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2014年7月8日火曜日

新型レガシィ に込められたスバルの信念

  世界のどこかに必ずユーザーはいる!という宛の無い冒険の旅に出ている日本車セダンの中にあって、新型レガシィの「何もしない」という堂々たるFMCぶりにはちょっと驚きです。トヨタやホンダがセダンに相応しい乗り味と優れた燃費を両立させたハイブリッドを投入しましたが、アメリカでのHV販売比率は低水準のままでやや空振りに終わった感があり、何もせずに研究開発費を温存できたスバルに完全に「風」が吹いてはいますが・・・。

  いまやグローバル販売の7割をアメリカ市場に依存しているスバル。OEM生産しているトヨタカムリも前倒ししたMC&フェイスリフトが大成功し、2014年5月度の販売で大幅に躍進しなんと約50000台を売り上げました。カムリはバカ売れなのにレガシィB4はさっぱりで、レガシィ全体の8割くらいがアウトバック(クロスオーバー)のシェアになってます。いよいよVWを抜き去りアメリカ市場で絶好調のスバルもブランド全体ではまだまだ45000台/月程度にすぎず、カムリ1車種よりも少ないのが現状です。

  生産能力が限界にきていることもあり、さらに北米に新工場を建設して、低成長の時代に強気なまでの生産力増強に打って出たスバルとしては、日本市場よりも自動車の変化に対して保守的な傾向を見せるアメリカ市場を睨んだFMCと言えるのかもしれません。もちろんアメリカに生産ラインを新設するということは、政治的な意味合いもあって「アメリカの皆さんスバル車をよろしく!」というゴマすりとも言えます。

  そんな中で発売されるのが、誰が見ても「スバルは変える気がない」と読み取れる新型レガシィですが、やはりアメリカ雑誌「Car and Driver」もデザインに関しては「まったく面白みなし!」と切り捨てています。それでも現行レガシィは日本でこそ失速しましたが、アメリカでは大躍進を果たしているので、面白みなしだけどアメリカ人にはウケるスタイルではあるようです。最近好調なフォード・フュージョンだってデザインに関しては似たようなつまらなさを感じます(失礼)。スバルは政治的に暗躍しているので、クルマはやや保守的に仕上げつつも「アメリカ人が好むセダンスタイル」としてそれなりに自信を持っているようです。

  それにしても外見は日産のティアナによく似ていて、バッジを見ないとまず見分けがつかないほどです。ティアナを去年のFMC前に初めて見た時には、何とも言えない失望感がありました。東京MSで大混雑のGT-Rブースのとなりでほとんど相手にされずに新型ティアナ佇んでいたのを思い出します。正直言ってあのときもっと良く見ておけばよかったなと、今になって後悔していたりするのですが・・・。このティアナのデザインはなぜかテーマカラーになっている赤はどうもイマイチで理解できないですが、その一方で黒は全体がシャープに見えてなかなかいい感じです。ただし黒だとなんとなく緑ナンバーが似合いそうなタクシーっぽい雰囲気にはなりますが。

  ティアナやレガシィの予想外に保守的なデザインを見ると、マツダ・アテンザやレクサスISのような「キャッチー」なデザインを施したセダンに対して、日産とスバルはややシニカルな想いすら感じているのか?という疑念が湧きます。「渋く」「地味」に作ってこそ「セダン」であり、プレミアムブランドへ憧れるユーザーが持つバイアスを利用して注目を集めようとする「やり方」はクルマの本質を歪めるし、それに群がる「ミーハー」なユーザーに乗ってほしいとも思わないのかも・・・。少なくとも「ティアナ」はそういうクルマになったと思います。初代や2代目はどこか色気付いていましたが、3代目は「乗ればわかる」といった達観したような趣きが感じられます。

  そしてこのティアナにそっくりのデザインで登場する予定の新型レガシィですが、現行モデルも乗り味の良さには定評があり、「見た目は・・・だけど、乗ってみたらやはりスバルのフラッグシップ」と唸らせられるでしょう。新型もデザイン自体はアメリカを意識した「ジャパニーズ・セダン」の王道スタイルなのでしょうが、日本市場ではマツダ・レクサスの「派手な」デザインと対比されるように、日産・スバルの「芯のある」デザインが作り分けられていて、セダンユーザーにとっては選択肢があることは歓迎すべきことではあります。マツダやレクサスが見落としている大切なものに、日産やスバルのセダンから気がつくことがありそうな予感です。とりあえず日本版の発表が楽しみで仕方がないです。


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2014年6月20日金曜日

マークXの後継セダンは「86」ベースらしい

  惜しまれつつも一昨年(2012年)に生産を終えたマツダの名車RX-8は、スポーツカーとしての専用プラットフォームを持ちつつ、そこから限りなくセダンとしての実用性を追求した「意欲作」でした。開発当時のマツダはアメリカ人社長の指揮のもと一丸となって、再建を目指していましたが、その切り札となったRX-8はいかにもアメリカ人らしい合理的な発想のクルマだったと思います。

  従来の日本は伝統と格式を重んじる国民性で、合理的なイノベーション自体は日本が最も苦手とする分野だと言われています。高度経済成長期における驚異的な経済成長には、もちろん日本企業によるイノベーションがありましたが、これはむしろ例外的な事例であり、太平洋戦争で日本にあった「伝統」や「格式」が破壊され、日本全体がイノベーションを生み出し易い「確変」的な状況になっていたということが、本田宗一郎氏の自伝の中にも力強く記されていました。

  オイルショック、バブル崩壊、リーマンショック。マツダにとっては「伝統」と「格式」が脆くも崩壊する瞬間が過去40年の中で3度ありました。そこで生まれたイノベーションは結果的にマツダをさらに高い地位へと引き上げているので、見事に「ピンチをチャンスに変える」ことに成功しています。そのイノベーションの中で5代目ファミリアが生まれ、RX-8・初代アテンザ・初代アクセラが生まれ、今また初代CX5と3代目アクセラが飛翔しています。でもって経営が安定している時は・・・ビ◯ンテみたいな摩訶不思議なデザインのクルマが出て来ちゃったりするのですが。

  RX-8以外の名車はマツダの系譜として現行モデルの中に生きていますが、日本中を振り向かせたRX-8の「スポーツカーシャシーの4ドア」という画期的なコンセプトは、マツダの「プロパー」として残ることは出来ませんでした。そのアイディアを拾おうとしているのが、「マーケティングの鬼」といわれるトヨタです。クラウンやレクサスISとの区別が曖昧になってしまっているマークXのモデル廃止を受け、その受け皿となるモデルをつくるべく、86をベースとした4ドアセダンの開発が実際に行われているそうです。

  「マーケティングの鬼」トヨタがスポーツカーベースの4ドアセダンにGOサインを出した真意とは何か? 欧州やオセアニア地域における「86」への反響は、発売当初より大きく、スポーツカー専用モデルを3万ユーロ以下で出したトヨタは「唯一無二」の存在だという高い評価を得た事が自信になっているといわれています。そしてメルセデスCLAのような廉価な4ドアクーペが世界の多くの地域で活躍していることから、中国や東南アジアなどの成長市場に投入する「プライベート・スペヤルティカー」として開発するのにタイムリーであることが最大の理由だと思われます。

  輸入車ブランドならば確実に1000万越えするであろう、新型スカイラインHVが450万円で発売されても尚、「高い!」という声があるなど、高級セダンそのもののニーズの狭さが明らかになってきました。日産もスカイラインの下に初代プリメーラのようなお手頃でスタイリッシュなセダンを据えていくなど、将来的なスカイラインやフーガの見込み客を囲い込む方策をとらないことには、高級セダンの売上は維持できないと思われます。同じく新型シャシーを投入して意気込んだGSやISの受注が案外だったレクサスにしても、入門モデルの品薄感でメルセデスに再逆転を許す歯痒い展開です。ブランドの基幹モデル(LS、GS、IS)は非常にレベルが高いのですが、そこへ誘導する入門モデルのCTや新たに投入されるNXではやや役不足な感があります。

  マークXの後継モデルがレクサスから発売されるとなると、それなりに風当たりが強そうで、トヨタとレクサスにそれぞれ用意した、ハリアーとNXのような関係に持っていくのではないかと思われます。いずれにせよトヨタが本気で着手するだけの理由は十分にありそうなモデルなので、多くの人々が満足するようなクルマとなって発売されることを期待して待ちたいと思います。エンジンはNX用の2Lターボになるのでしょうか?


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2014年6月13日金曜日

スバル・新型レガシィB4は「世界一の〇〇なセダン」

  「売れ過ぎちゃって困る」とか本気で言ってそうな最近のスバル。アテンザが「世界一美しいセダン」、レクサスISが「ボディ剛性世界一」、アコードが「燃費世界一」、スカイラインが「ベースモデルで世界最速」とこれでもか!と、大暴れしている新型の日本車D/Eセグセダンの流れに乗って「何かやれ!」と言いたい気分ですが、とりあえず新型レガシィB4にはそういう芸は用意されていないようです。まあ「世界一」とかいわれてもだから何?って感じではありますが・・・。

  もはやドイツ車も韓国車もフランス車もアメリカ車も、日本メーカーの凶暴なまでのストイックさに唖然とするしかないわけですが、アテンザ以外の3台がどうしたことか?日本では予想外に評価されていないです。それどころかあちこちから批判すら聞こえてくる始末です。確かに従来の同クラスの日本車セダンと比べて高性能の分だけ、ちょっと価格が高めに設定されています。レクサスISとスカイラインHVは乗り出しで500万円を確実に超えますし、こうなってくるとなかなか安易に検討できる人は多くないでしょうし、「費用対効果」でシビアにクルマの価値を測るとしたら、日本で乗るには「余分な性能」だらけとも言えます。いくらクルマが良くてもこれではとても幸せになれない!と言いたい気持ちも分らなくもないです。

  しかしそこはアテンザも含めて「世界一」のクルマ達ですから、誰でも気軽に購入できる価格に収まるはずもないわけで、その意味では「やり過ぎ」ということになるのでしょうが、これまで散々に「ドイツ車に負けてる!」と叩かれてきたわけですし、メーカーの気持ちも痛いほど良く分りますし、セダン好きとしては可能ならば4台全てを買ってあげたい気分です。作る側も日本で一番優秀な人々がやっているわけですから、批判が来る事もすべて想定内なわけで、誰もが分っていることでしょうが「日本人に乗ってもらおうと思って作っているわけではない!」という本音を隠し持っているはずです。

  今よりも若者の賃金が高く、将来への不安を口にする人も少なかった時代に、171万円でマークⅡが売られていたわけです。そんな「激甘」な時代を過ごした人々から見れば、今の状況はとても受け入れられるものではないでしょうし、新型スカイラインを袋叩きに遭うのは仕方のないことだと思います。だからといって日本人を甘やかす必要もないですし、「世界一」に乗りたい人は仕事を頑張るなり、節約するなりして買えばいいわけで、まあ目くじらを立てるのは野暮だと思います。

  間もなく登場すると言われるスバルB4ですが、先代でやや後手を踏んだデザインを改善した以外はこれといった大きな変化はなさそうです。ボディサイズはライバル車なみに拡大されました。また水平対抗エンジンの特性上、車高が下げられないという弱点を抱えていて1500mmを超えるようで他車と比べてもやや腰高で、伸びやかさに欠けるスタイルになりそうです。それでも先代と比べて全長も伸ばされていますからバランスは確実に良くなっています。

  公開されているフロントフェイスに関しては、先行するレヴォーグがややメルセデスAやCLAに近い「サイバー・デザイン」にまとめられているのに対し、フォーマルサルーンとしての格調を重んじたものになっていて「小型でスポーティ」というブランドイメージから、やや離れた趣があります。それでいてどこかのプレミアムブランドに似るということもなく、スバルのオリジナルな造形に好感が持てます。強いて挙げれば、日本ではあまり馴染みがないですが、GMグループの豪州メーカー・ホールデンが手掛けるコモドアというラージセダンに造形の雰囲気が似ています。

  コモドアは一昨年に日本でも正規代理店が指定され、西日本方面に小さなインポーターができたと聞きましたが、まず走っているのをみたことがないですね。このコモドアはセルシオやレクサスLSの初期形をイメージした和風?なデザインで、なかなか日本人の心に刺さるんですよね。ただしサイズもレクサスLSと同じですが・・・。GMグループはこれをベース車にしてアメリカでは「シボレーSS」を、イギリスでは「ボクスホールVXR8」という400ps超というなんともゴージャスなクルマを作っています。シボレーSSは北米で450万円で買える!ってのはちょっと驚きです。

  「ジャガー」や「ミニ」といった日本人も親しみやすいデザインが特徴の島国イギリスで、セルシオ似のコモドアを改造したVXR8が大成功し、欧州GM(オペル)のスポーツチューンが熟成された成果がGMグループの本国アメリカへと持ち帰られ、そのままシボレーの最上位のスポーティサルーン「SS」として置かれました。そして旧メルセデスEクラスベースの「クライスラー300C SRT-8」とV8エンジンのラージセダンという枠で覇を競うという展開はなかなかスリリングです。「W210」vs「30系」が今も北米で現行モデルで行われていいるわけです(F30はデザインだけですが)。

  ちょっと横道それましたが、要するに新型レガシィB4はもしかしたら、日本車ファンの心の奥底に眠っているセルシオや、まだまだデザインが上品な時代のクラウンを連想させる、なんとも「古典的」でありながら「ブリリアント」なデザインのセダンとして、予想外に愛されるのではないか?と思うわけです。先代と同じターボなのか?それともフラット6が復活するのか?それともフラット6ターボという「怒濤の展開」なのか?といろいろ期待できる部分もあるのですが、この落ち着いたデザインは最近の「セダン祭り」でどこかに忘れてしまっていた、「日本車セダンのイディア」を思い出させてくれる重要な一台になりそうです。

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2014年4月16日水曜日

新型レガシィB4 にサプライズの予感が!?

  Dセグセダンの売り方(作り方)がだいぶ変わってきたように感じます。どのメーカーも真剣そのもので、過剰品質による過当競争が始まってるのではないかと思わず心配してしまうほど。何が過剰なのかというと、わざわざ新型シャシーを投入した「レクサスIS」にパワーユニットや駆動方式を全面的に改めた「スカイライン」、そしてとうとう前後輪ともにマルチリンクという豪華仕様になってハンドリングと乗り心地が急激に良くなっているらしい「Cクラス」。なぜ世界的にそれほど売れるわけではないDセグセダンにここまで開発資源を投入するのか?それほど爆発的に伸びるほど安い価格帯でもないけど・・・。

  さらにホンダ「アコードHV」もマツダ「アテンザ」も他のブランドには無い独特の魅力(優良燃費HVやクリーンディーゼル)を強くアピールして独自の世界感を演出しています。一体いつからDセグはこんなに「高性能」なクルマばかりになったのか? 一応いろいろ調べてみると、先駆けとなったのは2011年の後半から2012年初頭にかけて登場した「2台」じゃないかという結論になりました。

  1台は「トヨタ・カムリHV」。これまで燃費よりも乗り味をまず追求する必要があったDセグに、フルHVでリッター20kmを実現する?みたいな触れ込みで登場。しかもHVの難点と思われていた気持ちのよい加速性能も余裕たっぷりの上質な出力でHVの常識を打ち破って、トヨタも予想しなかったスマッシュヒットを記録。そしてもう1台は「BMW320d」。いよいよ欧州の主流のパワートレインであるディーゼルがプレミアムブランドで登場!「BMWのブランド力」「ディーゼルの意外なスポーツ性」「経済性(燃費&抑えた価格)」が呼び水となり、気がつけばF30型3シリーズの半分以上が「320d」だったとか。

  さてスバルとしてはこの大きく変わった市場環境とライバルについてを歓迎しているのか? そしていよいよ発表されるレガシィB4には一体どういった「工夫」が盛り込まれるのでしょうか? スバルがすでに量販モデルを発表しているレヴォーグは、Cセグ車をベースにしているけど、価格帯は完全にDセグ。そしてレヴォーグの最大のアピールポイントはスポーツモデル「WRX」と基本設計が同じという点で、ファンのみならず高性能ワゴンを求める層にとって従来の「レガシィ"GT"」とはひと味違う納得の1台だと思います。

  レヴォーグがかなり「前衛的」な設計だったので、セダンモデルとなるレガシィB4は比較的「穏やか」になるという見方もありますが、ここはDセグの「激しい潮流」に則ってレヴォーグのようにファンを驚かせる「グレード」を用意するのが、スバルというメーカーのポリシーか。特に追加的な開発を要さなくても、北米向けのボクサー6気筒ガソリンを日本でもB4で復活させることは可能です。水平対抗6気筒は「静音」「制振」において設計上はV型6気筒よりもアドバンテージがあると言われています。

  メルセデスもV6エンジンへの限界を感じたようで、次期Eクラスから直6エンジンへの回帰が行われると噂されています。スバルとしては直6には敵わないまでも特異な設計で、「高級車のパワーユニット」として十分にアピールできる「ボクサー6」は、さらなる高級サルーンへと踏み込んだ作りになる新型レガシィのコンセプトにも一致します。

  スバルにはまだまだ隠し球があって、欧州で密かに発売している「水平対抗ディーゼル」&CVTというユニットを日本の環境基準に適合させるべく改良が進められています。さて突如巻き起こったDセグの「高性能合戦」。すでに全グレードAWDにするなど、独特の設計を盛り込んできたレガシィにとっては「望むところだ!」と気合いが入る展開かもしれません。とりあえず楽しみにFMCの発表を待ちたいと思います。


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2014年4月9日水曜日

アテンザの好きな点・嫌いな点 

  マツダ・アテンザは2012年に3代目が登場し、そのデザインで世間の注目を集めました。初代がデビューした2002年当時は、マツダにはさらに上のグレードのセダン(ミレーニア)があったので、中型のスポーツセダンとしてアクティブなユーザーに親しんでもらうモデルでしたが、2代目からはマツダの最上級モデルとなったため、スポーティさは次第に薄まり、高級感を演出するコンセプトへと変化してきました。

  初代と3代目を見比べると、10年間でここまで変わるものか?というほどにマツダが気合を入れて作りこんでいる様子が分ります。もちろんそれはマツダが置かれていた特殊な環境によるものでして、端的に言えば中型セダンに最大限に注力できるメーカーが世界を見渡してもマツダとスバルくらいなものだったからです。欧州のVWやプジョーなどは小型のクルマに主眼を置いていますが、マツダやスバルの場合は小型車技術が発達した日本での成長が見込めないために、「中型車主体」という稀な戦略を採りました。

  アテンザやレガシィと同クラスのセダンは、トヨタカムリ、日産ティアナ、ホンダアコードでは北米向けの汎用型セダンとして、サイズから乗り味(アクセル、ブレーキ)から全てアメリカ向けの「おおらか」な設計がされています。クイックなハンドリングではなくバスを運転している感覚こそが高級感の演出というアメリカ人的解釈がよく反映されています。その中で欧州向けのクイックなハンドリングのアテンザは独自のポジションを築きました。

  一方、メルセデス、BMW、アウディ、レクサスといったプレミアムブランドでは、アテンザクラスのクルマはあくまで入門車扱いであり、メーカーからは意図的に機能を抑えた設計がされていたために、マツダの貧弱な経営基盤でも十分に対抗できるクルマを作ることができたようです。最近ではレクサスやメルセデスでDセグセダンの性能をかなり引き上げる動きが出て来たので、BMWやアウディにもこれが波及するでしょうから、マツダとしては正念場を迎えることになりそうです。

  迷走の2000年代を過ごしたと言われるBMWの「3シリーズ」と「アテンザ」を比較すると、「E46」をコピーして誕生した「初代GG」の段階ではクルマの雰囲気はとても良く似ています。しかし「E90」に比べてサルーンとしての快適性を主張した「2代目GH」は、いち早く現在の欧州のトレンドになった「4ドアクーペ」調の空力追求型へと踏み出し静音性・快適性をアピールするようになりました。「F30」が完全に欧州のトレンドを掴み損ねている中で、「3代目GJ」はサイズを1クラス上の5シリーズサイズまで拡大し、停滞気味の欧州D/Eセグの顧客に対し魅力あるクリーンディーゼルで訴求しました。

  何がいいたいかというと、「非プレミアムブランド」としてのフットワークの良さをフル活用して、世界的なブランドであるメルセデスやBMWに揺さぶりを掛けることに成功しつつあることが素晴らしい! もちろんマツダの儲けなどメルセデスやBMWの比べれば大したことはないのですが、「非プレミアム」の中堅メーカーがグローバルで生き残っていることがすでに「大成功」だと言えます。

  そしてそのアクティブな姿勢がレクサスやメルセデスに危機感を抱かせ、実際にアテンザと同クラスのクルマの進歩は目覚ましいものがあります。VWがCセグでどんなにいいクルマを作ってもレクサスやメルセデスにとっては痛くも痒くもないわけですが、アテンザだけはどうしても放置できないというわけです。これってとても「天晴れな」ことじゃないですか!

  ただアテンザが怒濤のように3代目まで突き進んでみると、スポーツセダンの頃を愛していたユーザーにとっては一抹の寂しさがあります。大きく変化するアテンザに対し、プレミアムブランドとして急激な変化を避けてきたBMWのラインナップに、以前のアテンザの姿を見てしまうことも・・・。マツダはそろそろ真剣に「スポーツセダン・アテンザ」の復刻を考えてほしいなと思います。



  ↓このクルマを見かけると、とっても羨ましいなと思うこの頃です・・・。

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2014年1月28日火曜日

プレミオでドライブ。それにしてもトヨタ車は酷い。

  今週は彼女が忙しくてドライブに付き合ってもらえず、実家の家族の鎌倉ドライブに付き添ってきました。妹が運転するプレミオは初めて見た感じではトヨタらしいパッケージングの良さで5ナンバーとは思えない立派なイメージでしたが、実際に小一時間乗ってみるといろいろと難点に気がついてしまいます。

  トヨタは海外輸出モデルに関しては、しっかり欧州車の味付けを行っており、現在も輸入が継続されているアベンシスワゴンは固めた足周りはトヨタの国内モデルとはだいぶ違うのだとか。しかし車高があるせいかロールが大きいという批判もあります。そしてこのプレミオは柔らかい足周りで大きなロール・・・これは酔いそう。しかも直線でも左右にフラフラと共鳴するほどのサスの柔らかさはもはや軽自動車のようです。まだヴィッツの方がフラットに曲る気がするほど・・・。

  ただし高速道路を走ると意外にどっしりとします。なんとも不思議な仕組みで直進安定性が担保されています。シャシー性能に余裕があるので、電動パワステが重くなる速度帯では予想以上に高性能でしっとりと粘りを見せるようです。まだまだ伸び代がありそうなので、トヨタがその気になればプリメーラ的なクルマになるのかもしれませんが・・・。しかし一般道を走る速度(50km/h程度)での曖昧な乗り味(手応えが無く怖い)には納得できないです。対照的にドイツ車もその辺の速度では、ダンパーが十分に機能しないなど弱点を持っているので、一方的にトヨタ車を酷評するのはちょっと悪い気もしますが・・・。

  さてこのプレミオの最大の欠点は、意図的にスポイルされたシャシーの性能でも足回りの貧弱さでもなく、「車内」レイアウトにある気がします。マツダ車との大きな違いとして大いに不満なのはシート位置を下げられないことです。シートの高さが5cmも違えば操縦するクルマに感じる安定感は雲泥の差が出てきます。よく「お尻やペダルからのダイレクトな接地感」みたいな表現を使うBMW乗りの方がいますけど、トヨタのこういう設計のクルマと比べれば、そう表現したくなる気持ちもまあよく分かりますね。

  そしてなにより最悪なのがトヨタ純正ナビの音質の悪さでしょうか。これもシートポジションと並んでどうあっても許せない水準です。根本的にはスピーカー出力の問題なのでしょうが、これだったら音楽なんて聴かないほうがマシといってもいいくらいです。さらにエアコンや曇り止めの音も騒々しく、クルマに乗ってるだけでイライラしてしまいます。メルセデスやBMWも最近ではかなりウルサイのが増えてきているようですが、まあ駆カルチャーショックですね。トヨタさんには大変失礼を承知で言わせて貰うなら・・・こんなクルマいらねぇ!



  

2014年1月22日水曜日

アテンザとスカイラインが似てるって?

  FFのアテンザとFR&AWDのスカイライン。直4&軽量が身上のアテンザとV6&剛性を主張するスカイライン。欧州に切り込むアテンザと北米を制するスカイライン。Dセグセダンに求められる性能を見事に分担しているアテンザとスカイラインですが、新型同士のデザインが似ていると少々話題になっているようです。もちろん同クラスながらこれだけキャラクターが異なる2台ですからデザインが被っていてもなんら問題は無さそうなのですが。

  それぞれ2000年代に新型車種として開発されたアテンザとV35スカイラインは、どちらも当時最高のDセグドライビングカーとして人気を得ていたBMW3シリーズがターゲットだと公言していた。3シリーズは当時も今も8気筒のM3を頂点とした多グレード展開が基本であり、同じシャシーの中で量販車とスーパースポーツの顔を持っていた。とりわけボディ剛性に力点を置きつつもシャープなハンドリングがトレードマークだったようだ。

  さてこの3シリーズを追っかけたクルマはアテンザ、スカイラインの他に、アルテッツァ、アコード、アルファ156があった。いずれもBMWを十分に追撃できる開発力を持ったメーカーばかりで、それぞれにメーカーの期待を一身に背負って登場しただけあって、すべて「名車」として広くその名を知られているものばかりだ。アルファ156は後継の159を残したが、159が生産中止になって以降はアルファロメオのDセグはラインナップから消えてしまった。

  FFのアテンザはその設計上、直4エンジンのみの搭載となるため、必要以上に剛性を高めるのではなく、軽量でハンドリングに特化した味付けで3シリーズに対抗する方針を採った。FF車のハンドリングを大きく進化させるだけでなく、FRの3シリーズよりも良いハンドリングを目指す取り組みは無謀とも思えるが、不可能を限りなく可能な領域へと引きずり込む執念が功を奏して、日本の中型車として初めて欧州の扉をこじ開けた。3世代目のGJ系はディーゼルターボの性能でF30を圧倒・・・。

  一方のスカイラインはボディ剛性で3シリーズを分かりやすく上回ることで決着を付けるという、極めて日産的な手法で開発が進んだ。初期モデルの3.5Lエンジン(VQ35)を後になってからBMWの直6ターボを潰す為だけに3.7L(VQ37)へと変更された。その結果、北米のDセグで最も高性能なベースグレードを持つ、北米のこのクラスの最高級車へと駆け上がる。そして見事にBMWから北米(プレミアム)での覇権を奪取した。おまけにR35GT-RでM3のプライドもズタズタにした。

  もし日本にアテンザとスカイラインが無かったら・・・。日本メーカーはBMWに対抗するクルマが作れないことが表面化し、日本の高級車全体の信頼が大きく崩れてしまうだろう。日本車の面子を守るためにマツダと日産が必死になって作ってきたクルマが、アテンザとスカイラインだと言える。この2台とスバルのレガシィB4。これに乗らずに日本車をバカにする人は愚かだ。

  まるでマツダと日産が打ち合わせをして作り分けたといってもいいくらいのアテンザとスカイラインの奇妙な関係は他にもある。GH系アテンザとV36スカイラインのデザインはどちらもフランス・イタリア車にルーツがあるようなエレガントさを、特にリアデザインにまとっている。借り物のアイデンティティだと切り捨てる人もいるだろうけど、日本のセダンのデザインを何としても変えようという必死さが心に染みる。
  

2014年1月12日日曜日

ゴルフはなぜ北米でターボをやめたのか?

  日本では発売以来、大人気のようで輸入車Cセグの頂点を不動のものとしただけでなく、日本カーオブザイヤーまでさらっていったゴルフ7。VWが磨き上げた究極のパワーユニットTSIもいよいよ北米市場を席巻するときがやって来たのかな?と思っていましたが、どうやらゴルフの北米での展開は大きく転換した模様です。ゴルフ6までは1.4Lターボ1グレードの布陣で約18000ドル(アクセラ2Lやオーリス1.8Lとほぼ同じ)での展開を狙ったようですが、シビックやカローラ(オーリス)の牙城は崩せず1.4Lターボを用意したGMクルーズにも大きく遅れをとるという、日本の好調さからは到底予想が付かない苦戦を強いられました。

  VWの新たなる戦略では1.4Lターボを廃止しました。元々1.2ターボというインド・ASEAN向けの廉価ユニットは一流国のアメリカには持ち込んでいません。アメリカ人はこの手のクルマを嫌うので、フィアット・PSA・スズキの新興国向け3社はアメリカからの撤退を余儀なくされています。代わりに登場したのが2.5LのNAユニットです。アメリカではゴルフの兄弟車であるアウディA3が展開されておらず、VWはゴルフの中流ブランド化に活路を求めたようです。しかし価格設定はかなり弱気の約20000ドルです。同じ2.5LのNAを積んだアクセラが後から発売ながら約25000ドルの価格を設定したので、ゴルフを完全に無視しているといってもいいでしょう。

  北米では王者シビックとそれを追撃するカローラ、エラントラ、クルーズがいずれも1.8LのNAで約18000ドルの価格設定で横並びです。ちなみにワンクラス上のアコード、カムリは2.4LのNAで約21000ドルです。エラントラは1.8LのNA出力がライバルを上回っていると宣伝し、クルーズは1.4Lターボ、ディーゼル、EVと多彩な設定を売りにしています。

  ゴルフもガソリンモデルと同時にディーゼル(TDI)も投入していて、ディーゼルの本命マツダが販売体勢を整えないうちに北米で先鞭を付けています。VWとしてはライバルとの差を意識しての大型エンジン搭載で、北米ではまだまだ実現していないCセグの高級化を進めていきたいようです。北米ではメルセデスAクラスもBMW1のHBも発売されていないのが現状で、日本でそのジャンルが人気なことを考えると、都市部では相当な潜在需要があるのではないかと予想されます。ゴルフ7とアクセラが今後その需要に迫っていくようですが、自動車オンチの日本人とはひと味違うアメリカ人に上手く受け入れられるでしょうか?


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↓「アメリカを制したトヨタ」と「中国を制したVW」。売上高で比べればトヨタが段違いで上!比較なんてナンセンスではないかと・・・。

2014年1月7日火曜日

新型アクセラが街に出現し始めました!

  クラウンもアテンザも瞬く間に広まっていて、東京西部(調布市・府中市辺り)を30分も走っていれば、必ず見かけるようになりました。どちらも発売直後の1ヶ月での受注は約10000台くらいだったと思いますが、これだけ広まるとなると1万6千台受注のアクセラや2万台受注のハリアーはもっとハイペースで「日本の景色」になっていくのでしょうね。去年のカローラとオーリスは販売が低調だったこともあり、なかなかレアな存在です。

  新型オーリスはなかなか見かけませんが、その前に発売していたブレイドは意外とちょくちょく見かけます。ブレイドは高級志向だったこともあり、デザインは塗装の状態にもよりますが、いまでもとても新鮮です。特に良く出来たリアデザインを高く評価するならばCセグHBの中で史上最も優雅なモデルだと思います。実車を見るとなかなか迫力があり、トヨタには是非カムリ用HBを積んで復活を期待したいです。

  カローラやオーリスの不人気の理由は所有したいと思わせるだけの「重み」が感じられないのだと思います。カローラもオーリスもいざ買うとなれば200万円近くになりますが、バブル期ならば同じ価格でマークⅡが買えたことを考えると、若者にクルマを売りたいならばもっと重厚感がある味わい深いクルマにする必要があります。

  トヨタはスバルに86を作らせていますが、200万円のグレードはエアコンレスなどやや恣意的な要素もあり、その価格で売る気は今のところないようです。ロードスターRHTも273万円〜なので86が高過ぎると批判するのは筋違いだと思いますが、せっかくの名車をより多くの人に楽しんでもらえばいい気もします。

  さて1万6千人の人を早くも魅了した新型アクセラを家の前で見かけました。黒のスポーツHBでしたが、スリムに見えがちなカラーに負けることなく、車幅が増えた分がハッキリわかるほどの立派な存在感を誇っていました。ライバルのゴルフより20cm長いボディもワンクラス上の風格すらあります。これが171万円で買えるならバリュー感ありますね。

  先日発売されたドライバー誌のテストでゴルフにけちょんけちょんにされてましたが、その数値を見てオヤ?と思いました。今回から同じプラットフォームを使う事になったアクセラとアテンザですが、当然に軽量なアクセラの方が同じエンジンなら運動性能で勝るだろうという予想に大きく反して、制動力テストでアテンザの方が良いという驚きの結果になっています。重いアテンザを39.3mで止めるブレーキならゴルフにどうやっても楽勝のはずなのですが、まさかの41.3m・・・。これはコストダウンなのか? ゴルフ(39.9m)はアテンザ以下のカスと以前のブログ記事で笑い飛ばしたのですが・・・。だってインプは38.7mですよ!


   ↓マツダに対して厳しいドライバー誌。ホンダとスバルが一流。トヨタと日産と三菱が二流。マツダとスズキが三流。
  

2013年12月27日金曜日

スバル・レヴォーグは何にロックオンしているか?

 消費税8%が目前に迫り、空前の新車発売ラッシュの様相を示しています。当初は自動車取得税廃止で帳尻を合わせるなんて言われていましたが、10%になるまで見送りだそうです。そもそもクラウンマジェスタといったどこがエコなのか分からないようなクルマにも免税が適用されているのが実情で、取得税自体にはそもそもあまり意味がなくなっているというのもあるのでしょうか? どう考えてもフィアット500なんかエコな感じがしますけど適用外です。その一方でエコではない大衆メーカーのBMWは主要ラインナップほぼ全てが免税・減税です。もちろん真の高級車ランドローバー、ジャガー、ポルシェなどは全ラインナップ適用外。

  とりあえず高級車を買う人は2年待ったほうがお得になりそうですけど、実際にはそんなこと考えて買う人は少ないのかも。それ以外の大衆ブランドは4月の前までの滑り込み需要が最大のチャンスで、ここを逃すようだと致命的です。そして4月を過ぎればマクドナルドのように次々と店舗が閉鎖していくブランドも出てくるでしょうか・・・。

  スバルもこの最大のチャンスに期待の新型車レヴォーグをギリギリ間に合わせてきました。レガシィTWの後継モデルなのでどうやら半年ほど前倒しでの登場に努力の痕が伺えます。しかし目下のところ北米向け輸出が絶好調でレガシィ生産ラインはフル稼働状態で、余剰生産能力を使い切っている状況です。こうなってくると売上が落ち着いてきている86/BRZの生産効率の悪さがちょっと恨めしところでしょうか。

  よって購入予定者は1月4日の予約開始に合わせてスバルに殺到しない限り、消費税増税分の約10万円程度の負担増になります。どうせ8%になったらその分値引きするんでしょ?それ前提の価格設定になっているんでしょ?という見方もあるでしょうが、受注が好調ならば本体値引はなく、ディーラーオプション10万円くらいのキャンペーンになるでしょう。ちなみにスバルのアイサイトはディーラーオプションではなく、本体価格に組み込まれています。

  いよいよレヴォーグの価格が発表され、1.6Lターボと2.0Lターボの価格が公表されました。税抜きで247万円〜でレガシィTWとほぼ同じになっています。とりあえず特別なお値打ち感はなく、クルマの魅力で売っていかなければいけない価格帯と言えます。現行のレガシィは全く魅力が打ち出せずに日本市場では見事な惨敗を続け、アイサイトが登場したモデル末期の方がむしろ好調だったという黒歴史を刻みました。

  価格設定を見る限りはアテンザワゴン(252万円〜)に対抗意識がメラメラのようです。ワゴンという共通点以外はNA&FWDのアテンザとターボ&AWDのレヴォーグとキャラクターが見事に分かれていて、どちらに分があるのか興味深いです。現行アテンザワゴンは3代目にして過去最高のデザインとの評判が高いです。セダンよりもワゴンの方がドイツ車に対して優位な立場といってもいいかも。スバルとしてはこの強敵に対して、価格とターボやAWDの魅力で十分に勝てると考えているようですが・・・。

  アテンザに対してやや古典的なデザインが特徴と言われているレヴォーグには、おそらくアテンザ以外にロックオンしたライバルが存在しています。それがレヴォーグより一足早く発売を開始した新型ゴルフ・ヴァリアントです。スバルはトヨタ陣営の世界戦略の一員として、最大のライバルであるVWグループを最も意識したクルマ作りをトヨタに指示されているはずです。レヴォーグはゴルフのような質実剛健をアピールするデザインを始め、ゴルフヴォアリアントと比較するとほぼ互角の価格帯での展開に持ち込んだ上で、クルマの中身で堂々と勝負しようという姿勢が見られます。果たしてゴルフWGとレヴォーグの真っ向からの戦いはどちらの勝利となるのでしょうか?


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2013年12月18日水曜日

トヨタ86ってやはり凄いらしい・・・

  レクサスRCのデザインはいろいろとイメージを掻き立ててくれます。新型レクサスISもそうですが、レクサスの最新のクルマは親近感を持ちやすいです。2005年の日本でのブランド立ち上げ以降、ラインナップは増え続けていて、生涯レクサス宣言してもいいほどのバラエティに富んだ陣容になってきました。しかしいずれの初号機も・・・やや保守的というか、そのまんまじゃないかと・・・。トヨタブランドに人一倍愛着があるならば良いのかもしれませんが。

  導入時は賛否両論ありましたが、スピンドルグリルはほぼ完璧に成功したと思います。少なくともLS・GS・ISの3台に関してはレクサス車としてのオリジナリティを確立できたのではないでしょうか。トヨタ風味のデザインが良かったのにというコンサバな意見もあるようですが、トヨタブランドは今後も健在でさらなる魅力的なモデルの追加に全力を注ぐという前向きな意思表明だと思うべきでしょう。

  そもそもレクサスは少数派であることが価値であり、レクサスが日本車の標準になっては絶対にマズいのです。レクサス愛好家にとっても一般ユーザーにとってもそれが幸せな環境です。よってレクサスを所有している人に出会ったら、とりあえず「かっこいいですね」と心を込めて伝えるべきです。間違っても欠点など挙げ連ねてはいけません。

  レクサスは日本のマスコミなどにはやや過小評価されていますが、世界的にも非常に影響力のあるブランドであることは間違いありません。レクサスの成長の前に危機感を感じる代表的な高級車ブランドである独メルセデスは、ラインナップの大幅な見直し&拡大に加えて、今後はさらなるクオリティの向上(回復?)を目指して改革を行っています。日本でもすでに新型Sクラス(W222)や新たに追加されたハッチバックのスポーツモデル・A45AMGが、レクサスを遥かに超える水準の価格設定にも関わらず、好調に受注を伸ばしているようです。

  レクサスよりも高級なブランドのスポーツカーなんてため息しか出ないかもしれないですが、クルマの基本性能となると見方も全く変わってきます。イギリスの権威あるモーター誌がハンドリングに定評があるモデルを10台集めて比較するという企画では意外な結果が出ていました。なんとトヨタ86のハンドリングは、A45AMG、ジャガーFタイプ、ポルシェケイマンSといった日本で今、脚光を浴びている輸入スポーツ3台よりも上位にランクインしていました。

  AWDのA45AMGがFRの86に負けるのは想像できますが、断トツの最下位でフォード・フィエスタ(マツダデミオの兄弟車)にも負けるというショッキングな結果です。パワーに足がついていかず、コーナーを攻めると内輪が接地しなくなりハンドリング性能が大きく低下するのだとか・・・怖いな。Fタイプは車重がネックだと思いますが、ケイマンSが86に負けるのは意外ですね・・・。

  まあレクサスも素晴らしいですが、トヨタブランドもまだまだ捨てたもんじゃないですよ! 86を上回ったクルマはポルシェ911GT3と12気筒のフェラーリベルリネッタとアストンマーティンヴァンテージSの両雄。そしてサーキット専用モデルのラディカルRXCでした。あくまでサーキットでの極限コーナリングでの話ですけどね・・・。しかも10台の中で最高にに楽しいのは審査員全員一致で86なんだそうです。これって凄くないですか?


2013年12月10日火曜日

アテンザは日本車の新たなアイコン!

  京都・滋賀にドライブに行ってきました。遠くまで旅すると同じ日本でもいろいろな事が少しずつ違っているのに気がつく年齢になってきたなとしみじみ感じます(まあ勘違いもあるでしょうが)。都道府県ごとに好まれるクルマもだいぶ違っているようです。軽自動車とミニバンとプリ&アクと輸入車が多いと言ってしまえばそれまでなんですが、それ以外の「こだわりを見せるクルマ」部門においては、関東と関西では大きく異なります。

  関東のトレンドは完全に86/BRZだと思います。東京MSの駐車場にもやたらと多くの86を見かけました。なぜ関東の人が86を好むのかはまったくもって不明です。交通機関が発達した地域ほどクルマに対して趣味的なものを求めるのでしょうか。関東と大きく括りましたが、私の活動エリアは東京西部を中心に埼玉西部と神奈川西部です。それぞれ東部よりクルマの所有率が高まりクルマが今も一定のステータスを持っている地域です。東京西部はさらに北部と南部に分かれ、北部は埼玉の影響が強くスバルブルーのWRXが多く目に付きます。一方南部は神奈川西部の影響からシルビアが多い気がします。

  そんな東京北西部と南西部どちらにも急激に増加しているのが86/BRZです。今では2車線道路で並列している姿もざらに見かけます。スポーツカーが道に溢れていた時代が20年くらい前にもあったようですが、ここ数年の傾向でははっきりレアな存在でした。そこからわずか1年あまりで日本の景色に溶け込んでいる「適応力」はなかなかのものがあるように感じます。

  一方で京都を中心とした地域を土日に渡って走りましたが、こちらでは86はあまり見かけませんでした。日曜日の昼に滋賀県の栗東ICから名神に乗ろうとしたら一番右の車線を20~30台のポルシェやフェラーリが次々と疾駆していき追い越し車線を完全にジャックしているのを見かけました。関東ではなかなか見ない光景で、日本のクルマ文化の中心は完全に関西なんだなと改めて感じました。そしてこんな一団が毎週末に高速を我がもの顏で走っているわけですから、86を買ってもちょっと引け目を感じてしまうのかもしれません。

  京都の街中にも東京で見かけるのと同程度にポルシェなどが散見されますが、東京の景色とまるで違うのが、マツダ・アテンザの存在感です。東京では1台も見かけたことがない「ブルーリフレックスマイカ」という絶妙な色使いのクルマがよく走っています。東京には似合わない変な色ですが、京都の景色には不思議とマッチしています。京都リーガロイヤルホテルのロビーで30分ほど人を待っていたのですが、まるでメルセデスかレクサスの上級モデルのようなオーラで正面玄関前に現れました。

  ちょうどホテルを出るタイミングでしたので近くで見ました。アイドリングのディーゼル音もメルセデスやBMWのような下品で不快なトラックを連想させるものではなく、色・形・音と外部に与える印象においては、どんな高級車よりも考えて作られている「逸品」なんだなと改めて感じました。ホンダの新型アコードも同じようなコンセプトを追求していて、技術的にも新しいものを使って「上質なクルマ」へと進化していますが、残念ながらアテンザほど迫真の世界観は表現できていないです。そして日産の新型ティアナに至ってはもはやスカイラインの引き立て役でしかなく、日産から近い将来日本に本格導入されるであろうインフィニティブランドへ顧客を追い込む「戦略車」にしか感じません。

  これまで新型アテンザに対してネガティブな印象を持ってきましたが、中型のスポーティセダンから「おもてなし」「和の心」の大型セダンへと着実に脱皮するという意味では、とても高いレベルでそれを実現しているクルマだと、伝統の古都京都に来て実感しました。日本カーオブザイヤーの選考委員はクルマの基本性能ばかりに注目してアテンザに票を入れなかったと思うのですが、このクルマの社会的な価値を考えると、ゴルフ、フィット、Sクラス、V40といった全体にチャラチャラしたクルマよりも、やや感覚的ではありますが深淵で堅実な世界観へと踏み込んだ素晴らしさは、やはり無視すべきではなかったように思います。服装や時計などの持ち物にこだわる人にはもってこいのクルマじゃないでしょうか。


  

2013年12月5日木曜日

アコードとティアナ 米2万ドル車を高級車として売る手口・・・

  今年発売されたホンダアコードHVは北米ですでに3万ドルで発売されているモデルを、本国であるはずの日本に後から投入するという形になりました。日本価格は365万円〜でまるでドイツ車の北米と日本での価格を見ているような違和感を少なからず感じます。北米価格が安いのはアコードが現地生産モデルなので納得できますが、日本向けは国内生産であまりやる気のない価格設定ということのようです。

  国内で全量を生産しているフーガやスカイラインは北米ではインフィニティ・チャンネルということもあり、北米よりも日本の価格が安く設定されています。一方でアテンザやレガシィに関しては輸出モデルでも、現地生産を前提に北米価格が設定されているので日本の方が高くなっています。

  日本メーカーのセダンの価格は今後もある程度は流動的なものになるようですが、北米での価格と比較してもかなり高価な設定が続く傾向にあるようです。そんななか発売が決定してクルマも公開されている新型ティアナ(アルティマ)は、日産が現在値踏みをして日本での価格を決めようとしているようです。通常ならばおおよその価格の情報も伝わってくるはずですが、今回はかなり難航が予想されます。一体どれくらいに収まるのでしょうか?

  新型ティアナはまだ北米では発表されておらず、日本で発売するハイブリッドは北米でもまだ設定されていません。カムリ、アコードに加えてフュージョン、ソナタといったライバル車にはことごとく設定されている中で最後発になります。日産は最近北米での不当廉売疑惑が挙がるほど、やや硬直気味の北米シェアを押し上げようとしていますが、一般的にはインフィニティはジャーマン3・レクサス・アキュラよりも、日産ブランドはトヨタやホンダよりも高価な設定にする傾向があります。

  日本での価格も強気で、おそらくカムリHVやアコードHVよりも高い設定を考えているようですが、ブランド内の地位の関係で450万円程度と言われるスカイラインHVよりはハッキリ(100万円程度)安くする必要があります。つまりアコードHV(365万円)<ティアナHV<スカイラインHV(450万円)の範囲での設定が難しくなっているようです。北米価格はガソリン車が22000ドルなのでHVは30000ドルでOKでしょうけど・・・。

  そして日産にとっての悩みの種になりそうなのが、300万円でも日本では売れそうにない、冴えないエクステリアです。日産は「人生最高の時間を・・・」なんてコピーを掲げていますが、そういうクルマにはまったく見えませんし、デザイン上のこだわりであるとか所有する喜びを見出せそうなポイントが皆無です。やや古くさいですが、まだ初代ティアナの方が圧倒的に高級感があるくらいです・・・。もしこのクルマが日本で売れるとしたら、北米価格を下回る278万円〜くらいの革命的な価格設定が必要じゃないかとすらおもいますが、いかがでしょうか?

 ↓本当は国内投入の予定はなかったが、スカイラインを売る為のダミー設定!という噂も・・・

2013年11月29日金曜日

スバル・レヴォーグを保守的デザインと切り捨てるのは愚かだ!

  日本人というのは大絶賛が苦手なようで、良さそうなクルマが出てもなかなか素直に評価できなかったりします。特にクルマにこだわりがある人やプロのライターさんほど、そういう傾向が強いです。カッコいいものをカッコいいと言えない・・・だからそんなにダサいクルマに乗ってんだよ!ってツッコミたくなる人って結構いますよね。アウディに乗ってる人が他ブランドのデザインを批判するのって完全に勘違いですよね・・・。

  スバルっていうだけで完全に下に見てる人もいるかもしれませんが、スバル渾身の新型車レヴォーグのデザインはかなりの「出世作」になるんじゃないでしょうか。スバルのデザインの基準はこれまであまり評価されてこなかったですが、レヴォーグのフロントマスクには完全に新しい魂が宿っているように見えます。あとはスバルがこのクルマを安売りせずに乗り出しできっちり300万円取れば完璧だと思います(もちろんクルマは価格じゃないですが・・・)。

  VWゴルフよりも全てにおいて価値が高いクルマなのだから、ヘタにゴルフ・ハイラインよりも安い設定にしてしまうことで、買い手を逃すこともあるんじゃないかなと思います。もしレヴォーグが150万円で買えるクルマだったら、クルマにあまり詳しくない人は敬遠すると思います。そして価格が安過ぎると街中でプリウスのように増殖し、モデルの寿命を極端に縮める可能性もあります。そういう状況は中型車ブランドのスバルとしては歓迎すべきではないでしょう。

  ちょっと前まではフロントデザインに力が無いと言われた日本メーカーですが、瞬く間にマツダ・日産・レクサス・スバルとそれぞれに一目で分かるような個性を持つようになりました。ちょっと気になるのが、どれもこれも遠くから見ると日本車なのかドイツ車なのか分からないです(結構入り乱れて似ている点があるかも・・・)。アウディ・メルセデス・BMWは夜に見るとそれぞれ同じようにワイド&ローのスタイルということもあり、見分けが付きづらかったりします。マツダ・日産・レクサスの"日本3大ブランド"のほうがそれぞれにキャラが起っていて、デザインの"ツボ"は分かれているように思います。そしてスバルもいよいよこのグループに仲間入りするクルマになって来たと思いますね。

 

2013年11月28日木曜日

メルセデスCクラスの新型がなかなかいいかも、発売は来年以降?

  このクルマは将来的にはスカイラインに統合されることが決まっているようですが、来年あたりに登場する新型CクラスはCLAとほぼ同等のボディサイズでFRなのにCLAよりもさらに軽くなるようです。同じガソリンの直4モデルで比較すると、軽量セダンの代名詞とも言えるマツダ・アテンザと互角に渡り合うほどの1400kg台前半の数値になるのだとか。最近のメルセデスの新型モデルはやること成す事が素早くなってきて、再び業界の最先端を走り始めたと言われてますが、このクラスでもガンガンやって来るらしいです。

  メルセデスも今回のCクラスには相当に気合が入っているようで、いろいろと新機構の情報を開示しているようで、発売も意外と早いのかもしれません(来年の夏か?)。なにより驚きなのが、現行モデルに対してこれまでいろいろとブログで批判を加えてきたところが、ことごとく改良されていてビックリですね。私のような素人でもすぐに分かる明らかな欠点をメルセデスが放置するわけないのですが・・・。もしこの事前情報通りのクルマを作ってきたならば、これまでボロクソに言ってきたメルセデスさんにお詫びの意味を込めてぜひ購入させてもらいたいです(予算が折り合えばですが・・・)。

  簡単に言うとSクラスの基本設計をDセグに落としこんだもののようです。日本のレクサスISやクラウンそしてスカイラインなどに使われているサスと比べて、現行はあまりにも貧弱なものが使われています。それがSクラスのものに変わると前輪・後輪ともにワンランク上になり、さらにSクラスに設定されているエア・サスもCクラスのオプションに盛り込まれるのだとか。このクラスではシトロエンC5の専売特許といえるラグジュアリー・ダンパーを装備するとなれば、日本ではかなり人気のオプションになりそうです。

  内装なども早くも公開されていて、現行モデルは一体何なんだ?というくらいに質感が上がっていて、良化というよりもコンセプトそのものが変わっています。これで500万円ならば、まだまだ重量が嵩んだままの新型シャシーを投入しているレクサスにとっては絶望的な状況かもしれません。それにしても日産メルセデス連合はなかなか巧妙です。1800kg台に突入したスカイラインHVと、1400kg台に突入したメルセデスCクラスの作り分けがこのクラスの基本方針のようです。見事なレクサス・BMW包囲網ですね・・・。


2013年11月25日月曜日

アクセラ・セダンはやはりCセグセダンでしかなかった・・・残念。

  欧州プレミアムハッチバックを蹴散らすとか評判のマツダ・アクセラを見てきました。ハッチバックはなるほどの出来でしたが、密かに期待していたセダンにはちょっとガッカリでした。マツダ車はボディタイプが複数あると、一つのタイプにのみ特化してデザインが良くなる傾向がありますが、今回の3代目アクセラはやはりハッチバック優先のデザインになっています。アクセラに関しては初代からずっとハッチバック優先というのは変わらないですね。

  セダンのデザインも初代から「なかなか」と思わせる部分もあって、初代アクセラはなかなか見かけませんが、10年経ったいまも古さを感じさせないし、前後のライトが印象的で「良いもの」感をしっかり出している逸品です。強いて言えばセダン3代で一番「日本車らしい」デザインなので、カペラを彷彿とさせてしまうらしく、年配の人には人気が無いようですが・・・。

  3代目はいよいよプレミアムカーを強く意識したデザインはいよいよクラスにおける「絶対的」な存在への飛躍をマツダが画策していることが明らかで、ハッチバックはもちろんゴルフやAクラスを超越した存在感がたしかに宿っています。セダンも独自に3BOX車の美学を追求しているのだろうと写真を見る限りは感じていたのですが、実車を見るとリアのオーバーハング部分のデザインに迫力がないです。真後ろからのデザインはなかなかですが、斜め後ろからのシルエットは歴代のアクセラ・セダン、さらには歴代カローラのセダンモデルのイメージがダブります。

  まだ先代モデルの方がリアに個性があったように感じるほどで、トランク部の独立性が希薄です。どうやらフロントのノーズを長く見せるデザインのしわ寄せを受けてキャビンが後方に下がった結果ボディと一体化したトランクのデザインになったようです。Cセグの3BOXデザインは旧BMW1クーペのように、ある程度はキャビンを犠牲にしないとなかなかプロポーションを保つのは難しいようで、スペシャリティカーではないアクセラにとってはなかなか高いハードルになっています。

  それでもマツダが本気でプレミアムブランドへと邁進するつもりならば、アクセラの「見た目」のラインナップを増やすことが不可欠だと思います。Cセグスペシャリティモデルは予想以上に人気が高いらしく、土曜日にはA45AMGを2台も見かけました。どちらも白に青のラインが入り派手なウイングを付けた限定コンプリートモデルでした。アテンザ同様に輸入車からの乗り換えを呼び込むには、常時なんらかの限定モデルが買えるようなワークスブランドとしての「温もり」がほしいところです。



  

2013年11月21日木曜日

GS300h HVなら輸入車に負けない・・・という段階ですでに負けてる気がする。

  メルセデスもポルシェ/アウディも上級も上級モデルを中心にハイブリッドの搭載が進んでいますが、そのシステム数値を見るとS400HVでモーター出力がわずかに27psだったりします。クラウンやIS用のハイブリッドはモーター出力が143psなので、これらをひとくくりにハイブリッドのセダンと呼ぶのには違和感があります。

  もちろんメルセデスにも言い分があって、ドイツでの使用環境を考えるとトヨタのような178:143(ps)の比率では、150km/h超の高速域では逆に燃費が悪くなるという判断もあるようです。308:27(ps)でもエンジン負荷の軽減に役立っていてその恩恵は図り知れないほどです。信号がほとんどない区間を90km/h程度で走るテストでは、レクサスISハイブリッド・アコードHV・スバルXVハイブリッド・フィットHVのいずれもが60km/h走行時よちも燃費がわずかながら悪化する傾向にあり、従来のガソリンエンジン車が90km/hの定速走行でカタログ燃費を軒並み超えていたのと比べると、クルマの特性が変わってきたと言えます(それでも新型HVは従来のプリウスやアクアのタイプと比べると高速燃費も良くなってきている)。

  そういう大事なテスト結果はマイナーな技術系雑誌に掲載されていますが、あくまで細かい数字が並ぶデータを細かくみるとわかることで、雑誌本文には決して「高速燃費が悪い」などとは書かれていません。テストや取材に協力してくれるメーカーへの配慮が当然ながらあると思われます。年明け頃にはアクセラHVやスカイラインHVのデータも乗るでしょうが、グローバル戦略モデルの両者のデータはなかなか興味深いです。

  トヨタに幾つもあるハイブリッドシステムの中で、LS600hのものとGS450h/クラウンマジェスタ/先代クラウンHVに使われているものは、海外での販売を意識した設計で、それぞれV8とV6のガソリンエンジン単体で300ps超の馬力を確保しているので、高速燃費は大きく落ちません。しかしカムリHVのシステムを流用したFR用の2.5L直4HVはエンジン単体で178psですので、車重が1700kg程度まで嵩むと明らかに高速での燃費は悪化します。

  エンジンが160psのカムリはFFでトラクションが確保しやすい上、車重も1540kg程度なので、その優れた加速性能が評判となりセダン人気の復活に貢献しましたが、その後に登場したクラウン・IS300hは車重が1680kgと増えました(FRですから当然ですが)。さらにGS300hに至っては1760kgとついに大台を超えてしまいました。絶賛発売中のクルマに横槍をいれるのは不本意ですが・・・。

  メルセデスやBMW、あるいはLSやマジェスタのようにV6以上のエンジンを使ってFRのハイブリッドを作る、もしくはアウディのように直4ハイブリッドはFF専用と割り切るのが、高級セダン用ハイブリッドの正しい道ではないかと思うのですがいかがでしょう。

  
   ↓このハイブリッドも本当に人馬一体なのか?
  

2013年11月7日木曜日

見ているだけで退屈なマークX・・・

  トヨタが「お買い得サルーン」として絶賛発売中のマークXもいよいよ次期モデルではカムリと統合されてしまうと言われています。FRの「スポーツセダン」としてトヨタは売り出したようですが、結局はさらなる熟成を目指すことなく、最後まで「無頓着な人の為の”適当セダン”」で終わってしまうのは、残念ですが仕方の無いことのようです。

  先日も夜中に前を走るマークXを後ろから見ていました。高速コーナーが連続するコースで、コーナーを一つ抜ける度にリアがズルズルと流れて道路幅の左右に目一杯振られています。その度に対向車線にはみ出していて、まあとてもヒドい有様でした。やはり現行のライバル車種と比べて、トレッドの狭さとサス剛性の低さ、そして車重が大きく影響しているのがわかります。トヨタがスポーツセダンとしてではなく、重厚な乗り味のサルーンとして仕上げてしまっているようです。

  マークXなどよりも、ヴィッツやデミオの方が車線をはみ出すこともなく、ある程度のスピードでもラインをきっちりとトレース出来そうな気がします。マークXがこの2台よりも乗って楽しいクルマと断言するのは、すこし難しいところです。高級車としての風格も、スポーツセダンとしての走りもどちらも中途半端で「気持ちの悪い」ところでまとまってしまったクルマと評されているのを見て、いくらなんでもヒドいなと思っていましたが、その意味がなんとなくわかりました・・・。

  確かに箱根に行ってもなかなか居そうで居ないクルマがマークXです。結局はトヨタに営業掛けられた「無頓着な層」が主なユーザーなので、トヨタもクルマをブラッシュアップするには張り合いが無いのかもしれません。クラウンを安くコピーして、さんざんに「お買い得」であることを全面に打ち出していて、トヨペットのセールスマンにとっては最高のクルマです。さらにユーザーを欺くような「スポーツセダン」という煽り文句も付けています。これこそがトヨタの最大の闇だと感じます。

 

2013年11月5日火曜日

ちょっと待て!オデッセイ・アブソリュートだけかよ!


  ホンダの日本市場ラインナップは大変失礼ながら、数年前から「カオス」の状態になっているので、いまさら何とも思わないですが、新型オディッセイが発売されて改めて「なんじゃこりゃ」と思ってしまいました。ミニバンにはなかなか興味が向かず、そのパッケージには全く疎いので、良し悪しはなかなか解らないのですが、トヨタの2代目アルファード/ヴェルファイアがかなり熱狂的に支持されるのは解る気がします。そしてホンダもこの流れに便乗して、自慢の「BMWのような走りの・・・ミニバン」ことオディッセイをアルファードにぶつけてきました。なるほどそっくりですね・・・。

  ライバルのトヨタ勢の主力となっている「中国製」の2.4L直4エンジンに狙いを定めて、日本では未発売となっていたホンダ渾身の新型エンジンを乗せてきました。トヨタはベースグレードのエンジンは「テキトー」に作る主義なので、ブレイドなどにも使われた「汎用」直4エンジンの出来はお世辞にも褒められたものではありません。安さとパッケージの良さだけでクルマは売れてしまっていますが・・・。

  ホンダは最新鋭エンジンを投入して、走行性能でアルファードを圧倒しようという狙いが見えます。トヨタもノア/ヴォクシーのハイブリッド化で対抗することが予想されますが、オディッセイにはアコード用のHVを積もうなどとは考えていないようです。なかなかの「猪突猛進」っぷりで、ホンダらしさというべきなんでしょうか。

  ホンダがこのオディッセイの最大の売りにしているのが、2.4L直4の同排気量ながらエンジンのメカチューンによって2種類のスペックを作っていることです。「アブソリュート」と呼ばれるグレードに搭載される190ps発生のエンジンは、北米でセダンの頂点に返り咲いた現行アコードに搭載されているものです。北米でも直4エンジンが載るミドルセダンが燃費ではなく、フロントの「軽快さ」から選ばれるようになってきました。

  いわゆる、「欧州化」といわれる現象で、GM・クライスラー・フォードが欧州セダンの技術を持ち込んだミドルセダンで売上を伸ばしています。フォードのフュージョンやキャデラックのATSなどが高い評価を受けていて、その先頭を走るのがアコードなんですが、日本で生産しているくせに、なぜか日本で発売しないという「残念」なことをホンダはしてくれています。なんでオディッセイだけにしか、その優秀なエンジンを積まないのか?まったく理解できません・・・。


2013年10月11日金曜日

カムリHVのMCキャンペーンが・・・

  とりあえずウケればなんでもいい!全てのメディアコンテンツとコラボしてでもイメージを叩き直せ!ということなのでしょうか? 大前研一が「末期企業的な症状」とか言っていた日経新聞朝刊の全面広告で「島耕作」とコラボを敢行したカムリHVが出ていました。去年の86のキャンペーンで味をしめたトヨタが再び「中高年をその気にさせる」戦略と採ってきたようです。

  先日のSAIのMCも同じような戦略で「モテオヤジ」のクルマとしてさかんにアピールがされていましたが、今度は「ジェントルマン・クラブ」だそうです・・・。一昨年に登場したカムリHVはなかなか話題を呼びました。ハイブリッドのイメージを変えた歴史的名車として記憶されるでしょうが、かなり多くの良識的な方々が買いに走ったおかげで、バックオーダーが相当に発生しトヨタも嬉しい悲鳴だったとか。ただここにきて悲鳴を上げているのは、デビュー当時にこのクルマのポテンシャルを信じた買った人々ではないでしょうか?「なんだよ・・・ジェントルマン・クラブって・・・。そんなクラブに入った覚えはね〜ぞ!」ってぼやきたくなるのでは。

  まあ他人事ではありますが、これは極めて深刻な背信行為です。レクサスISやマツダアテンザを購入して乗っていたら突然にポケモンとコラボし始めたらどうしますか? 世間から「ポケモンセダン」とあだ名され、中古車価格も無惨に暴落して、売るに売れずに10年もの間、周囲の嘲笑を受けながら乗り続けるのは辛いものがあります。トヨタがポケモンはダメだけど島耕作はOKだという感覚なのだとするなら、もうこのメーカーに一流のクルマのコンセプトなんて望むべくもありませんし、語ってほしくないですね・・・。

  本物のジェントルマンならトヨタに乗らないだろ!って野暮なことを言うつもりはないですが、リチャード=ギアとカムリHVがそんなにも易々と繋がってしまうものでしょうか。まったく方向性が違うとも言いきれないとは言え、そういう無理矢理なイメージを押し付けるのはまったくもって蛇足だと思います。そんなことを続けてもブランドイメージの向上どころか悪化する一方だと思います。現代人てトヨタにとってそんなにバカに見えるのでしょうか? それはともかく「86」「SAI」「カムリHV」はトヨタが余計なことをやらなければもっと評価できるクルマなのですが・・・。