しても意図が全く伝わらないというケースもあるのだとか。

  数年前まではそんなドイツ勢のセダンに市場を席巻されつつあったようですが、よっぽどのドイツブランドへの盲目的な憧れでも無い限りは、BMWやメルセデスのセダンに壊れるまでずっと乗っていたいとは思うことは少ないようです(ユーザーへのアンケートによると)。その一方でレジェンドやレガシィB4、アテンザは10年以上乗りたいというユーザーの割合が高いです。高性能なクルマを比較的手軽な価格で、しかもランニングコストも今のところは輸入車に比べれば相当に割安ですので、経済性を重視しつつ快適なクルマに長く乗っていたいと考えるユーザーからの支持を得るのは当然です。よって買い換えのサイクルは長くなるので、年度当たりの販売台数では輸入車の数字が多めに出ることもあるでしょう。もちろんクラウンやレクサスLSのように短期での買い換えが常態化している日本車もありますが・・・。

  ドイツ車が好きで乗っている人を否定するつもりなんてないですが、やはり自分の愛車とどう接するか?といった距離感によっては、日本とドイツの文化の違いからくる違和感がどうしても看過できない水準に達することがしばしばあると思います。部屋に飾っておく模型としてならばフェラーリでもランボルギーニでもM1エイブラムス戦車でもそれほど困ることはないですが、クルマを部屋の延長と考えるならば、衣・食・住といった生活に深く関わるものを、ドイツ文化に委ねたいとは思わないです。やはり日本文化に同化しきれていない舶来品は使いづらさを感じます。欧州製の家具に囲まれた生活に満足する人もいるでしょうけど、私にはどうも理解できません。リニューアルオープンしたホテルには「和モダン」と名付けられた部屋が用意されることが多いので、おそらく私のような人はかなり多くて、かなりの需要があるように思います。

  さてクルマに話を戻すと、バブル期に「赤坂サニー/六本木カローラ」と言われるほど親しまれて以来20年以上の歴史を持つメルセデスCクラスやBMW3シリーズならばある程度の親和感を感じますが、それでも日本人が作った日本車に比べればトータルで見た「良いクルマ」度は数段劣るように感じます。なにより日本人にとって愛着を感じるBMWとは3シリーズ(F30)ではなく、新たに登場した2シリーズクーペの方だったりするかもしれませんが・・・。

  ドイツ車には少々難がある・・・と嫌味を言うのが今回の目的ではなくて、日本メーカーは安易なドイツ車追従ではなく日本人が心から親しめる高品質なセダン作りを続けていくことがやはり大事だと思います。レクサスに関してはそもそもがアメリカ向けに作られたブランドで、それを逆輸入する形で日本に導入したのだから、もっと日本らしくという要求自体が筋違いかもしれません。そしてレクサスと同じようにセダン開発を北米基準にしている日産にも、さらに日本向けにあらゆる点で行き届いたセダンを期待するのは難しいのかもしれません。ホンダ・スバル・マツダに関しても日産と同様の経営方針ではあるようですが、日本で多くのセダンファンを持たないこの3メーカーとしては、トヨタ・日産そしてドイツ勢を相手に回して十分に魅力を発揮できるクルマ作りが必須です。


  そんな3メーカーの現在地を考えた上で、アテンザ・レガシィ・レジェンドを改めて見ると既存勢力を打ち破るポテンシャルを備えた「上質セダン」を手頃な価格(安くはないですけど)で提供したい!という戦略的意図が見えます。プロの評論家がこの3台について何と言おうとも、大きな声で絶賛したい素晴らしい出来です(各車については追々・・・)。現状で欲しいクルマ1〜3位がこの3台です。どれが1位か?はやや難しいですが、高級ブランドを圧倒するハイテクセダンが欲しければレジェンドで、ドライブフィールを求めるならアテンザ、そして最上級に安全な走行環境を欲するならばレジェンドですかね。デザインはどれも素晴らしいです!

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↓アテンザMC版が発売されました!BMW3やアウディA4との大胆比較です!

2014年7月8日火曜日

新型レガシィ に込められたスバルの信念

  世界のどこかに必ずユーザーはいる!という宛の無い冒険の旅に出ている日本車セダンの中にあって、新型レガシィの「何もしない」という堂々たるFMCぶりにはちょっと驚きです。トヨタやホンダがセダンに相応しい乗り味と優れた燃費を両立させたハイブリッドを投入しましたが、アメリカでのHV販売比率は低水準のままでやや空振りに終わった感があり、何もせずに研究開発費を温存できたスバルに完全に「風」が吹いてはいますが・・・。

  いまやグローバル販売の7割をアメリカ市場に依存しているスバル。OEM生産しているトヨタカムリも前倒ししたMC&フェイスリフトが大成功し、2014年5月度の販売で大幅に躍進しなんと約50000台を売り上げました。カムリはバカ売れなのにレガシィB4はさっぱりで、レガシィ全体の8割くらいがアウトバック(クロスオーバー)のシェアになってます。いよいよVWを抜き去りアメリカ市場で絶好調のスバルもブランド全体ではまだまだ45000台/月程度にすぎず、カムリ1車種よりも少ないのが現状です。

  生産能力が限界にきていることもあり、さらに北米に新工場を建設して、低成長の時代に強気なまでの生産力増強に打って出たスバルとしては、日本市場よりも自動車の変化に対して保守的な傾向を見せるアメリカ市場を睨んだFMCと言えるのかもしれません。もちろんアメリカに生産ラインを新設するということは、政治的な意味合いもあって「アメリカの皆さんスバル車をよろしく!」というゴマすりとも言えます。

  そんな中で発売されるのが、誰が見ても「スバルは変える気がない」と読み取れる新型レガシィですが、やはりアメリカ雑誌「Car and Driver」もデザインに関しては「まったく面白みなし!」と切り捨てています。それでも現行レガシィは日本でこそ失速しましたが、アメリカでは大躍進を果たしているので、面白みなしだけどアメリカ人にはウケるスタイルではあるようです。最近好調なフォード・フュージョンだってデザインに関しては似たようなつまらなさを感じます(失礼)。スバルは政治的に暗躍しているので、クルマはやや保守的に仕上げつつも「アメリカ人が好むセダンスタイル」としてそれなりに自信を持っているようです。

  それにしても外見は日産のティアナによく似ていて、バッジを見ないとまず見分けがつかないほどです。ティアナを去年のFMC前に初めて見た時には、何とも言えない失望感がありました。東京MSで大混雑のGT-Rブースのとなりでほとんど相手にされずに新型ティアナ佇んでいたのを思い出します。正直言ってあのときもっと良く見ておけばよかったなと、今になって後悔していたりするのですが・・・。このティアナのデザインはなぜかテーマカラーになっている赤はどうもイマイチで理解できないですが、その一方で黒は全体がシャープに見えてなかなかいい感じです。ただし黒だとなんとなく緑ナンバーが似合いそうなタクシーっぽい雰囲気にはなりますが。

  ティアナやレガシィの予想外に保守的なデザインを見ると、マツダ・アテンザやレクサスISのような「キャッチー」なデザインを施したセダンに対して、日産とスバルはややシニカルな想いすら感じているのか?という疑念が湧きます。「渋く」「地味」に作ってこそ「セダン」であり、プレミアムブランドへ憧れるユーザーが持つバイアスを利用して注目を集めようとする「やり方」はクルマの本質を歪めるし、それに群がる「ミーハー」なユーザーに乗ってほしいとも思わないのかも・・・。少なくとも「ティアナ」はそういうクルマになったと思います。初代や2代目はどこか色気付いていましたが、3代目は「乗ればわかる」といった達観したような趣きが感じられます。

  そしてこのティアナにそっくりのデザインで登場する予定の新型レガシィですが、現行モデルも乗り味の良さには定評があり、「見た目は・・・だけど、乗ってみたらやはりスバルのフラッグシップ」と唸らせられるでしょう。新型もデザイン自体はアメリカを意識した「ジャパニーズ・セダン」の王道スタイルなのでしょうが、日本市場ではマツダ・レクサスの「派手な」デザインと対比されるように、日産・スバルの「芯のある」デザインが作り分けられていて、セダンユーザーにとっては選択肢があることは歓迎すべきことではあります。マツダやレクサスが見落としている大切なものに、日産やスバルのセダンから気がつくことがありそうな予感です。とりあえず日本版の発表が楽しみで仕方がないです。


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2014年6月13日金曜日

スバル・新型レガシィB4は「世界一の〇〇なセダン」

  「売れ過ぎちゃって困る」とか本気で言ってそうな最近のスバル。アテンザが「世界一美しいセダン」、レクサスISが「ボディ剛性世界一」、アコードが「燃費世界一」、スカイラインが「ベースモデルで世界最速」とこれでもか!と、大暴れしている新型の日本車D/Eセグセダンの流れに乗って「何かやれ!」と言いたい気分ですが、とりあえず新型レガシィB4にはそういう芸は用意されていないようです。まあ「世界一」とかいわれてもだから何?って感じではありますが・・・。

  もはやドイツ車も韓国車もフランス車もアメリカ車も、日本メーカーの凶暴なまでのストイックさに唖然とするしかないわけですが、アテンザ以外の3台がどうしたことか?日本では予想外に評価されていないです。それどころかあちこちから批判すら聞こえてくる始末です。確かに従来の同クラスの日本車セダンと比べて高性能の分だけ、ちょっと価格が高めに設定されています。レクサスISとスカイラインHVは乗り出しで500万円を確実に超えますし、こうなってくるとなかなか安易に検討できる人は多くないでしょうし、「費用対効果」でシビアにクルマの価値を測るとしたら、日本で乗るには「余分な性能」だらけとも言えます。いくらクルマが良くてもこれではとても幸せになれない!と言いたい気持ちも分らなくもないです。

  しかしそこはアテンザも含めて「世界一」のクルマ達ですから、誰でも気軽に購入できる価格に収まるはずもないわけで、その意味では「やり過ぎ」ということになるのでしょうが、これまで散々に「ドイツ車に負けてる!」と叩かれてきたわけですし、メーカーの気持ちも痛いほど良く分りますし、セダン好きとしては可能ならば4台全てを買ってあげたい気分です。作る側も日本で一番優秀な人々がやっているわけですから、批判が来る事もすべて想定内なわけで、誰もが分っていることでしょうが「日本人に乗ってもらおうと思って作っているわけではない!」という本音を隠し持っているはずです。

  今よりも若者の賃金が高く、将来への不安を口にする人も少なかった時代に、171万円でマークⅡが売られていたわけです。そんな「激甘」な時代を過ごした人々から見れば、今の状況はとても受け入れられるものではないでしょうし、新型スカイラインを袋叩きに遭うのは仕方のないことだと思います。だからといって日本人を甘やかす必要もないですし、「世界一」に乗りたい人は仕事を頑張るなり、節約するなりして買えばいいわけで、まあ目くじらを立てるのは野暮だと思います。

  間もなく登場すると言われるスバルB4ですが、先代でやや後手を踏んだデザインを改善した以外はこれといった大きな変化はなさそうです。ボディサイズはライバル車なみに拡大されました。また水平対抗エンジンの特性上、車高が下げられないという弱点を抱えていて1500mmを超えるようで他車と比べてもやや腰高で、伸びやかさに欠けるスタイルになりそうです。それでも先代と比べて全長も伸ばされていますからバランスは確実に良くなっています。

  公開されているフロントフェイスに関しては、先行するレヴォーグがややメルセデスAやCLAに近い「サイバー・デザイン」にまとめられているのに対し、フォーマルサルーンとしての格調を重んじたものになっていて「小型でスポーティ」というブランドイメージから、やや離れた趣があります。それでいてどこかのプレミアムブランドに似るということもなく、スバルのオリジナルな造形に好感が持てます。強いて挙げれば、日本ではあまり馴染みがないですが、GMグループの豪州メーカー・ホールデンが手掛けるコモドアというラージセダンに造形の雰囲気が似ています。

  コモドアは一昨年に日本でも正規代理店が指定され、西日本方面に小さなインポーターができたと聞きましたが、まず走っているのをみたことがないですね。このコモドアはセルシオやレクサスLSの初期形をイメージした和風?なデザインで、なかなか日本人の心に刺さるんですよね。ただしサイズもレクサスLSと同じですが・・・。GMグループはこれをベース車にしてアメリカでは「シボレーSS」を、イギリスでは「ボクスホールVXR8」という400ps超というなんともゴージャスなクルマを作っています。シボレーSSは北米で450万円で買える!ってのはちょっと驚きです。

  「ジャガー」や「ミニ」といった日本人も親しみやすいデザインが特徴の島国イギリスで、セルシオ似のコモドアを改造したVXR8が大成功し、欧州GM(オペル)のスポーツチューンが熟成された成果がGMグループの本国アメリカへと持ち帰られ、そのままシボレーの最上位のスポーティサルーン「SS」として置かれました。そして旧メルセデスEクラスベースの「クライスラー300C SRT-8」とV8エンジンのラージセダンという枠で覇を競うという展開はなかなかスリリングです。「W210」vs「30系」が今も北米で現行モデルで行われていいるわけです(F30はデザインだけですが)。

  ちょっと横道それましたが、要するに新型レガシィB4はもしかしたら、日本車ファンの心の奥底に眠っているセルシオや、まだまだデザインが上品な時代のクラウンを連想させる、なんとも「古典的」でありながら「ブリリアント」なデザインのセダンとして、予想外に愛されるのではないか?と思うわけです。先代と同じターボなのか?それともフラット6が復活するのか?それともフラット6ターボという「怒濤の展開」なのか?といろいろ期待できる部分もあるのですが、この落ち着いたデザインは最近の「セダン祭り」でどこかに忘れてしまっていた、「日本車セダンのイディア」を思い出させてくれる重要な一台になりそうです。

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2014年4月16日水曜日

新型レガシィB4 にサプライズの予感が!?

  Dセグセダンの売り方(作り方)がだいぶ変わってきたように感じます。どのメーカーも真剣そのもので、過剰品質による過当競争が始まってるのではないかと思わず心配してしまうほど。何が過剰なのかというと、わざわざ新型シャシーを投入した「レクサスIS」にパワーユニットや駆動方式を全面的に改めた「スカイライン」、そしてとうとう前後輪ともにマルチリンクという豪華仕様になってハンドリングと乗り心地が急激に良くなっているらしい「Cクラス」。なぜ世界的にそれほど売れるわけではないDセグセダンにここまで開発資源を投入するのか?それほど爆発的に伸びるほど安い価格帯でもないけど・・・。

  さらにホンダ「アコードHV」もマツダ「アテンザ」も他のブランドには無い独特の魅力(優良燃費HVやクリーンディーゼル)を強くアピールして独自の世界感を演出しています。一体いつからDセグはこんなに「高性能」なクルマばかりになったのか? 一応いろいろ調べてみると、先駆けとなったのは2011年の後半から2012年初頭にかけて登場した「2台」じゃないかという結論になりました。

  1台は「トヨタ・カムリHV」。これまで燃費よりも乗り味をまず追求する必要があったDセグに、フルHVでリッター20kmを実現する?みたいな触れ込みで登場。しかもHVの難点と思われていた気持ちのよい加速性能も余裕たっぷりの上質な出力でHVの常識を打ち破って、トヨタも予想しなかったスマッシュヒットを記録。そしてもう1台は「BMW320d」。いよいよ欧州の主流のパワートレインであるディーゼルがプレミアムブランドで登場!「BMWのブランド力」「ディーゼルの意外なスポーツ性」「経済性(燃費&抑えた価格)」が呼び水となり、気がつけばF30型3シリーズの半分以上が「320d」だったとか。

  さてスバルとしてはこの大きく変わった市場環境とライバルについてを歓迎しているのか? そしていよいよ発表されるレガシィB4には一体どういった「工夫」が盛り込まれるのでしょうか? スバルがすでに量販モデルを発表しているレヴォーグは、Cセグ車をベースにしているけど、価格帯は完全にDセグ。そしてレヴォーグの最大のアピールポイントはスポーツモデル「WRX」と基本設計が同じという点で、ファンのみならず高性能ワゴンを求める層にとって従来の「レガシィ"GT"」とはひと味違う納得の1台だと思います。

  レヴォーグがかなり「前衛的」な設計だったので、セダンモデルとなるレガシィB4は比較的「穏やか」になるという見方もありますが、ここはDセグの「激しい潮流」に則ってレヴォーグのようにファンを驚かせる「グレード」を用意するのが、スバルというメーカーのポリシーか。特に追加的な開発を要さなくても、北米向けのボクサー6気筒ガソリンを日本でもB4で復活させることは可能です。水平対抗6気筒は「静音」「制振」において設計上はV型6気筒よりもアドバンテージがあると言われています。

  メルセデスもV6エンジンへの限界を感じたようで、次期Eクラスから直6エンジンへの回帰が行われると噂されています。スバルとしては直6には敵わないまでも特異な設計で、「高級車のパワーユニット」として十分にアピールできる「ボクサー6」は、さらなる高級サルーンへと踏み込んだ作りになる新型レガシィのコンセプトにも一致します。

  スバルにはまだまだ隠し球があって、欧州で密かに発売している「水平対抗ディーゼル」&CVTというユニットを日本の環境基準に適合させるべく改良が進められています。さて突如巻き起こったDセグの「高性能合戦」。すでに全グレードAWDにするなど、独特の設計を盛り込んできたレガシィにとっては「望むところだ!」と気合いが入る展開かもしれません。とりあえず楽しみにFMCの発表を待ちたいと思います。


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2013年11月19日火曜日

スバル・レガシィは日本撤退になっちゃうようです

  いよいよ次のレガシィはデザインが良くなって、現実的な選択肢になるのかな・・・なんて悠長なことを考えていたら、いよいよコンセプトモデルが出てきました。しかし東京モーターショーはスキップしてロサンゼルスMSに出されるのだとか・・・。あれれ、良く見ると車幅1900mm!!! これにはたまげてしまいましたね。どうやら日本で売る気は無いようです。

  なんで旧中島飛行機が米国にスリスリしちゃうんでしょうか? なんてしょうもないこと言うつもりはありませんが、三菱のように「技術の高さだけで米国をねじ伏せる」くらいの気概を期待していたのですが、なんかいよいよトヨタの北米部門の立て直しの切り札みたいになっちゃってますね。カムリとカローラが今なお「屋台骨」で、車種の刷新がなかなか進まないトヨタは、GMとフォードの復活の前に苦戦を強いられています。スバルとマツダを傘下に収めた「日本連合」を形成してシェアの低下を抑えたいところでしょうか。

  それにしてもスバルの陣容の変化が目覚ましいです。まったくスパイショットも出回っていない国内専用ワゴンが「レヴォーグ」が東京MSで発表後に時間を置かずに発売になると言われています。このクルマはレガシィワゴンの後継で、北米専用となるレガシィB4の後継がこの「2015レガシィ・コンセプト」なのですが、このクルマの狙いは一体? AWD⇒大型化⇒3.6LV6エンジン搭載⇒ターボ付けて450psオーバー⇒カマロやチャージャーの市場を狙う? といったことが考えられます。

  たしかにトヨタグループは北米でそれなりの数字を持っている「マッスルカー」に関しては、有力な車種を開発してこなかったわけですが、レガシィB4を日本から撤退させレクサスの市場を潰さないようにしつつ、北米の未着手のジャンルへと転用させて一石二鳥といったところでしょうか。それにしても見事なデザインが目を惹きますね。見た目から想像するに、ニッサンGT-Rのようなポジションまで考えた高性能AWDセダンになるような気がします。1860mmくらいまで縮めてくれたら日本で乗りたいですね。



2013年10月14日月曜日

クルマにコダワル人々の必死な言い分・・・

  「クルマなんてどれでも一緒だろ」って思っている人に、自分のクルマ選びがいかに的を得ているかを説明するのはそんなに難しくないのですが、「大きいクルマに乗って見栄張りたいだけだろ・・・」って思ってそうな人を納得させるのはちょっと厄介ですよね。まあ住んでいる地域によって感覚はだいぶ違うとは思いますが・・・。

  なんでアテンザに乗っているの?って訊かれたら細かいごちゃごちゃとしたことを省くと、結局のところ「フラッグシップ車だから」が答えです。今後もフラッグシップ車しか買わないつもりです。現状での選択肢は実質的にアテンザ・レガシィ・スカイライン・レジェンド(未発売)の4台だけです(1stカーは絶対に新車です)。まあそれだけあればいいと思います。あれこれ悩むのも面倒ですし。よってレクサスへ行くときはLSを買うときで、メルセデスへ行くときはSクラスを買えるようになった時です。

  なんでフラッグシップ車かと言うと、単純に「気分がいいから」です。マツダのディーラーでもサービスの質が違います。電話で「オイル交換の予約を取りたいのですが・・・」と訊くと、最初は面倒くさそうに対応しますが、「おクルマはアテンザですね」のあとはテンションがやや上がって「いつでもOKですよ!」みたいな感じになります。マツダですらこれですから、他のディーラーは推して知るべしです。なんで客なのに嫌な想いをしなきゃいけないのか?ってのは極々当たり前の言い分です。結局、世の中のあらゆる会社が提供するサービスなんてのは、「どれだけ気分がいいか」が全てであって、そうじゃなければ利用しないのが基本だと思います。

    BMWのディーラーが最低だとか、レクサスが最低だとか良くネットで見かけますが、失礼を承知で言わせてもらうと、1や3、CTやHSを買おうと思った段階で「ブランド詐欺」に引っかかっています(みなさん最後には自分=「カモ」だと気づくようですが・・・)。彼らは最終的には7やLSを買わない人間を徹底的に見下してきます。これは高額商品の営業マンをやった経験がある人にとっては常識です。1000万円のクルマを買わせるにはマジックが必要なのです(これが直感的に解らない人には営業はできません)。よっぽどの金持ち相手で無い限り、徹底的に追い込まないとあんなものは売れません。つまりフラッグシップを買わない限り、ディーラーとの付き合いは苦痛になることが多いです。

  フラッグシップといってもレクサス以外の国産メーカーならば、それほど高額でもなく、付け加えるならば他のクルマと比べて価格差が少ない割に満足度は非常に高くなるように作られています。これも商売のイロハで、「上」・「中」・「下」の三段階で商品があったら、たいていは消費者に解らないように、「中」の利益率が高くなるように設定されています。よって「上」のほうが「中」よりお得だと言えます。「上」がどれほどの満足感があるかはその商材によっても違うでしょうが、クルマに関して言えば絶対的に「上」はお得です。実際にレガシィやスカイラインってほとんど欠点らしい欠点がない素晴らしいクルマなんです。オーナーでこのクルマを悪く言う人はとても少ないです。

  「最高に気分がいい」+「最高のクルマ」がフラッグシップです。東京に住んでいてクルマなんて無くても全然困らない生活をしているのもありますが、「気分が良くない」「最高でないクルマ」なんて絶対に要らないしお金と時間をムダにするだけとすら思います。クルマなんてなんでもいいと言って軽自動車に乗る人の気持ちはまるで理解できません。あんなクルマに150万円の価値があるのか!?
 
  私にとってクルマの主な用途は週末にドライブに行くくらいです(とても重要な「用途」ですが・・・)。せっかくの休みに片道3時間くらいかけて出掛けるわけです。往復6時間ものドライブの間、車内で過ごさなくてはいけません。もし車内が狭くてオーディオも騒音に掻き消されてしまうような環境だったら? 気分転換どころか逆にストレスが溜まってしまいます。 一般にフラッグシップ車は居住性には最大限の配慮がなされています。アクセラやインプレッサより50万円ほど高いだけで、アテンザやレガシィの遮音性はまったく別次元です。

  さらにドライブには事故のリスクが少なからずあります。小さい2BOXカーで、高速道路で事故ったら即死するようなクルマに大切な人を乗せてドライブしたいと思いますか?なぜフラッグシップ車は全て3BOXなのか?当たり前のことですが、それは前後にクラッシャブルゾーンを設ける事で乗員の生存率を上げるためです。日本メーカーのフラッグシップ車は衝突安全基準において世界の「テッペン」です。もちろんブレーキやコーナー安定性においても、ドイツ車に一切負けていません。BMWやメルセデスのどのクルマを持ってきても、アテンザ・レガシィ・スカイラインと「ゴッツン」すれば、グチャグチャになります。それでも日本の軽やコンパクトカーに比べれば断然にマシですが・・・。

  VWにゴルフという快適性を謳った「ゴキゲン」なクルマがあります。実際は全然「ゴキゲン」じゃないです。とくにGTIとか言うスポーツカーを気取ったグレードは最低です。後ろから追突されれば無事じゃ済まないし、高出力モデルなのに日本向けノーマル仕様と変わらない貧弱なブレーキしか備えていません。制動距離もライバル車と比べて最低の水準です。こんなクルマをデートカーにしているヤツは「最低」だと思います。


  そんな訳で、一人では絶対にドライブに行かない私にとっては、同乗者のことを考えると、国産フラッグシップのセダンしか選択肢になりません。みなさんにも是非オススメしたいと思います。こんな最高のドライブカーであるはずなのに、昨日のドライブでは旧型のレガシィとアテンザしか見かけませんでした。現行のレガシィやアテンザは日本を走るGTカーとしては、少々サイズが大きくなり過ぎてしまったという意見もあるようです。しかしマツダ・スバル・日産の世界最高レベルのハンドリングを持ってすれば、「通行注意」の林道だって余裕で走れますよ。


関連記事
「アテンザとBMW3シリーズ〜彼と彼女のクルマ選び・その1」
「アテンザの社会的機能性・その1」

2013年10月9日水曜日

つまらないD/EセグセダンがCセグに負ける日

  同じブランド内での競争で一番多いのが中型車のD/EセグとCセグの争いだと思います。スバルのレガシィとインプレッサ、マツダのアテンザとアクセラ、BMWの3と1、メルセデスのCLAとAさらに番外編としてトヨタのSAIとプリウスあるいはカムリとオーリスといったところでしょうか。価格面で有利なCセグに対し、D/Eセグがどれだけ魅力で上回れるかという「綱引き」なのですが、最近では競争が激化しているCセグの方が優勢というケースが多くなっています。

  D/Eセグが威厳を示せているのがスバルのレガシィくらいであとは、Cセグの方が走りも良くて・・・なんていう状況に陥っているようです。アテンザはとりあえずテコ入れを待たないとアクセラには対抗できない!とは言い過ぎかもしれませんが、価格差はわずかにもかかわらず、軽量な1.5Lと楽しみなHVを持つアクセラに現状では大きなアドバンテージがあります。D/Eセグの中ではひと際光る存在感を持っていたはずのアテンザが、Cセグのアクセラに歯が立たないとなると、いよいよD/Eセグって何なの?という気もしてしまいます。

  「ラグジュアリーでない、走れない、古くさい」こそがD/Eセグだと言われてしまったら否定できないですね。「コストを掛けないで作る一番大きいクルマ」というのも当たっていると思います。ゆえにマツダ、スバル、VWといった大衆ブランドはこれより大きいクルマを作らないのでしょう。こんなクルマは一度地獄に堕ちろ!

  そんな深刻な状況に陥っているD/Eセグの中で「ラグジュアリーで、走れて、新しい」という異端的な存在と言えるのがレクサスIS350じゃないかと思うのですが、乗り出しで600万円を超える価格設定からしてそもそもこのクラスの「異端」ではあります。もしアテンザもレガシィも600万円という価格が許されるなら、どれほど進化できるのか?という興味はありますが、おそらく実現はしないでしょう。

  一方でCセグはというと、「宣伝費をかけずに売ることができる一番小さいクルマ」と言えます。メルセデスやBMWなどのプレミアムブランドが参入したことで、クルマの作りの良さが厳しく見られるようになりました。世界市場で流通するCセグを比較した特集などを見ると、メルセデスが一番騒音が酷いという結果が出たりしています。それでも各社アイドリングで60デシベル前半に収まっていて、これはクラウンとほぼ同水準です。また各ブランドはできるだけ性能に影響しないように、上手にコスト削減を図っている様子が伺えます。

  FF車はD/Eセグになると旋回半径が大きくなるなどのデメリットが目立ちますが、Cセグでは大勢に影響はなく、ハンドリングも同等に作り込めば、Cセグの方が有利になります。結局のところD/Eセグがはっきりと有利な点は、「キャビン容積が大きい、サイドのデザインが美しい、直進安定性が高い」の3点くらいになってしまいます。この中でさらなる付加価値が出せるとすれば、サイドデザインかな?という気がします。ショートストロークボクサー4気筒にDITターボの高性能ユニットとともにハイレベルなハンドリングとブレーキを備えるレガシィに抜群のサイドデザインが加われば、とても良いクルマになりそうではありますが・・・。

  
   ↓ゴルフ7の長所は「静粛性」で短所は「ブレーキ」だそうです。
  

2013年8月14日水曜日

日本車と言えば「峠セダン」

  日本メーカーで開発を手がける人々はどんなことを考えてクルマを設計しているのか? ちょっと偉そうだが、これが感じられなければ日本車の良さなんて一生解らないだろう。日本の自動車評論家の全部とは言わないが、多くは日本の新型車が出れば必死で粗捜しをし、輸入新型車には諸手を挙げて大絶賛する傾向が見られる。これは彼らの多くが日本の「流儀」というものにまったく疎いからじゃないかと思う。

  多くの評論家の文章を読むと、そこには根本的な勘違いがあるように感じるのだ。彼らにとって日本の公道を法定速度で走ることよりも、クローズドなコース(サーキットなど)で走ることの方が大前提として価値が高いと決まっているような気がする。自動車ユーザーの多くはサーキットなんて行かないのだから、ニュルブリックリンクのタイムがどうだとこれ見よがしに書くことに何の意味があるのだろうか?

  その一方で日本の開発者はバカではないから、日本の「流儀」でクルマを粛々と作り続ける。それを勘違いした評論家(プロアマ問わず)がドイツの基準であれこれ批評するという悲しい構図がそこにはある。それでも開発者の想いは、そのクルマに脈々と受け継がれ、多くの日本車ファンへ届いている。評論家など媒介せずともスカイラインにもレガシィにもアテンザにもファンはたくさん生まれる。

  レクサスLSや日産GT-Rは素晴らしいクルマだ。この2台はそれぞれのジャンルで間違いなく世界最高のクルマだ。トヨタと日産は評論家による「ドイツ式ルール」に負けることなく、ドイツの流儀で最高のクルマを作ってしまったのだから。ここまで完璧なクルマを作られたらどれだけ無知蒙昧な評論家達もグウの音も出ない。

  日本の道をこよなく愛し多くの国道を次々と走破していくクルマ愛好家からみれば、この2台は「異形」の日本車として戸惑いを持って受け止められる。こんなヘビーなクルマじゃ日本の峠は下れないからだ・・・。あくまでGT-Rはドイツ的なアウトバーン&サーキット文化のクルマであり、LSはアメリカ的なハイクラス「応接間」カーでしかない。

  日本メーカーは他国の流儀でも最高のクルマを作ることができるわけだが、果たしてドイツ車やアメリカ車の中で日本の流儀で高い評価が得られるクルマがあるのか? 今のところそれに該当するようなクルマは見当たらない。ただ今後出てくる可能性は否定できない。

  今ドイツ車は大きく変革の時を迎えている。かつてはアウトバーンを250km/hで疾走できる高性能車がドイツの代名詞であったが、今ではBMW320iやゴルフハイラインなどの最高速度は200km/h台前半に抑えられている。アウトバーンはかつてのような速度無制限区間が大幅に減少していて、その区間であっても混雑で250km/hで走る機会はほとんど無くなっているからだ。

  最新のドイツ車の最大のキーワードは「日本車のように軽く」のようだ。その為にBMWもメルセデスもFR設計に拘らなくなり、軽量でパワーが出る直4ターボの高出力化に血道を挙げている。車重も1500kgを下回るものが次々と現れていている。ハンドリングやサスがさらに日本車のレベルに迫ってくれば、いよいよドイツ版の峠セダンが完成する日も近いだろう。メルセデス・BMW・アウディの目線の先には、日本を代表するスポーツセダンの「ランエボ」があるようだ。

  改めていう必要もないが、ランエボもまた日本車の「宝」だ。日本的な価値観のまま欧州にその存在を認めさせたクルマで、その地位はポルシェのスポーツカーに勝るとも劣らないほどだ。ドイツ人の価値判断は実利に大きく基づいているようで、アウトバーンでポルシェと同等の走りをするランエボが評価されるのは当然と言える。ポルシェもまたアウトバーンのみならず、日本の峠でも大活躍できるポテンシャルを持った希有なドイツ車だ。BMWやメルセデスのように家の前に置いておくくらいしか使い道がないクルマとは違うのだ。     (長くなったので次回に続けます)



  

  

  

2013年7月2日火曜日

妥協なき完成度。インプレッサG4とは全く別モノ。 「スバル・レガシィB4」

  はじめに・・・本ブログ記事では、
「入門車」⇒2~2.5LのNAのDセグセダン 
「中級車」⇒3.0~3.7LのNA/ターボのD/Eセグセダン 
「上級車」⇒V8以上のエンジンを搭載した高級モデル
と独自の(勝手な)クラス分けを用いています。ご了承ください。


  スバルの業績が回復し、今や日本で一番勢いがあるブランドと言ってもいいほど好調だ。北米でもスバルは日産とともに直近で好業績を修めていて、早くもアメリカからの「警告」ともとれる警戒論がメディアを賑わせている。VWのクルマを絶賛するだけで何も文句を言わない日本市場とはだいぶスタンスが違うようだ。現地生産比率が高い日産に対してスバルは輸出が多いので、今後さらに激しいバッシングを受けるかもしれない。

  アメリカの論理というのは、時にかなりヘンなものがあり、ある商品が定期的に輸入されている場合に、その生産国でその産業が「過度」に保護されていることが証明されれば、即座に「セーフガード」を発動する習慣がある。トヨタやホンダにも昔から厳しい現地生産基準量を要求してきていたりと、かなり神経を尖らしてきている。もしスバルの輸出量がアメリカ産業にとって無視できない基準に達した場合に、「とんでも」な言いがかりもありうる。

  例えばトヨタは日本政府が定める「エコカー減税」と「補助金」の恩恵を一番受けて来たメーカーである。そのトヨタが数年前からスバルと業務提携と資本関係に突入していて、具体的な協業として、トヨタ86/スバルBRZを共同開発していることは広く知られている。つまり日本政府から実質的に多額の支援を受けているトヨタが、スバルにカネを出して新しいクルマを開発させたわけだ。これによってスバルは新型エンジンとして従来の「EJ型」に代わる新しい「FA型」と「FB型」のエンジンを開発している。見方によってはトヨタがアメリカとの現地生産の協定の抜け穴として、スバルを支援しているともとれるが・・・。

  スバルの規模のメーカーでは通常は排気量ごとに1種類のエンジンを複数の車種で使い回すことが多い。しかし今回スバルはなんと2Lのエンジンに関しては2種類用意することができた。とてもじゃないがスバル単独ではできない芸当だ。これはスバルにとっては商品開発を最適化する上で最重要な方針だったようで、実行の為にこれまでは多少「軽蔑の念」すらあったであろうトヨタと手を組む事に同意したようだ。

  この2種類のエンジン(FA20型とFB20型)を使ってそれぞれ作られたのが、「トルク&燃費」重視のFB20型エンジンを搭載する新型インプレッサ2Lモデルと、「スポーツレスポンス」重視のFA20型エンジンを搭載するBRZだ。どちらもスバルの狙い通り国内外で好調なセールスを記録している。この2Lエンジンを併用する体制は顧客ニーズに上手く合致している。同規模のBMWやマツダが「燃費&トルク」重視の新型2Lエンジンへ大半のモデルを切り替えているので、スバルのパワーユニットに関する優位は今後も続いていくだろう。

  スバルの強みは、FB20型搭載の2Lのインプレッサが強豪ひしめくCセグライバルに「総合性能」で睨みを利かせておいて、さらに「差別化」された3つのエンジングレードを持っていることだ。1つは先ほどのBRZであり、繰り返しになるが「レスポンス」に優れたスポーツモデルだ。2つ目は2.5LのFB25型を搭載したNAのレガシィだ。FB25型は従来のスバルらしいショートストロークエンジンで、ロングストロークエンジン(FB20型)のインプレッサよりも高級感のある乗り味を目指して作られている。

  3つ目はレガシィとフォレスターのターボモデルに使用されるFA20型をターボ化したDITエンジンだ。このエンジンはBRZの「スポーツレスポンス」に加えて、ターボによる幅広い回転域でのトルクが得られる。ドイツ車の直4ターボはロングストロークなので、それらよりもレスポンスに優れていて、ゴルフGTIなどの2Lターボとはモノが違う。それと同時にスバルが従来から作っているWRX STIに使われている「尖った」スポーツ仕様ではなく、ある程度燃費も確保されていて、あくまで乗用車の一般ユーズに合ったターボエンジンだ(WRX STIにはまだ投入されていない)。

  現行のレガシィは「FB25」と「FA20DIT」の2種類のエンジンが使われていてどちらも高級セダンにふさわしい実力を兼ね備えている(FB25DITモデルは生産終了らしい)。インプレッサG4が発売した当初は、内外装のクオリティがレガシィB4とほとんど同じだったことから、評論家筋が盛んにインプレッサをもて囃し、人気に火が付いたようだが、実際にはドライブフィールは全くの別物で、価格に見合った差別化が施されている。フラッグシップセダンにふさわしい乗り味という意味では、話題の新型アテンザ(2.5L直4のPY-VPRエンジンが???)よりもレガシィの方が優れているという見方もできる。

  レガシィをインプやアテンザと比較するレビューが多かったりするが、結論としてはレガシィがクルマの基本性能では数段上であり、同時にもっともスポーティな設定になっている。もちろん燃費を重視すればインプやアテンザの方が上回る。まあデザインについては、間違いなくアテンザなので、レガシィのデザインが許容できるかという問題がありますが・・・。


2013年6月10日月曜日

「クオリティ3BOXカー」の入門車はどれがいいのか?

  日常生活でクルマはまったく要らないのだけど、より豊かな人生を送るためにはクルマはあったほうがいいと私は思います。さらにせっかくクルマ買っても、コンパクトカーでは出かけていくのが気まずいような場所もたくさんあります(スーパーに買い物に行くだけのクルマなんて要らないです)。できれば最大限に行動半径を広げられるクルマを選びたいと思うのですが、日本市場のラインナップを見渡すと「最初のクルマ」に適した1台がとても少なくて困ってしまいます。

  30代にもなると、それなりの場所(やや高級なホテルや商業施設)にも出入りするようになったりするので、ホンダフィットやトヨタカローラフィールダーという訳にはいかなかったりします。クルマ雑誌が表立ってこういった話をすることはほとんどないですが、現実問題として(ある程度稼いでいる)若者の多くが、「華やか」なデートに憧れてもそれをイメージできる日本車に巡り会えず、仕方ないに入門グレードの輸入車やレクサスを買うことが多いのではないかと思います。しかしそれでも賢明な若者の中にはレクサスCTやBMW1シリーズにはまったく納得できず、結局クルマなんて持たなくていいという決断をする人も居るでしょう(そしてクルマ離れが進んでいきます)。

  20代を「馬車馬」の如く働いた若者(アラサー)なら、400万円程度のクルマを新車で買う事はたいして難しいことではないと思います。そんな若者には「プレミアムCセグメント」などではなく、「Dセグセダン」をぜひ入門車として選んでほしいです。国産の大衆車とはいえ40歳くらいまでなら、このクラスのクルマに乗っていても恥ずかしがる必要はないはずです。そして40歳までにはさらに上の「中級車」に乗れるようにさらなる経済的な活動を頑張ってほしいと思います。

  国産の大衆ブランドの中で「クオリティ3BOXカー」の入門車になる代表的なクルマは「日産スカイライン」「マツダアテンザ」「トヨタマークX」「スバルレガシィ」といったところでしょうか。いずれも2~2.5LのNAで150~200ps程度のクルマで、高出力車よりも故障が少なく、タイヤ摩耗も少なく済むのでランニングコストも割安です。150psといえどもスポーツモードATを使えば十分な加速も出来るので、馬力に頼らないクルマの効率的な運転が身に付きます。つまり最初の1台に最適で、信頼性の高い日本車でとても安心できるクルマです。最初から輸入車の故障地獄に見舞われて出費が嵩み、クルマ人生をドロップアウトするという人も少なくないようです。

  現行車種では「スカイライン」はモデル末期になっていて、今年FMCがありますが、どうやら3.7Lと3.5L+HVの2本立てになるようで、入門車の枠を飛び出し「中級車」になるようです。「マークX」と「レガシィ」もFMCから時間が経っていて、デザインにやや難があり気が進まなかったりするので、結局は国産では「アテンザ」くらいしか候補がないのが現状です。これでマツダブランドが気に入らなかったりしたら、輸入車しか選択肢がなくなってしまうのが残念です。

  ハイブリッド専用車になったトヨタカムリとホンダアコードとさらに今年のFMCでやはりHV専用になる日産ティアナも選択肢としてはあります。ただハイブリッド車なので性能以上に初期費用が割高なうえ、北米モデルがベースなので、ドイツ車に匹敵するスポーティな走りとなると、足回りやハンドリングがゆるく設定されていて、やや物足りない部分もあります(ハイブリッドがいいと言う人にとっては最良の選択ですが・・・)。

  20代・30代の若い世代にクルマを本気で売りたいと思うなら、メルセデスCやBMW3と同等以上の性能を持つをスポーツセダンを300万円以下で発売すればよいはずです。北米ではこのクラスのセダンは各メーカーともに2万ドル(200万円)で横並びで売られています(BMやMBは3万ドルちょっと)。マツダ以外のメーカーにもそろそろ本気になって作って頂きたいと思います。この「入門車」クラスが充実すれば、その上のクラスの国産車も輸入車に負けずに売れるようになるはずです。若者はクルマにお金をかけないと決めつけているようですが、一定割合の若者は社会的な成功を収めて、1000万円以上のクルマのオーナーになるでしょうから・・・。