2015年5月22日金曜日

ライバル壊滅で フーガ の刷新がなんとも地味。

  待望の日本復活を果たしたホンダ・レジェンドを盛り上げたいのですが、ホンダがいろいろとゴタゴタしていて、まともなプロモーションもしてもらえてないのが可哀相でなりません。そしてレジェンド再上陸をまるで妨害するかのように、突如として刷新(MC)されて後期型となった2代目フーガですが、こちらもV37スカイラインが予想以上の「大出世」によって、なんとなく存在意義がぼやけてしまった感があります。

  日本仕様のV37スカイラインからは廃止されてしまった大排気量の自然吸気エンジンという選択肢があること以外に、フーガを選ぶ事の必然性が非常に乏しくなったのが少々つらいところです。沢村慎太朗さんが「午前零時の自動車評論9」(最新刊)の中で、輸入車ではEセグセダンの存在意義がどんどん無くなっている!と高らかに宣言されていましたが、この例に漏れず「日産のフラッグシップ」という看板はシーマに譲り、同時にスカイラインのサイズ拡大でライバル(5シリ、E、A6)と同じく居場所を失いつつあるのがフーガかもしれません。

  日産の販売店が近所にあり、土地柄でしょうか割とフーガが売れているようで、店頭にはフーガの現行グレードで即納OKと思われる在庫車がデカデカと値札を付けて常時置いてあります。近くで見ても遠目にみても存在感は抜群ではありますが、オプション込みで400万円台という価格はグラっと来ますが、「欲しいか?」・・・あれこれ考えての結論として、やっぱり少々「情熱が足りない」のを感じてしまいます(250GTでは・・・)。それでももちろんこのクルマが「論外」だなんてことは決してないですし、このクラスでは最も魅力的であることは間違いないです。世界中のどこの市場に持っていっても、相対評価で常にトップを取れるだけのオールマイティな実力があるのはもちろん承知していまし、トヨタの国内専売セダンに匹敵する乗り心地と、グローバルの頂点としてメルセデスからも一定のリードを奪えるという日産の破天荒な飽くなき技術へのこだわりがそのまま形になったクルマです。

  フラッグシップでは絶対に負けは許さない!これは様々な文献から読み取ることができる日産伝統の社是です。カルロス=ゴーンが社長になったときに、各地に散らばる様々な開発部門が、それぞれ好き勝手に世界最高峰を視野に入れた技術を研究するために、予算が青天井になっているのを知って、あまりにクレイジーなコスト感覚の無さに卒倒したらしいです(だから業績改善も楽勝だった?)。わざわざ例を挙げるまでもなく、R35GT-Rではポルシェターボを超えた世界最速にこだわり、スカイラインの北米進出に際しては、わざわざ仕様変更を施したVQ37エンジンを投入してまでライバルのBMWの6気筒ターボを潰しにかかるなど、ルノー傘下になった現在でもその「闘争本能」は全く衰えていません。

  日本では日産はGT-R以外ではあまり「超高性能」を意識させるブランドではないですが、北米市場ではフーガ(インフィニティQ70)の最上級モデルには5.6LのV8自然吸気(420ps)が積まれていて、本体価格もなんと63000ドル〜と一流ラグジュアリーに匹敵します。5シリーズが50000ドル〜でEクラスが52000ドル〜ですからなんとも強気な価格設定がわかると思います。ちなみにアメリカでは旧型Eクラスのシャシーを使った「クライスラー300」とその兄弟車「ダッジ・チャージャー」の5.7LのV8搭載モデルはどちらもわずか32000ドルで手に入ります!・・・これはとっても羨ましいです。ちなみにアメリカではEクラスのV8搭載はAMGのみで10万ドル〜、5シリーズのV8モデル「550i」は65000ドル〜で、「M5」は94000ドル〜となっています。

  北米では「M3」と「RC-F」がおよそ62000ドル〜なので、フーガのV8モデルも日本の価格に直すと1000万円程度になりそうです(並行輸入では現在914万円らしい)。1000万円のフーガなんて日本で売られている姿がなかなか想像できないですが、北米では強気な価格設定でインフィニティのイメージリーダーとしての役割を十分に担っています。日本にインフィニティブランドを本格導入するとなれば、このゴージャスなフーガも投入されるとは思いますが、まだそこまで踏み切れない日産のもどかしさの中で、日本のファンに訴求できる「フーガ」の魅力は、じわりじわりと低下しているのがセダン好きにはちょっと辛いところです。

  もちろんフーガはアメリカを主戦場として開発されたクルマですし、5.6LのV8で420psで彼の地の「プレミアム・マッスルカー」市場に参入することに日産の意識が向いているはずなので、それならば日産が世界とガチンコで闘う「本気」のV8モデルを日本のファンにも売ってほしいものです。すでに日本でもGT-Rを販売しているので、単純にフーガのAWD&V8モデルにツインスクロールターボを組み込んで600psまで過給し、無理矢理に「E63AMG・S・4MATIC」に対抗して最速セダンを目指す必要もないですし、メルセデスは日産の重要なパートナーでもあります。

  しかし「フォード・マスタングV8」「シボレー・カマロV8」「キャデラックCTS-V」といった本場のマッスルカーが日本に今後も入ってくるようなので、これらに対する日本メーカーからの迎撃モデルとして「フーガV8」があると、日本のクルマ文化もなかなか盛り上がるのではないか?という気がします。アメリカから入ってくる素っ気ない「V8モデル」には、沢村さんが言うように魅力を失いつつある日本や欧州ブランドのEセグセダンが、V字回復するための重要なヒントがあるように思うのです。北米ビッグ3といえどもそれほど台数が稼げないFRシャシーに本格的な投資などできず、クライスラーはメルセデスの旧式を使い倒し、フォードもだいぶ経年がたったジャガー用のシャシーを簡素化(コストダウン)したものをマスタングに充当しています。またGMは傘下の豪ホールデンが開発した「ゼータ・シャシー」と2008年からキャデラックで使い始めた「シグマ2シャシー」(シグマのコストダウン版)をこれまで併用していましたが、今後は新設計の「アルファ・シャシー」に統合して、現行のCTS、ATSと次期カマロにも使うようです。

  確かに私は日本車は好きですが、別に日産が誇る「FMシャシー」で武装したフーガが、へなちょこシャシーの北米マッスル勢を迎え撃って格の違いを見せつける!という構図なんて期待していませんし、そんなことで「日本の誇り」を感じる!なんて前近代的な感傷に浸るなんて趣味はもはや卒業しました。シャシーなんてなんでもいいし、未だに80年代的なOHVのエンジンを使っていて、昔ながらのエンジンチューンを楽しむ人々の需要に応えている、アメリカン・クラシカルなV8マッスルに対し、VVEL(可変バルタイ)やDGI(直噴化)をガッツリ組み込んだ「VK56」という全く違う次元にある日本とアメリカの8気筒の乗り比べが出来れば(それぞれに良い点があると思います)、もっともっとクルマの面白さが広がる!なんてのは安易かもしれないですが・・・。まあ日産の英断に期待して待ちましょう。

  
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2015年4月15日水曜日

スカイライン にも NISMOを!

  「セダン専門」のブログと言っておきながら恐縮ですが、スズキから「アルトターボRS」というなかなかの「アイディア商品」が登場しました。もしかしてご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんが、「アルト」とはスズキの最廉価に位置する軽自動車のシリーズで、昔ながらの小さなキャビンを備えて、軽量で燃費の良さをアピールするクルマで、ライバル車はダイハツ「ミラ」シリーズになります(アルトはマツダにOEMされていて「キャロル」といいます)。その「アルト」のスポーツモデルということでコンセプトは600kg台の軽さを十二分に楽しんでください!といったもののようです。軽自動車ですから64psを守りつつも、最大トルクを10kg・m(3000rpm)まで上げてきました。ちなみにヴィッツの1Lエンジンは最大出力69psで、最大トルク9.4kg・m(4200rpm)で970kgの車体を引っぱりますから・・・ざっくり言うとアルトターボRSは300kg軽くなったヴィッツです。

  さてその秘めたるスペックもなかなかなんですが、代表的なカラーリングとしてカタログやらカーメディアのグラビアやらに登場するのが、高級車を連想させるような「ホワイト」に、ドアミラーやエアロパーツに「レッド」をあしらった配色は、なんだか既視感が・・・。これは!日産系列のNISMO?それとも先日、北米で公開されたマツダの「CX-3」のスポーティな仕様のデザインでは?いやいやメルセデスがFFのAMGチューン車に使っている塗装にも似ている気が・・・。もしよろしければリンク貼っておきますので見てやって下さい⇒「スズキ・アルトターボRS・特別サイト

  スズキの公式声明によると、従来の「アルトワークス」とは違って、スポーツカーではなく実用性の高いハイスペックな軽自動車という位置づけで、「ターボRS」と命名されたそうです。最近のクルマは安全装備満載で車重が増えて、さらに駆動系全てで省エネが推進されているので、やたらと重っくるしいフィールのクルマが多いです。多くのメーカーでは「Sモード」を装備してパワーを出し入れさせたりの工夫はあるようです。そんな中で、最初から「カッコ良い」「速い」「個性」といった点を強調した「特別仕様車」がなかなか売れているようです。人気の理由は街中に溢れ返っている同型モデルと、少しでも差別化しておきたいといった心理みたいで、台数が多く出ているコンパクトカーに多いです。

  日産のスポーツモデルを対象にしたパーツを制作してきたNISMOからも、「コンプリートモデル」が次々と発売されています。NISMOのフラッグシップに位置するGT-R"NISMO"だけでなく、マーチ、ジューク、ノートといった廉価モデルのラインナップを充実する動きが加速しています。もちろん伝統のスポーツモデルであるフェアレディZにも設定があります。NISMOのような系列チューナーによるコンプリートカーはそのメーカーの熱狂的ファンしか興味を示さないものですが、マーチ、ジューク、ノートに関してはお手頃でなかなか興味深い価格設定になっているので、どれくらい売れているかはわかりませんが、一般レベルでの認知が進めばもっと売れてもいいかもしれません。メルセデスAMGのような過激なまでの出力アップこそないものの、特別にチューンされた自然吸気1.6Lで140ps(ベース車は1.2L)、しかも車重がわずか1080kgに抑えられたノートNISMO(224万円)は、例えばVWポロに設定されているどのグレードよりも魅力的だと思うのですが、カーメディアで十分に紹介されていないのが残念です。

  フェアレディZ・NISMOは自然吸気3.7Lをベース車の336psから355psまで引き上げるといった、ポルシェの「GTS』グレードみたいな手法を採っています。ボクスターやケイマン、そして2Lターボで300psオーバーを搾り出して全く余裕がないクルマ(A45AMG)が700万円くらいで売られていてそこそこの人気であることを考えたら、このスペックで600万円以下というだけで「フェアレディZ"NISMO"」には十分に商品価値はあると思います。

  NISMOの守備範囲はスポーツカーとコンパクトカーだけですよ!っていう線引きがあるのかもしれませんが、ここで思い切って「スカイライン"NISMO"」を作ってみてはどうでしょうか? 「HV」で「ステアバイワイア」というだけでNISMOの規模では関与できませんってことなら仕方ないですけど、フェアレディZ"NISMO"のエンジンを積んで、V37に大排気量NAの限定モデルを発売してもらえないですかね。あとはちょっと引っ掛かりが少なめなV37のエクステリアに、オシャレな専用パーツでもドカンと付けてほしいです。しかし存在を主張し過ぎているリア・スポイラーは絶対にNGですけど。

  さらに気になるのが、V37のやたらと「高級車」を意識し過ぎてしまっている内装で、これを「走る気にさせる」アレンジにして欲しいです。もっとスポーティでシンプル、だけど包まれ感だけは逃さないような上質な内装に貼り替えてくれると、さらに「いいクルマ」なんですけどね。かなりド派手に「デコった」センターコンソールを、わざわざ地味なものに変更するのは、メーカーとしてはちょっと受け入れ難いかもしれないですが・・・。でもやっぱり何と言うべきか非常に心苦しいのですけど、とりあえず「画面が多すぎ!」で何かダサいんですよね。なんだかV37の「内装」をディスる内容になってきてしまいましたが、まだまだ言います。ステアリングがやや「シブ過ぎ」なので、もっとクルマの個性が主張できるものにチェンジしたいですね。そんなのは「どっかのショップでやればいい」とか言われそうですが、やはりクルマにかかる費用がやたらと高くなっている昨今では、「新車保証」の期間内は安易に社外パーツへの取り代えは控えたいものです。

  V37スカイラインを買っても、内装を中心にやたらと「オヤジ仕様」が目立つからちょっとな・・・という20代30代40代は多いと思いますよ。しかも内装の選択できる純正オプションは「プレミアムカー」としては、あまりにも少ないのでどうにもできません。内装の基本は確か「ブラック」「ブラウン」「ベージュ」が基調で、とりあえず若々しさを求めてブラックを選ぶとしても、これがあまり気に入らないというか、目を惹かない「華の無い」タイプのブラックです。最近では小型車でもステッチを入れたセンスの良い内装が多いのに、どうもセダンは古めかしいものをわざと使っているかのようです。日産の名誉のために言っておくと、アテンザもレガシィも「ちょっと違うかも?」みたいな違和感はありますが・・・。

  最近のセダンに「内装でもっと楽しませて!」と願う一方で、マーチ"NISMO"の内装を見るとなんだかとっても「いい感じ」なんですよね。このテイストをいまいちパッとしないV37スカイラインに導入すれば、ほどほどにいい感じのコクピットが出来るのでは?と思うのですが・・・。


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2015年1月31日土曜日

レジェンド・アテンザ・レガシィ 日本のセダン天晴れ!

  日本ではセダンが「乗用車の基本形」という立場で見られなくなって久しいです。昔は各メーカーからマーク2・クレスタ・チェイサー・ヴェロッサのように共通設計のいわゆる兄弟車がたくさん出ていましたが、最大手のトヨタを見ても4つの販売チャンネルからそれぞれ違う車名を冠したセダンが出てくるなんてことはなくなりました。またトヨタと日産が国内市場でセダンを重要視していたころは、両メーカーを代表するモデルがやたらと似通っていたのも完全に昔の話で、現行モデルのクラウンとフーガは遠くから見てもハッキリと違いが解ります。トヨタ以外のメーカーのセダンは全てグローバルモデルになっていて、特に高級モデルはドイツ車に負けないような力強いフロントマスクを持つものが増えています。

  トヨタのクラウンも今では完全に中国向けの主力セダンとして生まれ変わっていて、次期MCでは2Lターボ車の発売が噂されています。新たな主戦場となる中国では現地生産されるターボチャージャー搭載の欧州メーカー車が圧倒的な人気を誇っているようで、苦戦する日本メーカーも販売のてこ入れのために何らかの対応が迫られています。日本車と言えば静かなNAエンジンが海外でも高い評価をされてきましたが、中国市場は他のどの主要市場よりも小排気量ターボの人気が高いようです。もはやドイツ・フランスといった極めて合理的な経営をする国々のメーカーでは、中国でいかに稼ぐか?がメーカー存続のために必要で、メーカー群が徒党を組んでステマを展開し、ターボと小型SUVというブームを中国へ持ち込んだ格好です(どちらも儲かる!)。日本勢の勢いは完全に削がれてしまった結果、簡単にまとめるとスタイリッシュな小型SUV・小型セダンでホンダ・スズキ・マツダが勝負し、取り急ぎターボチャージャーを調達してプレミアムカーを売ろうとしているのがトヨタ(レクサス)と日産(インフィニティ)です。

  2Lターボ車なんて全く興味ない!という日本の生粋のセダンユーザーにとっては、中国市場の動向による利益のない影響が日本へと大きく及ぶのは由々しき事態といえます。ほんのつかの間かもしれませんが、そんな人々の溜飲を下げさせてくれるのが、マツダ・アテンザのMCとスバル・レガシィのFMC、そしてホンダ・レジェンドの日本市場復活です。レガシィとレジェンドに関しては北米市場で育まれた背景を持ちますが、ドイツ車のような2Lターボで即席の安っぽい乗り味が作られるのに比べれば、マツダ・スバル・ホンダ(未試乗)が中型・大型のセダンに用いるエンジンもどれも味わい深く、豊かな乗り味が楽しめます。

  やはりセダンは他のボディタイプではなかなか味わえない特別な乗り味を保持して初めて「一流」なんじゃないですかね・・・と生意気なことを言ってしまいますが、やはりゴ◯フと同程度の乗り味のセダンなんてとてもじゃないですが納得できません。現行のゴ◯フが発表されたときに、クラウンのような静音性とか言われてましたが、私の乗った限りでは車体からエンジンのマウントまでクラウンには遠く及んでいませんし、ゴ◯フGTIのボンネットを開けてみるとフードの裏についている遮音材の面積は、アテンザ、レガシィ、クラウンなどに使われているものよりも極端に小さかったです。「自家用車」誌の測定によるとクラウンとゴルフでは2段階くらい静音性のレベルが違ったそうです(もちろん現行クラウンが上です)

  ゴ◯フを作っている某ドイツメーカーはどうやらクラウンの知名度を利用した宣伝を日本のカーメディアに流布したようですが、日本車セダンのユーザーが乗り比べれば、そのステルスマーケティングにはかなりの誇張が含まれることにハッキリと気がつくレベルです。ゴ◯フはたしかにヴィッツやマーチに比べれば質感の良さが実感できますが、それを考えても相当に割高な日本価格が付けられています。クラウンと同じくらい!なんて現行同士で比べたならばとてもじゃないですがあり得ないです。BMW3やアウディA4の水準を追い越した先にクラウンのレベルがあるというのに・・・。余談ですが、ゴ◯フGTIに試乗したあと自分の国産セダンに乗って帰ったときに、改めて愛車の遮音性の高さに感動したほどです。

  確かに廉価なドイツ車にもれなく付いてくるターボチャージャーがウルサイ!なんてことはないのですが、あくまで静音性に関していえは、ドア周りのパッキンがどれくらい念入りに入っているかであるとか、エンジン周りの遮音材をどれだけ使っているかといった基本的な部分がそのクルマの「実力」に大きく関わっています。BW1シリーズのドア周りは見比べるとフィットやマーチ並みに貧弱だったりします。日本車がドイツ車がといった先端技術ではなく、そのメーカーがどれだけ真面目にそのクルマを作っているかの姿勢が大きな差を生んでいます。トヨタに関して言えばヴィッツとクラウンには価格差なりの格差が付けられていて、なんだかんだ言ってもゴ◯フはクラウンよりヴィッツに近い作りをしています(遮音材の量など)。ドイツ車ユーザーに言わせれば、日本のセダンは外界の音を徹底的に遮断しているので、逆に静かすぎて気味が悪いそうです。ドイツ人と日本人の文化的バックグラウンドも指摘されていて、ドイツ人エンジニアに「静音性」についての質問を繰り返しても意図が全く伝わらないというケースもあるのだとか。

  数年前まではそんなドイツ勢のセダンに市場を席巻されつつあったようですが、よっぽどのドイツブランドへの盲目的な憧れでも無い限りは、BMWやメルセデスのセダンに壊れるまでずっと乗っていたいとは思うことは少ないようです(ユーザーへのアンケートによると)。その一方でレジェンドやレガシィB4、アテンザは10年以上乗りたいというユーザーの割合が高いです。高性能なクルマを比較的手軽な価格で、しかもランニングコストも今のところは輸入車に比べれば相当に割安ですので、経済性を重視しつつ快適なクルマに長く乗っていたいと考えるユーザーからの支持を得るのは当然です。よって買い換えのサイクルは長くなるので、年度当たりの販売台数では輸入車の数字が多めに出ることもあるでしょう。もちろんクラウンやレクサスLSのように短期での買い換えが常態化している日本車もありますが・・・。

  ドイツ車が好きで乗っている人を否定するつもりなんてないですが、やはり自分の愛車とどう接するか?といった距離感によっては、日本とドイツの文化の違いからくる違和感がどうしても看過できない水準に達することがしばしばあると思います。部屋に飾っておく模型としてならばフェラーリでもランボルギーニでもM1エイブラムス戦車でもそれほど困ることはないですが、クルマを部屋の延長と考えるならば、衣・食・住といった生活に深く関わるものを、ドイツ文化に委ねたいとは思わないです。やはり日本文化に同化しきれていない舶来品は使いづらさを感じます。欧州製の家具に囲まれた生活に満足する人もいるでしょうけど、私にはどうも理解できません。リニューアルオープンしたホテルには「和モダン」と名付けられた部屋が用意されることが多いので、おそらく私のような人はかなり多くて、かなりの需要があるように思います。

  さてクルマに話を戻すと、バブル期に「赤坂サニー/六本木カローラ」と言われるほど親しまれて以来20年以上の歴史を持つメルセデスCクラスやBMW3シリーズならばある程度の親和感を感じますが、それでも日本人が作った日本車に比べればトータルで見た「良いクルマ」度は数段劣るように感じます。なにより日本人にとって愛着を感じるBMWとは3シリーズ(F30)ではなく、新たに登場した2シリーズクーペの方だったりするかもしれませんが・・・。

  ドイツ車には少々難がある・・・と嫌味を言うのが今回の目的ではなくて、日本メーカーは安易なドイツ車追従ではなく日本人が心から親しめる高品質なセダン作りを続けていくことがやはり大事だと思います。レクサスに関してはそもそもがアメリカ向けに作られたブランドで、それを逆輸入する形で日本に導入したのだから、もっと日本らしくという要求自体が筋違いかもしれません。そしてレクサスと同じようにセダン開発を北米基準にしている日産にも、さらに日本向けにあらゆる点で行き届いたセダンを期待するのは難しいのかもしれません。ホンダ・スバル・マツダに関しても日産と同様の経営方針ではあるようですが、日本で多くのセダンファンを持たないこの3メーカーとしては、トヨタ・日産そしてドイツ勢を相手に回して十分に魅力を発揮できるクルマ作りが必須です。


  そんな3メーカーの現在地を考えた上で、アテンザ・レガシィ・レジェンドを改めて見ると既存勢力を打ち破るポテンシャルを備えた「上質セダン」を手頃な価格(安くはないですけど)で提供したい!という戦略的意図が見えます。プロの評論家がこの3台について何と言おうとも、大きな声で絶賛したい素晴らしい出来です(各車については追々・・・)。現状で欲しいクルマ1〜3位がこの3台です。どれが1位か?はやや難しいですが、高級ブランドを圧倒するハイテクセダンが欲しければレジェンドで、ドライブフィールを求めるならアテンザ、そして最上級に安全な走行環境を欲するならばレジェンドですかね。デザインはどれも素晴らしいです!

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↓アテンザMC版が発売されました!BMW3やアウディA4との大胆比較です!

2014年12月27日土曜日

いよいよフーガも輸入車モードに突入か?

  ある程度は覚悟していましたが、いよいよ日本車として独自の発展を遂げられる普通車は、Bセグ、ミニバン、SUVだけ!という時代が本格的にやってきたようです。普通車の月間販売ランキングをみていると、まだまだクラウンやレヴォーグといった国内専用モデルがかなり健闘しているので、「そんなことはない!」と反論したい気持ちはあるのですが、日産・フーガが今度のマイナーチェンジでインフィニティ・マークを付けて登場することが濃厚で「いよいよその時が来た・・・」という感じがします。

  「レクサス」が日本に上陸して10年経ちました。当初は300万円のマークXと似たような乗り味のレクサスISを500万円で売るという、斬新なブランドの「概念」があまり理解されていないようでしたが、今では「高級車に乗りたい人」向けのブランドとして市民権を得たようです。その一方でレクサスユーザーとは違って「高級車アピールをしたくない人」にとっての拠り所として、「日産フーガ」の存在意義が大いにあったのですが、今回のMCを機に「インフィニティQ70」として再出発する?ことで、なんだか裏切られた想いの人もいるかもしれません。レクサスGSがもう1台増えても・・・。

  高級車に向かって失礼ですが、フーガ(インフィニティQ70)もレクサスGSもいまいちパッとしないです。その理由として、単独ブランドとして欧州各国でも展開を始めたレクサスやインフィニティが全くと言っていいほどに、ドイツなどの主要市場で存在感を発揮できていません。アメリカ&日本的な価値観で作られた高級車は欧州では全く相手にされない!なんて愚かなことを言うつもりはないですが、完全アウェーとはいえドイツで高級ブランドが全くの不調というのはトヨタにとっても日産にとってもなかなか消せない汚点です。どうせ売れないだろうという先入観があったのか?それともドイツ市場の規模を軽視したのか?

  アメリカ的な価値観から生まれたレクサスとインフィニティは必然的に、欧州や日本で避けられる大排気量エンジンで重量のあるラグジュアリーなボディを軽々と動かす設計が基本です。そしてアクセルもハンドリングもかなり「ゆるさ」というかゆとりを感じるものですが、それをアメリカ流の「上質さ」として肯定しています。そのせいで、せっかくのハイスペックなトヨタと日産のV6エンジンを積んでいても、クルマの機敏な動き(インテンシティとかいうらしい)の面でのインパクトが薄いのは確かです。確かにメルセデスやBMWが廉価モデルで多用している2Lターボと乗り比べれば、トヨタや日産の大排気量V6は4000rpm以上での出力の信頼感など圧倒的なのですが、低速域ではトルクの特性が工夫されている2Lターボと比べてそれほど大きな違いが見出しづらいです。

  もちろん高級車のエンジンとしてどちらが魅力的か?と言われれば、トヨタの3.5Lと日産の3.7Lの方が間違いなく素晴らしいのですが、GS、IS、クラウン、マークXともに3.5LのNAはセールス的に少数派ですし、日産はフーガのMCと、スカイラインクーペのFMCで日本ではNAエンジンが両モデルから廃止になり、いよいよ3.7LのNAを積むのはフェアレディZだけになりそうです。日本でいまいち売れないクルマをドイツに持っていったところで当然に売れるわけはなく、レクサスもインフィニティも欧州で一定の販売を得るためかどうかわかりませんが、2Lターボを搭載したグレードの開発に着手しました。

  日産ではすでにスカイラインにメルセデス製の2Lターボが使われていますが、これこそが日産マークを捨ててインフィニティマークを掲げるようになったことよりも問題ではないかと思います。日産がスカイラインという伝統のモデルに込めてきた美学をねじ曲げて、ドイツでもアメリカでも中国でも作っているような無個性でありふれた設計の「プレミアムカー」に近いクルマにしてしまったのが「スカイライン200GT-t」です。日産としては国内専用グレードとなっていて製造コストが嵩む2.5LのV6を置き換える目的でメルセデスの2Lターボを導入しているので、フーガの2.5L最廉価モデルも当然ながらターボ化されることが既定路線だと思われます。

  「E250」「523i」「A6」に追従するように「ジャガーXF」「キャデラックCTS」と失礼ながら無個性な高級車が続々発売されています。売る側も買う側もなんだか気合が入らず、脱力感に包まれているというのに、レクサスや日産もここに「GS」と「フーガ」を放り込んでくる勢いです。これらのメーカーは「飽和」という言葉を知らないのでしょうか? いや「マーケティングの鬼」であるトヨタ(レクサス)はそんな愚かなことはしないでしょう。「E、5、A6、XF、CTS」が完全に行き場を失って失速の一途を辿っているのは誰の目にも明らかです。私のような貧乏人の目にも決して魅力的には映りません。一体どれだけの人が700万円払ってでも買いたいと思うのでしょうか? マセラティ・ギブリの全世界規模の大成功は、これらのプレミアムカー達の魅力不足に大いに原因があると思います。

  日本のアホ全開な評論家達はスカイラインの2Lターボに喝采を送っていますが、さきほども述べましたが日産を選ぶ理由を根底からぶっ壊してくれたのが、この2Lターボの導入です。誰か一人くらいここに噛み付けよ!とずっと思っていましたが、おそらく表立って主張した評論家は皆無だったと思います。たとえプロパガンダだと批判されようとも、私はこう宣言し続けたいと思います。「スカイライン200GT-tはクソだ!」「もしGSやフーガに2Lターボが載ったならば、もっともっとクソだ!」・・・・乗っているヤツと作っているヤツの人間性を心底疑ってしまうよ・・・日本車の恥だ!もっとプライドを持て! 


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2014年9月26日金曜日

マークX と カムリHV の迷走・・・

  気に入らないものはなんでもかんでも否定というのは良くないですね。たくさん車種を用意してくれてるだけでトヨタは素晴らしい!というのがもちろん大前提ではあるのですが、マークXの特別仕様車が目が痛いほどの「黄色」で登場し、カムリのフェイスリフトがどことなくセダンの尊厳を奪っているように感じられ、どうもトヨタはこの2台に正統セダンとしての進化を意図していないように感じてしまいます。レクサスがあってクラウンがあってという大所帯のトヨタグループのブランド事情を考えると、「進化の方向」はおのずと限られたものになってくるんですかね。

  クラウンやレクサスGSより快適になってはダメだし、レクサスISやRCよりもスポーティになってもダメ。「サルーン」と「GTカー」という二つの進化系を封じられた「中庸」なポジションに、カムリとマークXというキャラの違う2台をラインナップしていて、しかも噂になっていた両車の統合の話もどうやら無くなりました。トヨタの信頼性を加味すると驚愕のコスパと言えるこの2台ですから、今後もそれなりに勝算はあるのでしょうが、セダンが持つ高機能性を評価する購入層からしてみるといろいろ難点があると思います。

  現代のセダンには、本物のスポーツカーが持つようなオーラが必要不可欠で、それはその気になれば快適に使えるベッドのようなボンネットの強調であり、リアのフェンダー回りの造形だけで見る人をノックアウトできる優雅さだったりを備えることですが、全身が黄色になってしまったマークXのボンネットは見つめるだけで目がチカチカしますし、ベース車の軽いデザインラインが垣間見えてしまうリアフェンダーに熟成された色気は無く、ただただ若々しいなといったところです。「Yellow Label」の特別塗装色アウェイクンイエローは、流行のマイカ系ではなくマットな質感でパネルのプレスラインがより平坦に見えてしまう気がするのですが・・・。

  トヨタとしては50歳を超えた男性に向けて、地味で控えめなライフスタイルから「脱皮」して「原色」に身を包んで街を闊歩せよ!みたいな啓示を与えているのでしょうが、最近のオッサンは原色のポロシャツに半ズボン&ブランドサンダルくらいは余裕で"標準装備"になっていて、自動車評論家の小沢コージさんのコピーみないな人種が街に溢れてます。彼らがプライベートで乗るクルマを選ぶならば、おそらくこのマークXはすり抜けて86なんかを選ぶ気がします。もしくはボクシィかハリアーか・・・。なんだかんだいってもモダンなライフスタイルを好む人々を巧妙に取込んでいくトヨタのマーケティングと企画力には脱帽します。日産ファンに言わせればエルグラやセレナの方が上なのかもしれませんが、結局のところトヨタはミニバンやSUVなどのファミリーカーに特別な意味を持たせる演出はお家芸といえるほどで、流行にやたらとタイムリーなクルマと次々と生む術はまさに"ジャスト=イン=タイム"だなと感じます。

  しかしその得意技をセダンに持ち込むとなると、風向きが大きく変わって何だか「やっちゃった感」がつきまといます。とりあえずレクサスのスピンドルグリルは受け入れられましたが、これはトヨタの真剣さが見事に伝わってセダンファンの心理を突き動かした数少ない例だと思います。それ以外のトヨタの企画を見てみると、どうやらセダンのデザインやその価値観を探求することなく、その存在が古臭いものだと決めつけてしまい、おもむろにミニバンやSUVで俄に成功した手法を安易に持ち込んでいます。そして古臭いイメージを解体するはずが、高級車が持つ尊厳そのものが解体してしまった・・・そんな失敗例がトヨタでは近年増えているように感じます。

  正面から見るとプリウスに見えてしまうフェイスリフトを施したカムリHVもやはりショッキングでした。トヨタのグローバルモデルを象徴するキーンルックのヘッドライトデザインと、パカっと開いたフォグライト&グリルの採用で、Bセグのアクア、Cセグのプリウス、Dセグのカムリで、VWやフォードに対抗するFF3クラスの設定を日本国内ではHV専用モデルだけで構成してきました。確かに2011年のデビュー時に鮮烈な印象を放ったアクアのデザインはよく出来ていますし、3代目にしてプリウスもだいぶ洗練されてきました。トヨタとしてはまだまだ売上が落ちる気配もない2台のデザインには自信を持っているのかもしれません。そしてカムリをこのラインに統合して、この2台からのステップアップ需要を掘り起こそうという意図もあるようです。

  トヨタの経営判断と、カムリのような本格セダンに愛着を持つ人々との間にはいくらかの認識の違い(ギャップ)があることが、今回のフェイスリフトで明らかになった思います。カムリHVのフェイスリフトがこのモデルに与える影響はかなり甚大で、そしてそれは必ずしも良い方向には行かないだろうと思います。現行カムリHVは間違いなくアテンザやクラウンへとつながる国産セダンが盛り上がるきっかけを作った名車でした。これだけ静かで快適で広々としたキャビンをもちつつも、実用燃費がおよそ15km/Lという破格の数値をぶら下げて登場したことで、セダンというスタイルがエコカー全盛の時代を生き残れないだろうと薄々感じていた人々のマインドを一気に変えセダンに多くの視線が注がれる契機となりました。そして何よりもその予想外に「渋くてカッコいい」セダンの王道スタイルに痺れた人も多かったはずです。そうした思い入れを抱えたセダン愛好家にとっては今回のフェイスリフトはあまりにも残念・無念であります・・・。


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↓ドイツ車を引き合いに出すのは気が引けますが、カムリHVにはこの路線を進んでほしかった・・・


  

  

2014年8月6日水曜日

ジャガーXF と マセラティ・ギブリ に継承された系譜

  最近はセダンを語る評論家がかなり少なくなってしまった。セダンの新規車種はかなりのペースで発売されていて、その1台1台に各自動車雑誌からレビューが行われているが、セダン要員といえるライターが絶対的に足りない。確かに読んでる側(私)にも何かと問題があるのかもしれないけど、クラウン、レクサスIS、新型スカイラインに関しての評論は、どれ一つとして心に残るものではありませんでした。

  これは輸入車ブランドにおいても同じで、BMW4シリーズグランクーペ、マセラティ・ギブリそしてメルセデスSクラスも何だか「すっきりしない」ものが多い印象でした。いずれも良く知られたプレミアム・ブランドのクルマだからこその難しさもあるかと思いますが、そのクルマへの感動が素直に伝わってこないです。もしかしたら感動なんてしていないのかもしれないですが・・・。ライターの年齢層が高すぎるのでは?という疑念が湧きます。セダン=オッサン車というイメージのせいか、50~60歳代のライターが登用されています。しかし私が思うにこれらの高級セダンとは、「頑張ってこのクルマに乗ってやるぞ!」と人生にプラスに作用するモチベーションに価値があります。

  ここでちょっと難しい問題がありますが、現在発売されているクルマは今の高所得世代が買うためのものです。よって年配のライターを配置することは理にかなっているのですが、そこにはエコだのユーティリティだのといった「現実主義」に晒されて、正当に評価されない、高級セダンの悲しい現実ばかりが列挙されます。セダン好きとしては時に胸が引き裂かれる想いがして途中でページを閉じてしまうことも度々あります。

  そもそも高級セダンに急激な変化なんて要らないです。燃費や加速性能を重視すればするほどに、高級セダンの価値なんてどんどん危ういものになります。高級セダンを買う人の多くが最も強く意識していることは、燃費や加速性能よりももっともっと大切なこと、つまり「同乗者の安全」です。しかしこれらのデリケートな情報を雑誌媒体で書く事はタブーになってしまいます。SUVや軽自動車がいかに危険で死傷率が高いかについて書いたライターがいたら完全に干されるでしょう。

  しかし中には、年配のセダンユーザーにとって有益な情報を提供しつつ、若いセダン志望者に夢を与えつつ、セダンの良さを見事に描き出すという才能に溢れたライターもおられます。クルマに負けない「キャラ」がなにより大切と感じさせてくれるのが、西川淳という方です。各雑誌もこの人のただならぬ存在感はとても重要視しているようで、雑誌媒体では最高レベルの超売れっ子ライターです。youtubeなどでもインプレを多くこなしていて、「いやぁ〜やっぱええですねぇ〜」と京都訛りで語る姿は重みがあります。

  そんな西川さんがモーターマガジン誌で「ジャガーXF3.0」のレビューをしてました。まあある程度は「提灯記事」なんだろうなと思わされるのですが、その論点に大きな破綻はありませんし、読んでいて素直に「欲しい!」と・・・迂闊にも感じてしまいました。同じ雑誌で展開されている理論派で名高い木村好宏さんの「アルピナB4カブリオ」のインプレとは180度違いますね。木村さんはまるでポルシェのスポーツカーを語るようなテンションで捲し立ててくれますが、どうも「金持ち道楽」的な視点が鼻に付きます。アルピナってそんなにむりやりポルシェに比肩させなくてもいくらでも引き出しがありそうな印象なんですが・・・。

  そんなアルピナの半額ほどで買えてしまう「ジャガーXF3.0」はデビュー時こそ目立たない存在でしたが、今となってはメルセデスやBMWの6気筒モデルよりも明らかにお手軽で、しかも内外装の高級感においてもEや5を軽く上回ってしまう「逸品」と言えます。レクサスGSやフーガが買える日本ではなかなか「ベストバイ」まではまだまだ遠いかもしれませんが、その「保守的」な佇まいは「とてもいい」です。自動車がパワーユニットを中心に目まぐるしく変わり、改良としての「変化」ではなく、宣伝活動の一環としての「変化」も多分に含まれていて、表面的には多様化しているように見える現在の自動車業界では一層光り輝いています。

  VW(アウディ)やメルセデスがやたらと過大評価されてますが、この2つの自動車メーカーがこの20年間で成し遂げた事って一体何ですか?クルマは宣伝広告で売るものだ!という「商社」や「広告代理店」のメンタリティに迎合しただけじゃないですか?VWパサートやメルセデスCクラスなんて「肥大(最適)化したコンパクトカー」としての価値はあるかもしれないですが、「高級セダン」として憧れの対象になりえるクルマじゃないです。ジャガー、マセラティ、あとアルピナ。この3ブランドが「高級セダン」のブランドとして今後さらなる重要なポジションを占めてくることを期待したいです。

  
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2014年7月24日木曜日

クラウンアスリートは・・・伸び代がまだまだありますね。

  最近のセダンは「ボディの大型化」が待った無しで進んでいて、従来のセダンとはデザイン概念がかなり変わってきているように感じます。まず何より気にしなければいけなくなったのが「色」ですね。そもそも「色」で悩んでいるくらいだったら、ほぼ確実に後悔するので、購入はしばらく見送ったほうがいいかもしれません。もう絶対にこの「色」だ!と絶対に揺らがない「信念」が芽生えて初めてそのクルマに納得できると思います。

  ちなみに最近のセダンのベストの「色」を個人的に選ぶならば、
  マツダアテンザ  「ジェットブラックマイカ
  レクサスIS    「ソニックチタニウム
  ホンダアコードHV 「プレミアムスパークルブラックパール
  日産ティアナ           「ダイヤモンドブラック
  日産スカイライン   「HAGANEブルー
  ですね。とりあえずプレミアムセダン以外はとりあえずスマートに見える黒を選んどけ!という結論になってしまいました。

  そしてクラウンアスリートも「プレシャスブラックパール」が一番良く似合いますね。ただし国内専用車としてわりと保守的な造形のクラウンは、ほかのブラック推奨の車幅1840mmのセダンよりも細身でサイド面のキャラクターが乏しいので、メーカーオプションのサイドプロテクションモール(3万3600円)とサイドガーニッシュ(5万5650円)が必須かなと思います。実際にこれを装備している「プレシャスブラックパール」のアスリートが品があってメチャクチャカッコいいです。

  ただしトヨタはメーカーオプションにハマるともうアリ地獄みたいなもので、他のブランドでは用意されない魅力的なアクセサリーがたくさんあります。いくらメルセデスやアウディより安いからといっても、クラウンアスリート3.5G(591万円)で「高級感」「カッコ良さ」「走り」をすべて追求したら800万円なんてすぐに超えてしまいそうです。強化ブレーキパッドと強化ローター(これはカッコいい!)は外せないでしょうし、車体剛性が上がるメンバープレースや、純正スポーツサスペンションとスタビ・・・とりあえずこれだけで50万円。アスリートの最上級グレードならば全部標準で付けておいてほしいです。この点に関してはスバルのやり方が素晴らしいと思います。

  選ぶもの全部載せちゃえば、クラウンも6気筒のBMW5シリーズ(535i 902万円〜)と比べて価格差なんてあまりないわけですが、さすがにここまで仕上げればBMWのブランド力なんて全く気にならないくらいにクラウンアスリートに「心酔」できるんじゃないでしょうか。BMWが誇るパワーユニットと比べても、全くと言っていいほど遜色はないです。もともとBMWが使っていたアイシンAWの8ATが付いていて、トヨタが誇る3.5L・NAのダイレクトな高性能ユニットならば、BMWの代名詞である直6ターボにも負けない魅力があります。

  内外装のデザインや質感に関しては、もちろん好みもあるとは思いますが、全般的にクラウンの方が優勢じゃないか?という気がします。まああくまで一般的な基準での話であって、熟成されたBMWの上級シャシーに乗りたいという人には「535i」が一番納得できるでしょう。まあ何が言いたいかというと、レクサスやBMW、アウディ、メルセデスで高級セダンを買ってあれこれアクセサリーを付ければ、お金がいくら合っても足りないでしょうけど、トヨタブランドならば、国内専用車のクラウンを好きなだけカスタマイズするメニューが用意されていて、「エクステリア」「インテリア」「動力性能」のいずれもかなりの部分まで高めて、やっとプレミアムブランドのベース車と同じくらいの価格・・・これって結構凄いことだよね!ってことです。

  日産もホンダもそうですが、6気筒NAのスカイラインやアコードを残しておいて、トヨタのようなカスタマイズオーダーを受け付けるような売り方をしてくれれば、せっかくの基本性能が高いクルマの魅力がもっともっと引き出せるだろうにと思います。HV専用車にしてしまったら、かなりの部分で制約ができてしまいますし、どう弄ったところで静粛性が高いビジネスサルーンにしかならないですよね。これでは今後登場するポルシェやジャガーが投入を予告している刺激的なスポーツセダンに勝てると思っているのでしょうか?ジャガーXEはおそらく300万円台で殴り込みをかけて旋風を巻き起こすでしょう。

  もちろんトヨタの販売規模だからできるという意見もあるでしょうが、もともと付加価値が高い「高性能サルーン」を売るわけですから、販売方法はいくらでも改良できるはずです。マークXもフルエアロ使用のG'sでだいぶ息を吹き返した。今後は86ベースのセダンを発売する見通しらしいですが、スポーツカー86ともどもコンプリートカーなどの販売を含めて多様な売り方を織り交ぜて盛り上がってほしいと思います。


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