2014年6月27日金曜日

「いつかはクラウン」乗りたいけど・・・フェイスリフト希望(失礼!)

  なんだかんだ言ってもクラウンは最高だ!VWゴルフが「クラウン並みの静音」を謳っているけども、実際のところはだいぶ差がある。Cセグで「クラウンレベル」を達成しているのはこの前MCで大幅改良されたレクサスCT200hだけだ(と思う)。それほどお金をかけないで「いいクルマ」に乗りたいという人には迷わずクラウンを勧めたい。良さそうに見えるマツダ・アテンザや日産・スカイラインよりもさらに高い質感を誇っている。どんなに話題のモデルが登場しても決して「負けないトヨタ」であることは素晴らしい。マツダも日産もスバルも頑張っているけど、「トヨタくん」の優秀さはやはり段違いなんだなとまざまざと見せつけられるモデルがこの「クラウン」ですね。

  クラウンはレクサスが日本に上陸する前までは、BMW5シリーズやメルセデスEクラスに対抗するライバルと見做されていましたが、今ではあまりそういう視点では見れなくなってしまいました。日産フーガという新たなライバルは誕生しましたが、5シリーズやEクラスとはやはりレベルが違い過ぎます。その違いは・・・ちょっと極端かもしれないですが、トランクを開ければ一目瞭然です。クラウンとフーガは何の違和感も感じないですが、5シリーズとEクラスはもう世界観が違い過ぎます。「これが700万円以上するクルマか!」「すげーな!おい!」と驚嘆の声を思わず上げてしまいます。「なんでこのクラスのクルマにグーズネックなんだ?」「ドイツプレミアムだかなんだかしらね〜けど、ユーザーを舐めるのもいい加減にしろ!」

  BMWやメルセデスだと確実に1000万円を超える(日本だけだが・・・)レベルなのが、クラウンのクオリティです。北米では5シリーズもEクラスも450万円くらいで買えますから、オカシイのはドイツ車の日本価格だけなんですが・・・。ちなみにレクサスGSもアメリカでは470万円くらいで買えます。レクサスはドイツブランド本位の価格設定を止めろ!ってことなんですが、逆に北米並みの適正価格で買える高級車がトヨタ・クラウンということです。

  ちょっとややこしい話なんですが、クラウンが使っているシャシーよりも、Eクラスや5シリーズのシャシーの方が限界が高めに設定されているのもまあ事実です。あちらは500psオーバーに耐えられる基本設計がされていますから、その点が気に入っていて5シリーズやEクラスを選ぶというなら理解できなくもないです。でもそのオーバースペックな分だけ、スカイラインのような固い乗り味になってしまいます。日本から一歩も出れない運命のクルマですから、サーキットを走るわけでもないなら、クラウンの上質さをリーズナブルな価格で選ぶのが、もっとも納得できるんじゃないですか?ってことです。

  乗り心地・お買い得感・妥協点の少なさ以外に、さらにクラウンを選ぶ理由として挙げたいのが、内装の充実度じゃないでしょうか。今の社長に交代してからのトヨタ(レクサス)車はエクステリアデザインやコンセプトが話題になっていますが、実際に一番満足する点はドアを開けた時の内装の際立ったセンスの良さです。VWゴルフが内装の質感を上げて登場した際にマツダはアクセラの内装をブラッシュアップして対抗しましたが、トヨタに対しては完全に「白旗」で、アテンザでクラウンを捉えようなんて大それた考えは毛頭ないようです。

  クラウンはショーファーカーとしての役割がありますから、後席の乗員が主役になれるクルマ作りが強く意識されていますが、アテンザはあくまでプライベートカーなので、その立ち位置の差はもはや「セダン」として一括りには出来ないほどの差はあります。さらに細かく分けると、スカイライン、マークX、レクサスISのような「FRプライベート」と、アコード、カムリ、ティアナのような「FFショーファー」、アテンザのような「FFプライベート」、クラウン、フーガ、レクサスLSのような「FRショーファー」に分けられるます。それでもレガシィやレクサスGSのような未分類の迷える子羊もいます。

  これらのジャンルの違うセダンが入り乱れて比較されると、まあ人によっていろいろな結論が出てくるわけですが、「コンセプト」を精査してきちんと比較すれば、現行クラウンは非の打ち所がないくらいに洗練された「日本を代表する素晴らしいラグジュアリーサルーン」です。蛇足かもしれませんが、特にオススメしたいグレードは「ハイブリッド・ロイヤルサルーンG」(本体551万3143円)です。「FRショーファー」というクラウンのコンセプトを最大限に発揮する素晴らしい後席の充実した装備は実に「トヨタらしい」です。


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2014年6月20日金曜日

マークXの後継セダンは「86」ベースらしい

  惜しまれつつも一昨年(2012年)に生産を終えたマツダの名車RX-8は、スポーツカーとしての専用プラットフォームを持ちつつ、そこから限りなくセダンとしての実用性を追求した「意欲作」でした。開発当時のマツダはアメリカ人社長の指揮のもと一丸となって、再建を目指していましたが、その切り札となったRX-8はいかにもアメリカ人らしい合理的な発想のクルマだったと思います。

  従来の日本は伝統と格式を重んじる国民性で、合理的なイノベーション自体は日本が最も苦手とする分野だと言われています。高度経済成長期における驚異的な経済成長には、もちろん日本企業によるイノベーションがありましたが、これはむしろ例外的な事例であり、太平洋戦争で日本にあった「伝統」や「格式」が破壊され、日本全体がイノベーションを生み出し易い「確変」的な状況になっていたということが、本田宗一郎氏の自伝の中にも力強く記されていました。

  オイルショック、バブル崩壊、リーマンショック。マツダにとっては「伝統」と「格式」が脆くも崩壊する瞬間が過去40年の中で3度ありました。そこで生まれたイノベーションは結果的にマツダをさらに高い地位へと引き上げているので、見事に「ピンチをチャンスに変える」ことに成功しています。そのイノベーションの中で5代目ファミリアが生まれ、RX-8・初代アテンザ・初代アクセラが生まれ、今また初代CX5と3代目アクセラが飛翔しています。でもって経営が安定している時は・・・ビ◯ンテみたいな摩訶不思議なデザインのクルマが出て来ちゃったりするのですが。

  RX-8以外の名車はマツダの系譜として現行モデルの中に生きていますが、日本中を振り向かせたRX-8の「スポーツカーシャシーの4ドア」という画期的なコンセプトは、マツダの「プロパー」として残ることは出来ませんでした。そのアイディアを拾おうとしているのが、「マーケティングの鬼」といわれるトヨタです。クラウンやレクサスISとの区別が曖昧になってしまっているマークXのモデル廃止を受け、その受け皿となるモデルをつくるべく、86をベースとした4ドアセダンの開発が実際に行われているそうです。

  「マーケティングの鬼」トヨタがスポーツカーベースの4ドアセダンにGOサインを出した真意とは何か? 欧州やオセアニア地域における「86」への反響は、発売当初より大きく、スポーツカー専用モデルを3万ユーロ以下で出したトヨタは「唯一無二」の存在だという高い評価を得た事が自信になっているといわれています。そしてメルセデスCLAのような廉価な4ドアクーペが世界の多くの地域で活躍していることから、中国や東南アジアなどの成長市場に投入する「プライベート・スペヤルティカー」として開発するのにタイムリーであることが最大の理由だと思われます。

  輸入車ブランドならば確実に1000万越えするであろう、新型スカイラインHVが450万円で発売されても尚、「高い!」という声があるなど、高級セダンそのもののニーズの狭さが明らかになってきました。日産もスカイラインの下に初代プリメーラのようなお手頃でスタイリッシュなセダンを据えていくなど、将来的なスカイラインやフーガの見込み客を囲い込む方策をとらないことには、高級セダンの売上は維持できないと思われます。同じく新型シャシーを投入して意気込んだGSやISの受注が案外だったレクサスにしても、入門モデルの品薄感でメルセデスに再逆転を許す歯痒い展開です。ブランドの基幹モデル(LS、GS、IS)は非常にレベルが高いのですが、そこへ誘導する入門モデルのCTや新たに投入されるNXではやや役不足な感があります。

  マークXの後継モデルがレクサスから発売されるとなると、それなりに風当たりが強そうで、トヨタとレクサスにそれぞれ用意した、ハリアーとNXのような関係に持っていくのではないかと思われます。いずれにせよトヨタが本気で着手するだけの理由は十分にありそうなモデルなので、多くの人々が満足するようなクルマとなって発売されることを期待して待ちたいと思います。エンジンはNX用の2Lターボになるのでしょうか?


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2014年6月13日金曜日

スバル・新型レガシィB4は「世界一の〇〇なセダン」

  「売れ過ぎちゃって困る」とか本気で言ってそうな最近のスバル。アテンザが「世界一美しいセダン」、レクサスISが「ボディ剛性世界一」、アコードが「燃費世界一」、スカイラインが「ベースモデルで世界最速」とこれでもか!と、大暴れしている新型の日本車D/Eセグセダンの流れに乗って「何かやれ!」と言いたい気分ですが、とりあえず新型レガシィB4にはそういう芸は用意されていないようです。まあ「世界一」とかいわれてもだから何?って感じではありますが・・・。

  もはやドイツ車も韓国車もフランス車もアメリカ車も、日本メーカーの凶暴なまでのストイックさに唖然とするしかないわけですが、アテンザ以外の3台がどうしたことか?日本では予想外に評価されていないです。それどころかあちこちから批判すら聞こえてくる始末です。確かに従来の同クラスの日本車セダンと比べて高性能の分だけ、ちょっと価格が高めに設定されています。レクサスISとスカイラインHVは乗り出しで500万円を確実に超えますし、こうなってくるとなかなか安易に検討できる人は多くないでしょうし、「費用対効果」でシビアにクルマの価値を測るとしたら、日本で乗るには「余分な性能」だらけとも言えます。いくらクルマが良くてもこれではとても幸せになれない!と言いたい気持ちも分らなくもないです。

  しかしそこはアテンザも含めて「世界一」のクルマ達ですから、誰でも気軽に購入できる価格に収まるはずもないわけで、その意味では「やり過ぎ」ということになるのでしょうが、これまで散々に「ドイツ車に負けてる!」と叩かれてきたわけですし、メーカーの気持ちも痛いほど良く分りますし、セダン好きとしては可能ならば4台全てを買ってあげたい気分です。作る側も日本で一番優秀な人々がやっているわけですから、批判が来る事もすべて想定内なわけで、誰もが分っていることでしょうが「日本人に乗ってもらおうと思って作っているわけではない!」という本音を隠し持っているはずです。

  今よりも若者の賃金が高く、将来への不安を口にする人も少なかった時代に、171万円でマークⅡが売られていたわけです。そんな「激甘」な時代を過ごした人々から見れば、今の状況はとても受け入れられるものではないでしょうし、新型スカイラインを袋叩きに遭うのは仕方のないことだと思います。だからといって日本人を甘やかす必要もないですし、「世界一」に乗りたい人は仕事を頑張るなり、節約するなりして買えばいいわけで、まあ目くじらを立てるのは野暮だと思います。

  間もなく登場すると言われるスバルB4ですが、先代でやや後手を踏んだデザインを改善した以外はこれといった大きな変化はなさそうです。ボディサイズはライバル車なみに拡大されました。また水平対抗エンジンの特性上、車高が下げられないという弱点を抱えていて1500mmを超えるようで他車と比べてもやや腰高で、伸びやかさに欠けるスタイルになりそうです。それでも先代と比べて全長も伸ばされていますからバランスは確実に良くなっています。

  公開されているフロントフェイスに関しては、先行するレヴォーグがややメルセデスAやCLAに近い「サイバー・デザイン」にまとめられているのに対し、フォーマルサルーンとしての格調を重んじたものになっていて「小型でスポーティ」というブランドイメージから、やや離れた趣があります。それでいてどこかのプレミアムブランドに似るということもなく、スバルのオリジナルな造形に好感が持てます。強いて挙げれば、日本ではあまり馴染みがないですが、GMグループの豪州メーカー・ホールデンが手掛けるコモドアというラージセダンに造形の雰囲気が似ています。

  コモドアは一昨年に日本でも正規代理店が指定され、西日本方面に小さなインポーターができたと聞きましたが、まず走っているのをみたことがないですね。このコモドアはセルシオやレクサスLSの初期形をイメージした和風?なデザインで、なかなか日本人の心に刺さるんですよね。ただしサイズもレクサスLSと同じですが・・・。GMグループはこれをベース車にしてアメリカでは「シボレーSS」を、イギリスでは「ボクスホールVXR8」という400ps超というなんともゴージャスなクルマを作っています。シボレーSSは北米で450万円で買える!ってのはちょっと驚きです。

  「ジャガー」や「ミニ」といった日本人も親しみやすいデザインが特徴の島国イギリスで、セルシオ似のコモドアを改造したVXR8が大成功し、欧州GM(オペル)のスポーツチューンが熟成された成果がGMグループの本国アメリカへと持ち帰られ、そのままシボレーの最上位のスポーティサルーン「SS」として置かれました。そして旧メルセデスEクラスベースの「クライスラー300C SRT-8」とV8エンジンのラージセダンという枠で覇を競うという展開はなかなかスリリングです。「W210」vs「30系」が今も北米で現行モデルで行われていいるわけです(F30はデザインだけですが)。

  ちょっと横道それましたが、要するに新型レガシィB4はもしかしたら、日本車ファンの心の奥底に眠っているセルシオや、まだまだデザインが上品な時代のクラウンを連想させる、なんとも「古典的」でありながら「ブリリアント」なデザインのセダンとして、予想外に愛されるのではないか?と思うわけです。先代と同じターボなのか?それともフラット6が復活するのか?それともフラット6ターボという「怒濤の展開」なのか?といろいろ期待できる部分もあるのですが、この落ち着いたデザインは最近の「セダン祭り」でどこかに忘れてしまっていた、「日本車セダンのイディア」を思い出させてくれる重要な一台になりそうです。

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