2014年1月28日火曜日

プレミオでドライブ。それにしてもトヨタ車は酷い。

  今週は彼女が忙しくてドライブに付き合ってもらえず、実家の家族の鎌倉ドライブに付き添ってきました。妹が運転するプレミオは初めて見た感じではトヨタらしいパッケージングの良さで5ナンバーとは思えない立派なイメージでしたが、実際に小一時間乗ってみるといろいろと難点に気がついてしまいます。

  トヨタは海外輸出モデルに関しては、しっかり欧州車の味付けを行っており、現在も輸入が継続されているアベンシスワゴンは固めた足周りはトヨタの国内モデルとはだいぶ違うのだとか。しかし車高があるせいかロールが大きいという批判もあります。そしてこのプレミオは柔らかい足周りで大きなロール・・・これは酔いそう。しかも直線でも左右にフラフラと共鳴するほどのサスの柔らかさはもはや軽自動車のようです。まだヴィッツの方がフラットに曲る気がするほど・・・。

  ただし高速道路を走ると意外にどっしりとします。なんとも不思議な仕組みで直進安定性が担保されています。シャシー性能に余裕があるので、電動パワステが重くなる速度帯では予想以上に高性能でしっとりと粘りを見せるようです。まだまだ伸び代がありそうなので、トヨタがその気になればプリメーラ的なクルマになるのかもしれませんが・・・。しかし一般道を走る速度(50km/h程度)での曖昧な乗り味(手応えが無く怖い)には納得できないです。対照的にドイツ車もその辺の速度では、ダンパーが十分に機能しないなど弱点を持っているので、一方的にトヨタ車を酷評するのはちょっと悪い気もしますが・・・。

  さてこのプレミオの最大の欠点は、意図的にスポイルされたシャシーの性能でも足回りの貧弱さでもなく、「車内」レイアウトにある気がします。マツダ車との大きな違いとして大いに不満なのはシート位置を下げられないことです。シートの高さが5cmも違えば操縦するクルマに感じる安定感は雲泥の差が出てきます。よく「お尻やペダルからのダイレクトな接地感」みたいな表現を使うBMW乗りの方がいますけど、トヨタのこういう設計のクルマと比べれば、そう表現したくなる気持ちもまあよく分かりますね。

  そしてなにより最悪なのがトヨタ純正ナビの音質の悪さでしょうか。これもシートポジションと並んでどうあっても許せない水準です。根本的にはスピーカー出力の問題なのでしょうが、これだったら音楽なんて聴かないほうがマシといってもいいくらいです。さらにエアコンや曇り止めの音も騒々しく、クルマに乗ってるだけでイライラしてしまいます。メルセデスやBMWも最近ではかなりウルサイのが増えてきているようですが、まあ駆カルチャーショックですね。トヨタさんには大変失礼を承知で言わせて貰うなら・・・こんなクルマいらねぇ!



  

2014年1月22日水曜日

アテンザとスカイラインが似てるって?

  FFのアテンザとFR&AWDのスカイライン。直4&軽量が身上のアテンザとV6&剛性を主張するスカイライン。欧州に切り込むアテンザと北米を制するスカイライン。Dセグセダンに求められる性能を見事に分担しているアテンザとスカイラインですが、新型同士のデザインが似ていると少々話題になっているようです。もちろん同クラスながらこれだけキャラクターが異なる2台ですからデザインが被っていてもなんら問題は無さそうなのですが。

  それぞれ2000年代に新型車種として開発されたアテンザとV35スカイラインは、どちらも当時最高のDセグドライビングカーとして人気を得ていたBMW3シリーズがターゲットだと公言していた。3シリーズは当時も今も8気筒のM3を頂点とした多グレード展開が基本であり、同じシャシーの中で量販車とスーパースポーツの顔を持っていた。とりわけボディ剛性に力点を置きつつもシャープなハンドリングがトレードマークだったようだ。

  さてこの3シリーズを追っかけたクルマはアテンザ、スカイラインの他に、アルテッツァ、アコード、アルファ156があった。いずれもBMWを十分に追撃できる開発力を持ったメーカーばかりで、それぞれにメーカーの期待を一身に背負って登場しただけあって、すべて「名車」として広くその名を知られているものばかりだ。アルファ156は後継の159を残したが、159が生産中止になって以降はアルファロメオのDセグはラインナップから消えてしまった。

  FFのアテンザはその設計上、直4エンジンのみの搭載となるため、必要以上に剛性を高めるのではなく、軽量でハンドリングに特化した味付けで3シリーズに対抗する方針を採った。FF車のハンドリングを大きく進化させるだけでなく、FRの3シリーズよりも良いハンドリングを目指す取り組みは無謀とも思えるが、不可能を限りなく可能な領域へと引きずり込む執念が功を奏して、日本の中型車として初めて欧州の扉をこじ開けた。3世代目のGJ系はディーゼルターボの性能でF30を圧倒・・・。

  一方のスカイラインはボディ剛性で3シリーズを分かりやすく上回ることで決着を付けるという、極めて日産的な手法で開発が進んだ。初期モデルの3.5Lエンジン(VQ35)を後になってからBMWの直6ターボを潰す為だけに3.7L(VQ37)へと変更された。その結果、北米のDセグで最も高性能なベースグレードを持つ、北米のこのクラスの最高級車へと駆け上がる。そして見事にBMWから北米(プレミアム)での覇権を奪取した。おまけにR35GT-RでM3のプライドもズタズタにした。

  もし日本にアテンザとスカイラインが無かったら・・・。日本メーカーはBMWに対抗するクルマが作れないことが表面化し、日本の高級車全体の信頼が大きく崩れてしまうだろう。日本車の面子を守るためにマツダと日産が必死になって作ってきたクルマが、アテンザとスカイラインだと言える。この2台とスバルのレガシィB4。これに乗らずに日本車をバカにする人は愚かだ。

  まるでマツダと日産が打ち合わせをして作り分けたといってもいいくらいのアテンザとスカイラインの奇妙な関係は他にもある。GH系アテンザとV36スカイラインのデザインはどちらもフランス・イタリア車にルーツがあるようなエレガントさを、特にリアデザインにまとっている。借り物のアイデンティティだと切り捨てる人もいるだろうけど、日本のセダンのデザインを何としても変えようという必死さが心に染みる。
  

2014年1月12日日曜日

ゴルフはなぜ北米でターボをやめたのか?

  日本では発売以来、大人気のようで輸入車Cセグの頂点を不動のものとしただけでなく、日本カーオブザイヤーまでさらっていったゴルフ7。VWが磨き上げた究極のパワーユニットTSIもいよいよ北米市場を席巻するときがやって来たのかな?と思っていましたが、どうやらゴルフの北米での展開は大きく転換した模様です。ゴルフ6までは1.4Lターボ1グレードの布陣で約18000ドル(アクセラ2Lやオーリス1.8Lとほぼ同じ)での展開を狙ったようですが、シビックやカローラ(オーリス)の牙城は崩せず1.4Lターボを用意したGMクルーズにも大きく遅れをとるという、日本の好調さからは到底予想が付かない苦戦を強いられました。

  VWの新たなる戦略では1.4Lターボを廃止しました。元々1.2ターボというインド・ASEAN向けの廉価ユニットは一流国のアメリカには持ち込んでいません。アメリカ人はこの手のクルマを嫌うので、フィアット・PSA・スズキの新興国向け3社はアメリカからの撤退を余儀なくされています。代わりに登場したのが2.5LのNAユニットです。アメリカではゴルフの兄弟車であるアウディA3が展開されておらず、VWはゴルフの中流ブランド化に活路を求めたようです。しかし価格設定はかなり弱気の約20000ドルです。同じ2.5LのNAを積んだアクセラが後から発売ながら約25000ドルの価格を設定したので、ゴルフを完全に無視しているといってもいいでしょう。

  北米では王者シビックとそれを追撃するカローラ、エラントラ、クルーズがいずれも1.8LのNAで約18000ドルの価格設定で横並びです。ちなみにワンクラス上のアコード、カムリは2.4LのNAで約21000ドルです。エラントラは1.8LのNA出力がライバルを上回っていると宣伝し、クルーズは1.4Lターボ、ディーゼル、EVと多彩な設定を売りにしています。

  ゴルフもガソリンモデルと同時にディーゼル(TDI)も投入していて、ディーゼルの本命マツダが販売体勢を整えないうちに北米で先鞭を付けています。VWとしてはライバルとの差を意識しての大型エンジン搭載で、北米ではまだまだ実現していないCセグの高級化を進めていきたいようです。北米ではメルセデスAクラスもBMW1のHBも発売されていないのが現状で、日本でそのジャンルが人気なことを考えると、都市部では相当な潜在需要があるのではないかと予想されます。ゴルフ7とアクセラが今後その需要に迫っていくようですが、自動車オンチの日本人とはひと味違うアメリカ人に上手く受け入れられるでしょうか?


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↓「アメリカを制したトヨタ」と「中国を制したVW」。売上高で比べればトヨタが段違いで上!比較なんてナンセンスではないかと・・・。

2014年1月7日火曜日

新型アクセラが街に出現し始めました!

  クラウンもアテンザも瞬く間に広まっていて、東京西部(調布市・府中市辺り)を30分も走っていれば、必ず見かけるようになりました。どちらも発売直後の1ヶ月での受注は約10000台くらいだったと思いますが、これだけ広まるとなると1万6千台受注のアクセラや2万台受注のハリアーはもっとハイペースで「日本の景色」になっていくのでしょうね。去年のカローラとオーリスは販売が低調だったこともあり、なかなかレアな存在です。

  新型オーリスはなかなか見かけませんが、その前に発売していたブレイドは意外とちょくちょく見かけます。ブレイドは高級志向だったこともあり、デザインは塗装の状態にもよりますが、いまでもとても新鮮です。特に良く出来たリアデザインを高く評価するならばCセグHBの中で史上最も優雅なモデルだと思います。実車を見るとなかなか迫力があり、トヨタには是非カムリ用HBを積んで復活を期待したいです。

  カローラやオーリスの不人気の理由は所有したいと思わせるだけの「重み」が感じられないのだと思います。カローラもオーリスもいざ買うとなれば200万円近くになりますが、バブル期ならば同じ価格でマークⅡが買えたことを考えると、若者にクルマを売りたいならばもっと重厚感がある味わい深いクルマにする必要があります。

  トヨタはスバルに86を作らせていますが、200万円のグレードはエアコンレスなどやや恣意的な要素もあり、その価格で売る気は今のところないようです。ロードスターRHTも273万円〜なので86が高過ぎると批判するのは筋違いだと思いますが、せっかくの名車をより多くの人に楽しんでもらえばいい気もします。

  さて1万6千人の人を早くも魅了した新型アクセラを家の前で見かけました。黒のスポーツHBでしたが、スリムに見えがちなカラーに負けることなく、車幅が増えた分がハッキリわかるほどの立派な存在感を誇っていました。ライバルのゴルフより20cm長いボディもワンクラス上の風格すらあります。これが171万円で買えるならバリュー感ありますね。

  先日発売されたドライバー誌のテストでゴルフにけちょんけちょんにされてましたが、その数値を見てオヤ?と思いました。今回から同じプラットフォームを使う事になったアクセラとアテンザですが、当然に軽量なアクセラの方が同じエンジンなら運動性能で勝るだろうという予想に大きく反して、制動力テストでアテンザの方が良いという驚きの結果になっています。重いアテンザを39.3mで止めるブレーキならゴルフにどうやっても楽勝のはずなのですが、まさかの41.3m・・・。これはコストダウンなのか? ゴルフ(39.9m)はアテンザ以下のカスと以前のブログ記事で笑い飛ばしたのですが・・・。だってインプは38.7mですよ!


   ↓マツダに対して厳しいドライバー誌。ホンダとスバルが一流。トヨタと日産と三菱が二流。マツダとスズキが三流。