2013年12月27日金曜日

スバル・レヴォーグは何にロックオンしているか?

 消費税8%が目前に迫り、空前の新車発売ラッシュの様相を示しています。当初は自動車取得税廃止で帳尻を合わせるなんて言われていましたが、10%になるまで見送りだそうです。そもそもクラウンマジェスタといったどこがエコなのか分からないようなクルマにも免税が適用されているのが実情で、取得税自体にはそもそもあまり意味がなくなっているというのもあるのでしょうか? どう考えてもフィアット500なんかエコな感じがしますけど適用外です。その一方でエコではない大衆メーカーのBMWは主要ラインナップほぼ全てが免税・減税です。もちろん真の高級車ランドローバー、ジャガー、ポルシェなどは全ラインナップ適用外。

  とりあえず高級車を買う人は2年待ったほうがお得になりそうですけど、実際にはそんなこと考えて買う人は少ないのかも。それ以外の大衆ブランドは4月の前までの滑り込み需要が最大のチャンスで、ここを逃すようだと致命的です。そして4月を過ぎればマクドナルドのように次々と店舗が閉鎖していくブランドも出てくるでしょうか・・・。

  スバルもこの最大のチャンスに期待の新型車レヴォーグをギリギリ間に合わせてきました。レガシィTWの後継モデルなのでどうやら半年ほど前倒しでの登場に努力の痕が伺えます。しかし目下のところ北米向け輸出が絶好調でレガシィ生産ラインはフル稼働状態で、余剰生産能力を使い切っている状況です。こうなってくると売上が落ち着いてきている86/BRZの生産効率の悪さがちょっと恨めしところでしょうか。

  よって購入予定者は1月4日の予約開始に合わせてスバルに殺到しない限り、消費税増税分の約10万円程度の負担増になります。どうせ8%になったらその分値引きするんでしょ?それ前提の価格設定になっているんでしょ?という見方もあるでしょうが、受注が好調ならば本体値引はなく、ディーラーオプション10万円くらいのキャンペーンになるでしょう。ちなみにスバルのアイサイトはディーラーオプションではなく、本体価格に組み込まれています。

  いよいよレヴォーグの価格が発表され、1.6Lターボと2.0Lターボの価格が公表されました。税抜きで247万円〜でレガシィTWとほぼ同じになっています。とりあえず特別なお値打ち感はなく、クルマの魅力で売っていかなければいけない価格帯と言えます。現行のレガシィは全く魅力が打ち出せずに日本市場では見事な惨敗を続け、アイサイトが登場したモデル末期の方がむしろ好調だったという黒歴史を刻みました。

  価格設定を見る限りはアテンザワゴン(252万円〜)に対抗意識がメラメラのようです。ワゴンという共通点以外はNA&FWDのアテンザとターボ&AWDのレヴォーグとキャラクターが見事に分かれていて、どちらに分があるのか興味深いです。現行アテンザワゴンは3代目にして過去最高のデザインとの評判が高いです。セダンよりもワゴンの方がドイツ車に対して優位な立場といってもいいかも。スバルとしてはこの強敵に対して、価格とターボやAWDの魅力で十分に勝てると考えているようですが・・・。

  アテンザに対してやや古典的なデザインが特徴と言われているレヴォーグには、おそらくアテンザ以外にロックオンしたライバルが存在しています。それがレヴォーグより一足早く発売を開始した新型ゴルフ・ヴァリアントです。スバルはトヨタ陣営の世界戦略の一員として、最大のライバルであるVWグループを最も意識したクルマ作りをトヨタに指示されているはずです。レヴォーグはゴルフのような質実剛健をアピールするデザインを始め、ゴルフヴォアリアントと比較するとほぼ互角の価格帯での展開に持ち込んだ上で、クルマの中身で堂々と勝負しようという姿勢が見られます。果たしてゴルフWGとレヴォーグの真っ向からの戦いはどちらの勝利となるのでしょうか?


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